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2023.11.06

駒大が2年連続3冠へ盤石の王手!トップを一度も譲らない完全V 「満点に近い評価ができます」/全日本大学駅伝
駒大が2年連続3冠へ盤石の王手!トップを一度も譲らない完全V 「満点に近い評価ができます」/全日本大学駅伝

2023年全日本大学駅伝で4連覇を果たした駒大

◇第55回全日本大学駅伝(11月5日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km)

大学駅伝日本一を決める全日本大学駅伝が行われ、駒大が5時間09分00秒で大会4連覇を達成した。

王者・駒大が今年も伊勢路で抜群の強さを見せつけた。1区は全日本初出場の赤津勇進(4年)。早大・間瀬田純平(2年)とのラスト勝負を制して、区間トップで発進した。「(後ろは)自分より速い選手ばかりなので、自分が1区をしくじることがなければ確実に勝てると思っていました」という赤津の“予感”は的中する。

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2区・佐藤圭汰(2年)は、「昨年区間賞を逃して、出雲駅伝は青学大・黒田朝日選手と同タイムでした。今回はこの2つの悔しさを晴らそうと思って走りました」と気合十分。5km13分48秒で通過すると、早大を引き離していく。区間記録を11秒も更新する有言実行の「区間賞・区間新」で、後続に16秒以上の差をつけた。

結果的にここで“勝負あり”。続く篠原倖太朗(3年)は前半、早大に詰められるも、3km過ぎからエンジン全開。5kmを14分01秒で通過すると、区間2位(日本人トップ)でタスキをつなぐ。「区間賞を獲得できず悔しいレースになりましたが、後続を突き放すことができたのは自信になりました」と篠原。リードは1分に拡大した。

「何度も当日変更で外れる悔しい思いをしてきた」という赤星雄斗(4年)が4区。5kmを14分27秒で通過すると、「いい意味で目立たない走りができたと思います」と持ち味を発揮して、区間2位と好走した伊藤蒼唯(2年)は「出雲の反省から前半抑えて、後半上げていくレースプラン」で臨んでこちらも区間2位。堅実な走りでリードを広げた。

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3年連続で6区を託された安原太陽(4年)。「暑さで目標タイムには届きませんでしたが、最低限の目標である区間賞を獲得できました」と力強い走りで、後続を寄せ付けなかった。駒大を脅かすチームはなかったが、主将・鈴木芽吹(4年)は攻め込んだ。「田澤廉さん(トヨタ自動車)がマークした区間記録に挑戦して、結果としてオーバーペースになってしまった」と5kmを14分01秒、10kmを28分28秒で通過。さすがに後半は苦しい表情となったが区間3位でまとめた。

2分49秒というセーフティリードを受けてスタートした山川拓馬(2年)も力強い走りを見せ、区間賞で締めくくり。後続に3分34秒という大差をつけて、歓喜のフィニッシュに飛び込んだ。

「選手たちがしっかり走ってくれたお陰で2度目の4連覇と2冠目を取ることができました。他大学に隙を与えることなく、ゴールまでタスキを運ぶことができて、駒大の強さをしっかり示すことができたと思います。今日のレースに関しては満点に近い評価ができますね。今後は箱根駅伝を全力で取りにいき、ぜひ2年連続の3冠を達成したい」(藤田敦史監督)

圧倒的な存在感で出雲に続いて全日本も完勝した駒大。正月決戦で史上初となる2年連続3冠の偉業を果たすつもりだ。

文/酒井政人

◇第55回全日本大学駅伝(11月5日/愛知・熱田神宮~三重・伊勢神宮:8区間106.8km) 大学駅伝日本一を決める全日本大学駅伝が行われ、駒大が5時間09分00秒で大会4連覇を達成した。 王者・駒大が今年も伊勢路で抜群の強さを見せつけた。1区は全日本初出場の赤津勇進(4年)。早大・間瀬田純平(2年)とのラスト勝負を制して、区間トップで発進した。「(後ろは)自分より速い選手ばかりなので、自分が1区をしくじることがなければ確実に勝てると思っていました」という赤津の“予感”は的中する。 2区・佐藤圭汰(2年)は、「昨年区間賞を逃して、出雲駅伝は青学大・黒田朝日選手と同タイムでした。今回はこの2つの悔しさを晴らそうと思って走りました」と気合十分。5km13分48秒で通過すると、早大を引き離していく。区間記録を11秒も更新する有言実行の「区間賞・区間新」で、後続に16秒以上の差をつけた。 結果的にここで“勝負あり”。続く篠原倖太朗(3年)は前半、早大に詰められるも、3km過ぎからエンジン全開。5kmを14分01秒で通過すると、区間2位(日本人トップ)でタスキをつなぐ。「区間賞を獲得できず悔しいレースになりましたが、後続を突き放すことができたのは自信になりました」と篠原。リードは1分に拡大した。 「何度も当日変更で外れる悔しい思いをしてきた」という赤星雄斗(4年)が4区。5kmを14分27秒で通過すると、「いい意味で目立たない走りができたと思います」と持ち味を発揮して、区間2位と好走した伊藤蒼唯(2年)は「出雲の反省から前半抑えて、後半上げていくレースプラン」で臨んでこちらも区間2位。堅実な走りでリードを広げた。 3年連続で6区を託された安原太陽(4年)。「暑さで目標タイムには届きませんでしたが、最低限の目標である区間賞を獲得できました」と力強い走りで、後続を寄せ付けなかった。駒大を脅かすチームはなかったが、主将・鈴木芽吹(4年)は攻め込んだ。「田澤廉さん(トヨタ自動車)がマークした区間記録に挑戦して、結果としてオーバーペースになってしまった」と5kmを14分01秒、10kmを28分28秒で通過。さすがに後半は苦しい表情となったが区間3位でまとめた。 2分49秒というセーフティリードを受けてスタートした山川拓馬(2年)も力強い走りを見せ、区間賞で締めくくり。後続に3分34秒という大差をつけて、歓喜のフィニッシュに飛び込んだ。 「選手たちがしっかり走ってくれたお陰で2度目の4連覇と2冠目を取ることができました。他大学に隙を与えることなく、ゴールまでタスキを運ぶことができて、駒大の強さをしっかり示すことができたと思います。今日のレースに関しては満点に近い評価ができますね。今後は箱根駅伝を全力で取りにいき、ぜひ2年連続の3冠を達成したい」(藤田敦史監督) 圧倒的な存在感で出雲に続いて全日本も完勝した駒大。正月決戦で史上初となる2年連続3冠の偉業を果たすつもりだ。 文/酒井政人

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