HOME 駅伝、箱根駅伝

2024.01.04

東海大 10区でシード権逃すも下級生の奮闘に光明 「来年はもっと上の順位を目指せる」/箱根駅伝
東海大 10区でシード権逃すも下級生の奮闘に光明 「来年はもっと上の順位を目指せる」/箱根駅伝

24年箱根駅伝8区で区間7位と力走した東海大・南坂柚汰

◇第100回箱根駅伝(東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)

総合11位で惜しくもシード権を逃した東海大。しかし、今季スローガンに掲げた“復活の狼煙”がはっきりと見えた2日間だった。

広告の下にコンテンツが続きます

1区の兵頭ジュダ(2年)が終盤に第2集団を引っ張り、先頭と31秒差の区間5位で滑り出すと、関東インカレ10000m2位の花岡寿哉(2年)が順位は5つ落としたものの1時間7分33秒の好タイム。秋に結果を残した3区の鈴木天智(2年)と4区の野島健太(3年)が堅実につなぐ。5区では4年目にして箱根初出場となった喜早駿介が苦戦したものの、シードラインの10位まで1分20秒差の16位で往路を走り終えた。

16人の一斉スタートとなった復路は6区で梶谷優斗(3年)が59分7秒の区間9位で総合11位まで上げる。7区では故障から復帰した石原翔太郎(4年)は序盤から苦しい表情を見せ区間15位、総合13位に下がった。

しかし、石原と同じ岡山・倉敷高出身のルーキー・南坂柚汰が8区で魅せた。前を走る神奈川大、大東大、中大をかわすなど、区間7位で、シード権内の10位までついに浮上。9区の竹割真(2年)も粘り、タスキはアンカーのロホマン・シュモン(2年)に託された。

昨年11月の上尾ハーフで1時間2分40秒を叩き出して、一躍名乗りを上げたロホマン。「量的によく練習をする選手。地道に努力した成果がかたちとなってうれしい」と両角速駅伝監督がアピールを買っての10区起用だった。しかしロホマンは「初の大舞台。かなり緊張していました。単独走がメインという条件もあり、ふがいない走りをしてしまいました」。

広告の下にコンテンツが続きます

11位の大東大と4秒上回ってスタートしたが、見た目ではわからないタイム差の中、6㎞付近の蒲田を過ぎると順位が逆転。距離が進むごとに徐々に差は開いていき、最終的には1分10秒差をつけられ、総合11位で大手町に帰ってきた。

ゴールでは4年生の石原と喜早がロホマンを迎え、石原は笑顔で肩を叩き健闘を称えた。主将の越陽汰(3年)を欠き、予選会は10位通過と本戦での苦戦も予想されたが、最後は激しいシード権争いを演じた。

大会後、両角速駅伝監督は「非常に悔しい結果。シードに入っていかないといけないという部分で焦りがあった」と分析。それでも、若い力での敢闘は“復活の狼煙”が上がったレースとなった。

1、2年生が6人というオーダーで見せ場を作った100回大会の東海大。ロホマンは「(兵頭)ジュダや花岡だけでなく、強い2年生全員でチームを成長させていきたい。来年は絶対シード権を取ることはもちろんですが、もっと上の順位を目指せると思っています。1人1人の力はさらにこの1年でついていくと思う」。シード権は逃しても、もっと強くなる意志を得た東海大。100回大会を糧に来季への反撃を誓う。

