2023.02.23
東邦銀行に所属する女子短距離の青木りんが現役引退を発表した。
ホームページを通じ、「応援していただいた皆様のご期待に応えることのできない形で引退すること、またシーズンを終えた後に引退を決めたため、ご報告が遅くなりましたこと申し訳ありません」と綴り、「大切でかけがえのない思い出をたくさんいただきました」と感謝を述べている。
青木は1998年生まれの24歳。神奈川県出身で、小田原城山中時代に200mで全中準決勝に進出。名門・相洋高に進学して力をつけると、2年時には世界ユース選手権400mで準決勝に進出し、インターハイでも400m3位、4×100mリレー4位、4×400mリレー2位と活躍する。
3年目はエースとしてフル回転。日本選手権では400mで2位に入り、リオ五輪を目指すマイルメンバーにも選ばれた。インターハイでは400mを制すと200mでも4位。4×100mリレー決勝進出(失格)、4×400mリレーで3位に入った。秋には国体も制している。53秒44は現在も高校歴代6位にランクインしている。
就職志望だったため高校で競技を引退するつもりだったが、川本和久氏(故人)の誘いもあり東邦銀行で働きながら走ることを決意。かつ、福島大の夜間部にも通った。
高校時代のベストは更新できなかったが、17年日本選手権400mで5位に入り、4×400mリレーでも日本一に貢献している。昨年は3年ぶりに日本選手権にも出場。全日本実業団対抗選手権でも5位に入った。
今後は社業に励みながらもチームのサポートも行っていくという。青木は「楽しさだけでは通用しない実業団の世界も知り、悩んだこともありました」と心境を吐露するが、「そういった難しさも含めて陸上の魅力だということに改めて気づいた6年間でもありました」とも綴っている。
自己記録は200m24秒10、400m53秒44(高校歴代6位、U20日本歴代8位)、800m2分09秒62。
うれし涙や悔し涙を流しても、必ず最後は笑顔を見せて強豪チームを牽引してきた、心の強いスプリンター。「この先もずっと陸上競技が大好きです」と青木らしい言葉で現役生活を締めくくっている。
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現役引退を発表した青木りんのコメント全文
2022年シーズンをもちまして、陸上競技を引退する決断をいたしました。 応援していただいた皆様のご期待に応えることのできない形で引退すること、またシーズンを終えた後に引退を決めたため、ご報告が遅くなりましたこと申し訳ありません。東邦銀行陸上競技部としての6年間は、結果だけ見ればなかなか奮わず、もどかしい6年間でもありました。楽しさだけでは通用しない実業団の世界も知り、悩んだこともありました。 しかし、そういった難しさも含めて陸上の魅力だということに改めて気づいた6年間でもありました。自分で考えて、理解して、深めていく陸上競技の楽しさを、私はここで学びました。このチームに入って、春から冬まで毎日たくさん走って、みんなの頑張りに刺激をもらって、銀行内外で多くの応援をいただいて、大切でかけがえのない思い出をたくさんいただきました。 競技は引退しますが、私はこの先もずっと陸上競技が大好きです。 温かいご声援、本当にありがとうございました。今後もチームの応援のほど、よろしくお願いいたします。
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