2023.02.04
◇日本選手権・室内競技(2月4、5日/大阪城ホール)
第106回日本選手権・室内競技の初日が2月4日に行われ、男子60mハードルは高山峻野(ゼンリン)が7秒64で初優勝を飾った。
フィニッシュ後、小首をかしげた高山。速報タイマーが7秒80で止まったことによるものだったようで、3月に行われた前回(7秒67)と比較して「この時期にしてはまずまず」と振り返る。
予選こそ7秒85で河嶋亮太(旭油業)に0.01秒先着を許す2着。だが、決勝ではしっかりと修正して抜け出してみせた。「練習の延長として考えていて、前日にもウエイトトレーニングをして筋肉痛。その中で反応を見たかった」。ハードルについても2月中旬からの技術練習に向けた現状把握として捉えて臨んだという。
強化するポイントは「変わらない」と高山。まずは「ウエイトトレーニングと走り込みで上積みをする」。出力とスピードの最大値を上げて、走りに落とし込んでいく。
110mハードルで日本記録を出したのも4年前。2019年はドーハ世界選手権で決勝まであとわずかに迫るなど存在感を放った。しかし、コロナ禍を挟んで迎えた東京五輪イヤーからケガでなかなか万全とはいかない。昨年もオレゴン世界選手権代表を逃した。
しかし、その後は練習期間を積めたことで復活。8月の実業団・学生対抗では13秒10の自己新(日本歴代2位)をマークし、ブダペスト世界選手権の参加標準記録(13秒28)をクリアしている。そういった面で、「ポイントを狙わなくていいので余裕があります」と言う。
昨年末までは順調に過ごしたが、1月に入ってからは不運続き。新型コロナウイルス陽性となり、「咳が続いた」。復帰後の鹿児島合宿では「焦ってトレーニングしたことで右肩を痛めました」。さらに愛猫との別れが突如やってくるなど、「お祓いに行かないと」と言うほど。
「だから今季はもうダメです」とは“高山節”。高い目標は立てず、どんなレースでも目的を持って「自己ベストを目指していく」のが信条だ。「その先の何かにつながれば。より高いレベルで戦えるように自分を高めていければ」。アクシデント続きの2023年のはじまりになったが、日本男子スプリントハードルに頼もしい男が戻ってきそうだ。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.01
坂井隆一郎、中島佑気ジョセフ、水久保漱至らがケガのため欠場/セイコーGGP
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.05.01
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.01
KIPRUNが環境に優しい新たなシューズを発表 接着剤不使用の「KIPX」はリサイクル可能な次世代アイテム
KIPRUNは4月上旬、フランス・パリで発表会を行い、新たなブランドロゴを発表するとともに、今後日本国内でも発売を予定している新モデルシューズを発表した。 競歩世界チャンピオンも愛用したシューズ 2021年にブランド初の […]
2025.05.01
セイコーGGPトラック種目の海外選手を発表! 100mにパリ五輪4継金メダルブレーク、110mHに同7位ベネットら
日本陸連は5月1日、セイコーゴールデングランプリ2025(5月18日/東京・国立競技場)の出場選手第10弾としてトラック種目の海外選手を発表した。 男子100mには昨年のパリ五輪男子4×100mリレーで金メダルのジェロー […]
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)