文/荒井寛太

◇第100回箱根駅伝(東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km) 総合11位で惜しくもシード権を逃した東海大。しかし、今季スローガンに掲げた“復活の狼煙”がはっきりと見えた2日間だった。 1区の兵頭ジュダ(2年)が終盤に第2集団を引っ張り、先頭と31秒差の区間5位で滑り出すと、関東インカレ10000m2位の花岡寿哉(2年)が順位は5つ落としたものの1時間7分33秒の好タイム。秋に結果を残した3区の鈴木天智(2年)と4区の野島健太(3年)が堅実につなぐ。5区では4年目にして箱根初出場となった喜早駿介が苦戦したものの、シードラインの10位まで1分20秒差の16位で往路を走り終えた。 16人の一斉スタートとなった復路は6区で梶谷優斗(3年)が59分7秒の区間9位で総合11位まで上げる。7区では故障から復帰した石原翔太郎(4年)は序盤から苦しい表情を見せ区間15位、総合13位に下がった。 しかし、石原と同じ岡山・倉敷高出身のルーキー・南坂柚汰が8区で魅せた。前を走る神奈川大、大東大、中大をかわすなど、区間7位で、シード権内の10位までついに浮上。9区の竹割真(2年)も粘り、タスキはアンカーのロホマン・シュモン(2年)に託された。 昨年11月の上尾ハーフで1時間2分40秒を叩き出して、一躍名乗りを上げたロホマン。「量的によく練習をする選手。地道に努力した成果がかたちとなってうれしい」と両角速駅伝監督がアピールを買っての10区起用だった。しかしロホマンは「初の大舞台。かなり緊張していました。単独走がメインという条件もあり、ふがいない走りをしてしまいました」。 11位の大東大と4秒上回ってスタートしたが、見た目ではわからないタイム差の中、6㎞付近の蒲田を過ぎると順位が逆転。距離が進むごとに徐々に差は開いていき、最終的には1分10秒差をつけられ、総合11位で大手町に帰ってきた。 ゴールでは4年生の石原と喜早がロホマンを迎え、石原は笑顔で肩を叩き健闘を称えた。主将の越陽汰(3年)を欠き、予選会は10位通過と本戦での苦戦も予想されたが、最後は激しいシード権争いを演じた。 大会後、両角速駅伝監督は「非常に悔しい結果。シードに入っていかないといけないという部分で焦りがあった」と分析。それでも、若い力での敢闘は“復活の狼煙”が上がったレースとなった。 1、2年生が6人というオーダーで見せ場を作った100回大会の東海大。ロホマンは「(兵頭)ジュダや花岡だけでなく、強い2年生全員でチームを成長させていきたい。来年は絶対シード権を取ることはもちろんですが、もっと上の順位を目指せると思っています。1人1人の力はさらにこの1年でついていくと思う」。シード権は逃しても、もっと強くなる意志を得た東海大。100回大会を糧に来季への反撃を誓う。 文/荒井寛太

第100回箱根駅伝11位の東海大メンバー

1区 兵藤ジュダ(2年)区間5位 2区 花岡寿哉(2年) 区間13位 3区 鈴木天智(2年) 区間15位 4区 野島健太(3年) 区間16位 5区 喜早駿介(4年) 区間22位 6区 梶谷優斗(3年) 区間9位 7区 石原翔太郎(4年)区間15位 8区 南坂柚汰(1年) 区間7位 9区 竹割真(2年)  区間11位 10区 ロホマン・シュモン(2年) 区間20位 ◎補員 佐伯陽生(4年) 松尾昂来(4年) 折口雄紀(4年) 越陽汰(3年) 湯野川創(2年) 永本脩(1年)

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.15

編集部コラム「私のインターハイ地区大会」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 広告の下にコンテンツが続きます 攻め(?)のアンダーハンドリレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃 […]

NEWS NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

2025.06.15

NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)の2日目が6月15日に行われ、最終種目のNCG男子5000mはB.キプトゥー(麗澤大)が13分46秒77で1着を占め […]

NEWS 小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

2025.06.15

小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

6月14日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子3000m障害で、小原響(GMOインターネットグループ)が日本歴代8位の8分22秒64をマークした。 大会は世界陸連コンチネンタルツアー・ […]

NEWS 久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

2025.06.15

久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)4日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3大阪)が昨年自らがマークした大会記録を0.7 […]

NEWS 青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

2025.06.15

青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NDG)の1日目が6月14日に行われ、雨のなか、各組で好レースが繰り広げられた。 男子10000mでは2組で1着(28分53 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top