◇第99回箱根駅伝(1月2、3日:東京・大手町←→神奈川・箱根町/10区間217.1km)
往路は2区の吉居大和(3年)と3区の中野翔太(3年)の連続区間賞で、一時トップを快走した中大。4区で駒大と青学大に逆転されるも、5区の阿部陽樹(2年)が青学大をかわして、2位で芦ノ湖のゴールに飛び込んだ。トップの駒大とは30秒差。ライバルの復路のメンバーを見たときに、藤原正和駅伝監督の頭の中には27年ぶりの快挙がちらついたという。
「佐藤圭汰君が入らず、下りが1年生の伊藤蒼唯君。未知数な部分が見えていましたので、チャンスは増えたかなと思ったんです」
しかし、王者・駒大は何枚も上だった。
「大八木(弘明)さんの指示だと思うのですが、、最初は速めに入って、中盤は少し落とさせて、終盤また頑張るというスタイルで少しずつビハインドを築かれてしまった」と、駒大の“レース巧者ぶり”を肌で実感した。6区は主将・若林陽大(4年)が58分39秒の区間2位と好走したが、駒大の伊藤が58分22秒で区間賞を獲得した。
藤原監督は「6区で追いつくことでしか勝負できなかったのに、伊藤君が若林以上の走りをしたところに駒大の強さを感じました。1年間、『3冠』を目指してきた学校と、1年間、『3位以内』を目指してきた学校の差と言いますか、執念の差があったと思っています」と話し、駒大との経験値の違いを認める。
優勝争いでは駒大に完敗したかたちになったが、復路でも中大は実力を発揮した。他チームと接近する場面が一度もなく独走となるなかで、5人全員が区間7位以内で走破。復路総合でも駒大に次ぐ2位を占めた。
「復路は単独走で100km以上の道のりを頑張ってくれました。区間ふたケタ順位を1つも出さずに走りきりましたので、やってきたことは間違っていないと思います。目標の3位以内は十分に達成してくれたので、うれしさ半分、悔しさ半分ですね」(藤原監督)
前回は10年ぶりのシード権獲得で、今回は22年ぶりトップ3となる準優勝。来年の箱根駅伝で総合Vを狙う中大は確実にステップアップしてきた。
「強化の階段を上がっていく意味では今年は3位以内を目標にしていました。そのなかでも優勝争いに加われたことで、選手たちも『優勝したい』という気持ちが強くなったのかと思います。悔しい2位を来年に生かしたいですね」と指揮官は1年後を見据える。
優勝した駒大とのタイム差は1分42秒。往路のメンバー5人全員が残るチームが、来年は本気で優勝を狙っていく。
文/酒井政人
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