◇第100回関西インカレ ロードの部(4月14日/大阪府・淀川右岸・西中島マラソンコース)
100回の節目を迎える関西インカレ。5月のトラック&フィールドの部に先立ち行われたロード部(1部)で頂点に立ったのは京産大の3年生・中村光稀だった。3連覇のかかった守屋和希(関学大4)とのマッチレースを制し1時間7分24秒で初のタイトルを手にした。
関西インカレのハーフマラソンは例年、長居公園周回コースで行われているが、工事などの影響のため、淀川の河川敷での開催となった今回。スタート時の気温が20度を超えるなど春の陽気が選手たちを苦しめることとなる。
暑さや河川敷特有の風などの影響もあり、入りの5㎞を16分前後で通過。スローな展開となるなか、レースが動いたのは15㎞過ぎ。さらにペースが落ちたところで、守屋がリズムを変えた。2部を含め8人前後いた集団が一気に崩れ、その仕掛けについたのは中村だけだった。
「自分の本意ではありませんでしたが、コンディションも悪く、何とか優勝して得点を稼ぎたかったので、守屋さんの後ろについて体力を温存させてもらいました」と中村。「スローだったこともあり、後半も余裕がありました」と虎視眈々とスパートの機を狙っていた。
残り1㎞を切り、「守屋さんに余裕がなさそうだったので思い切って前に出ました」と、ラスト600~700mあたりでスパート。みるみるうちの差が開き、一気に17秒差をつけてのフィニッシュとなった。
和歌山北高の2年時までは800mを中心に中距離が専門だった中村。中学時代は100mや4×100mリレーなど短距離にも出場していた経歴を持つ。大学入学を機に本格的に長距離を始めた。「それまでのスプリント的なフォームを見直し、長い距離にも対応できるようリラックスした省エネ走法を磨いてきました」という。昨年末には10000mでも28分55秒22をマークするまで成長を遂げていた。
1月の関西学生ハーフでは、思ったような走りができず1時間5分38秒と不完全燃焼。それでも、「暖かくなるにつれて調子が上がってきました」と、8位に粘った木下太成(2年)と合わせ9点を獲得。「今回はタイムより勝負を優先したので、勝ててよかったです。それでも守屋さんも本調子ではなかったので、関西インカレや全日本予選でも勝ち切れるよう頑張りたい」と意気込む。
3連覇のかかっていた守屋は、2週間前まで実業団の合宿に参加するなどしていたため調整が間に合わずも、納得の2位。守屋から1分近く離されたものの中田千太郎(立命大3)が1時間8分39秒で3位、前回5位の足立舜(京大M2)が4位に続いた。
2部は15㎞まで1部の先頭集団に食らいついていた九野耀太(びわ学大4)が1時間9分10秒で制した。
関西インカレのトラック&フィールドの部は5月24日~27日にヤンマースタジアム長居・ヤンマーフィールド長居で行われる。
文/花木 雫
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.27
東邦銀行・田代優仁が今季限りで退部 ハードルで活躍「誇りを胸に次のステージでも精進を」
-
2025.12.26
-
2025.12.26
-
2025.12.26
-
2025.12.25
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.21
【大会結果】第76回全国高校駅伝・男子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.20
-
2025.12.21
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝女子(2025年12月14日)
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
2025.12.14
【大会結果】第33回全国中学校駅伝男子(2025年12月14日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.27
東邦銀行・田代優仁が今季限りで退部 ハードルで活躍「誇りを胸に次のステージでも精進を」
東邦銀行は12月25日、田代優仁が今季限りで退部すると発表した。 田代は岩手県出身の28歳。中学3年時に全中110mハードルで4位に入り、盛岡四高では110mハードルと400mハードルで活躍し、3年時に400mハードルで […]
2025.12.27
しまむら・菊地優子と中馬蘭奈が年内で退部 「やっていたからこそできた経験」 「今後も新たな挑戦続ける」
しまむら陸上競技部は12月27日、菊地優子と中馬蘭奈が2025年をもって退部すると発表した。 埼玉県出身の菊地は伊奈総合高3年時にインターハイ3000mに出場し、全国高校駅伝では2区10位。白鴎大では全日本大学女子駅伝を […]
2025.12.26
名古屋アジア大会のマラソン、競歩の日程案が発表 マラソンは9月26日
愛知・名古屋アジア大会組織委員会は、26年9月に開催される名古屋アジア大会のマラソンと競歩種目の日程と会場案を発表した。 マラソンは男女とも9月26日(土)に実施を予定。時差スタートで、男子は7時30分、女子は7時50分 […]
2025.12.26
箱根駅伝Stories/創部111年の年で「1位」に挑む早大 強力な主軸擁し「間違いなく前回より強い」
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。 One早稲田のスローガンで 創部111年と「1」並びの年に、早大は「 […]
Latest Issue
最新号
2026年1月号 (12月12日発売)
箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳
