2023.07.30
◇Athlete Night Games in FUKUI2023(7月29日/福井県営:9.98スタジアム)
日本グランプリシリーズG2のAthlete Night Games in FUKUIが行われた。
同大会は2017年の日本インカレで桐生祥秀(当時・東洋大、現・日本生命)が日本人初の100m9秒台をマークした時の盛り上がりを見て、福井陸協が中心となり「海外のような競技会を開きたい」と2019年に創設。種目を絞り、フィールド内に観客席を設けて選手を近くで見られるようにしたり、スタジアムDJや音楽で演出したり、クラウドファンディングを活用して選手への賞金を用意するなど、新しい形の競技会として定着している。
日本グランプリシリーズにも組み込まれた今年も、日本代表経験者を中心に、トップアスリートが福井に集結した。
男子110mハードルでは村竹ラシッド(順大)が自己新となる13秒18(+0.9)をマークして優勝。2位の野本周成(愛媛陸協)も13秒20の自己新で、日本歴代4・5位の記録を更新し、パリ五輪の参加標準記録(13秒27)も突破した。
男女のやり投は小椋健司(エイジェックスポーツ)と上田百寧(ゼンリン)と、昨年のオレゴン世界選手権代表がしっかり勝利。男子走幅跳も同代表の山川夏輝(Team SSP)が勝ちきるなど、実力者が力を示した。
大会のフィナーレを飾った男子100mでは、東京五輪代表の多田修平(住友電工)が10秒10(+0.8)と好記録をマークして優勝。一時の不調を脱し、復活の狼煙を上げた。
今大会でも走幅跳やトラック種目を間近で見た観客は、アスリートの一挙手一投足に大興奮。大会後にはファンとの交流会で写真撮影やサインに応じるなど、選手・ファンも楽しんでいる様子があった。
ブダペスト世界選手権直前ということもあり、有力選手の一部が棄権するなどしたが、それを感じさせないハイパフォーマンスが連発。今年も福井の夏はやっぱりアツかった。
Athlete Night Games優勝者一覧とコメント
●男子 100m 多田修平(住友電工) 10秒10(+0.8) 「優勝も10秒10というタイムも久しぶりなのでうれしいです。スタートの出力はまだまだですが、後半はできてきました。パリ五輪に向かっていっているので、今年中に参加標準記録(10秒00)を突破したいです」 110mH 村竹ラシッド(順大) 13秒18(+0.9) 「(4月末にケガをして)1ヵ月前に走り始め、2週間前からハードルを跳びました。ここでケガをするか、と悔しかったですが、パリ五輪に向けて準備して長い時間をかけられるという気持ちになれた。偉大な先輩たちに追いつくだけじゃなくて、追い越せるように」 走幅跳 山川夏輝(Team SSP) 7m93(+1.4) 「この好条件で8mを超えられなかったのは悔しいですが、勝てて良かった。最近はウエイトトレーニングと走練習を徹底してきて、助走は安定していました。秋のアジア大会で一発記録を狙えるようにしていきたい」 やり投 小椋健司(エイジェックスポーツ) 80m13 「日本選手権まで投げ急いでいたので、ラストクロスで余裕を持ち、ひねりを生かせるように意識して練習してきました。狙っていた80mを超えられたのでひと安心。もう1本出ればよかったですが、少しずつ安定感が戻ってきたと思います」 ●女子 100mH 清山ちさと(いちご) 13秒11(+0.2) 「セイコーゴールデングランプリの時は自分の走りができて、(12秒台が)ポンッと出たけど、少し意識が先行してしまっている。来年(パリ五輪)にかけているというのもあるので、今年はポイントも記録もしっかり挑戦していきたい」 走幅跳 竹内真弥(ミズノ) 6m22(+1.4) 「秦(澄美鈴)さんや、髙良(彩花)さんがいない中で、絶対に勝ちたいという思いは強く持ってきた。6本目は手拍子の力も借りて跳べました。6m50を狙っていたので、この記録は最低限です」 やり投 上田百寧(ゼンリン) 57m88 「アジア選手権よりは調子も良いと思っていました。優勝できたのは良かったですが、目標としていた記録には届かなくて残念。今後はパリ五輪の参加標準記録である64m00をしっかり狙っていきたい」
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