◇第106回日本選手権(6月9日~12日/大阪・ヤンマースタジアム長居)3日目
オレゴン世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目。超ハイレベルな争いが繰り広げられた女子三段跳で、表彰台まであと一歩の4位に内山咲良(ブルーゾーン)が入った。
「自己ベストが出せなくて悔しさもありますが、今の自分の最高は出せたと思います」。いつも通り、淡々と、静かに、でもどこか達成感と寂しさをにじませていた。
日本最難関の東大理Ⅲ、医学部に現役合格し、この春に卒業した内山。昨年は東大女子史上初となる日本インカレを制した。本来であれば大学で競技を引退する予定だったが、昨年の日本選手権の悔しさから、今年の日本選手権まで競技を続けることを決意。春から静岡で研修医として任務を全うしながら、退勤後に坂道ダッシュやウエイトトレーニングなどに励み、土日に競技場で練習を続けた。
この日本選手権が「ひと区切り」。1回目に12m96(+0.5)を跳んで4位。13m勝負に加われなかった悔しさはあるが、「4位は日本選手権での過去最高順位」と納得した部分もある。
今後はしばらく練習を控え仕事に集中。その中でまたやりたくなった時にどういう感情になるか。だが、これまでのようにはいかないこともわかっている。
「最初から強い選手ではなかったですが、日本選手権のような大きな大会に出られた。自分に負けないようにと思って、壁を乗り越えられました」
将来は自らの経験を生かして女性アスリートを支援できるような産婦人科医を目指している内山。インカレに出たくて走幅跳から転向した三段跳で、長い陸上の歴史にしっかり刻まれた『内山咲良』というジャンパーは、「宝物」だという競技生活を胸に刻み、次のステージへとステップした。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
2025.05.16
2025高校最新ランキング【女子】
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.16
100mH・石原南菜が13秒33!地元で高校歴代2位・U18日本新・高2歴代最高の激走/IH北関東
◇インターハイ南関東地区大会(6月13~16日/カンセキスタジアムとちぎ、栃木県総合運動公園多目的広場投てき場)最終日 広島インターハイ出場を懸けた南関東地区大会の最終日の4日目が行われ、女子100mハードルで石原南菜( […]
2025.06.16
クレイ・アーロン竜波が800m1分46秒31! ポートランドのレースで6年ぶり自己ベスト更新
6月15日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子800mで、クレイ・アーロン竜波(ペンシルベニア州立大)が1分46秒31の自己ベストで5位に入った。 クレイのこれまでの自己ベストは、神奈 […]
2025.06.16
女子400mHサザーランドが52秒46の全米学生新V 女子3000m障害レンゴールは今季世界最高の8分58秒15/全米学生選手権
6月11日から14日、米国オレゴン州ユージンで全米学生選手権が開催され、女子400mハードルではS.サザーランド(ミシガン大/カナダ)が52秒46の全米学生新で優勝を飾った。 サザーランドは昨年のパリ五輪では7位に入って […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会