◇第98回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
帝京大が過去最高だった前回の3位を上回る、2位で往路を終えた。
出雲駅伝8位、全日本大学駅伝は13位。決して前評判は高くなかったかもしれないが、選手たちはずっと「往路優勝&総合3位以内」と高い目標を掲げ続けていた。その強い思いを箱根路で体現してみせた。
1区の小野隆一朗(2年)は出雲、全日本でも1区を任されたが、区間9位、19位と悔しい思いを経験している選手。2度失敗している小野を、中野孝行監督は「練習はできていたので、疑いもなく1区に起用した」と力強く送り出した。
小野はそんな指揮官の期待に応えるように、目標の3位から27秒差の8位と好スタートを切る。中野監督は「2区が走りやすい位置で持ってきてくれたので、初箱根駅伝で役割を果たしてくれました」と、同じ北海道出身の教え子の活躍を喜んだ。
2区から5区は4年生が担当し、2区の中村風馬(4年)は大学の区間最高タイムを19秒更新する1時間7分10秒の区間8位で5位へ浮上。そして3区の遠藤大地が4度目の湘南で再び快走を見せた。
「2区の中村がすごく良い順位で持ってきてくれたので、先頭に立ってやろうという思いでスタートした」という当初の目標は果たせなかったものの、区間4位の走りで3位へ浮上。遠藤は大学で競技を引退するため、これが競技者としてラストレースとなるが、「毎日これが最後だと思って丁寧に丁寧に練習してきて、最高の調整ができて、最高の走りができた」と晴れやかな表情を見せた。
4区の寺嶌渓一は順位を1つ落としたものの、5区の細谷翔馬には4位という絶好の位置でタスキをつないだ。
「4区までの走りで勇気をもらったので、往路優勝に向けて1つでも順位を上げていこうと思いました」という細谷は、駒大の金子伊吹(2年)を引き連れてどんどん順位を上げていく。國學院大と東京国際大を抜き、中盤まで粘った金子も引き離した。先頭を行く青学大の背中は捕らえられなかったが、往路の過去最高成績を更新する2位で芦ノ湖のフィニッシュを迎えた。
「帝京大初の2位でうれしいですが、往路優勝を目標にしていたので、悔しさもあります」と細谷。2年連続の5区区間賞は、「山の神」と呼ばれた柏原竜二(東洋大)以来となる快挙だが、「自分の力を出し切ることだけを考えていました。憧れの舞台で、2回走ることができて楽しかったなと思います」と謙虚に喜んだ。
往路2位の好成績に、普段は辛口な指揮官も「よく辛抱強くタスキをつないでくれた」と選手たちを高評価。復路については「自分のベストパフォーマンスをしてゴールまでタスキを運ぶだけです。その先に何か見えてくるかもしれません」と密かな野望を見据えているようだった。

◇第98回箱根駅伝・往路(東京・大手町~神奈川・箱根町/5区間107.5km)
帝京大が過去最高だった前回の3位を上回る、2位で往路を終えた。
出雲駅伝8位、全日本大学駅伝は13位。決して前評判は高くなかったかもしれないが、選手たちはずっと「往路優勝&総合3位以内」と高い目標を掲げ続けていた。その強い思いを箱根路で体現してみせた。
1区の小野隆一朗(2年)は出雲、全日本でも1区を任されたが、区間9位、19位と悔しい思いを経験している選手。2度失敗している小野を、中野孝行監督は「練習はできていたので、疑いもなく1区に起用した」と力強く送り出した。 小野はそんな指揮官の期待に応えるように、目標の3位から27秒差の8位と好スタートを切る。中野監督は「2区が走りやすい位置で持ってきてくれたので、初箱根駅伝で役割を果たしてくれました」と、同じ北海道出身の教え子の活躍を喜んだ。 2区から5区は4年生が担当し、2区の中村風馬(4年)は大学の区間最高タイムを19秒更新する1時間7分10秒の区間8位で5位へ浮上。そして3区の遠藤大地が4度目の湘南で再び快走を見せた。 「2区の中村がすごく良い順位で持ってきてくれたので、先頭に立ってやろうという思いでスタートした」という当初の目標は果たせなかったものの、区間4位の走りで3位へ浮上。遠藤は大学で競技を引退するため、これが競技者としてラストレースとなるが、「毎日これが最後だと思って丁寧に丁寧に練習してきて、最高の調整ができて、最高の走りができた」と晴れやかな表情を見せた。 4区の寺嶌渓一は順位を1つ落としたものの、5区の細谷翔馬には4位という絶好の位置でタスキをつないだ。 「4区までの走りで勇気をもらったので、往路優勝に向けて1つでも順位を上げていこうと思いました」という細谷は、駒大の金子伊吹(2年)を引き連れてどんどん順位を上げていく。國學院大と東京国際大を抜き、中盤まで粘った金子も引き離した。先頭を行く青学大の背中は捕らえられなかったが、往路の過去最高成績を更新する2位で芦ノ湖のフィニッシュを迎えた。 「帝京大初の2位でうれしいですが、往路優勝を目標にしていたので、悔しさもあります」と細谷。2年連続の5区区間賞は、「山の神」と呼ばれた柏原竜二(東洋大)以来となる快挙だが、「自分の力を出し切ることだけを考えていました。憧れの舞台で、2回走ることができて楽しかったなと思います」と謙虚に喜んだ。 往路2位の好成績に、普段は辛口な指揮官も「よく辛抱強くタスキをつないでくれた」と選手たちを高評価。復路については「自分のベストパフォーマンスをしてゴールまでタスキを運ぶだけです。その先に何か見えてくるかもしれません」と密かな野望を見据えているようだった。
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.06.15
編集部コラム「私のインターハイ地区大会」
2025.06.15
小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク
-
2025.06.11
2025.05.28
女子10000mがレース途中で異例の中断!! 大雨と雷の影響も選手困惑/アジア選手権
2025.05.16
2025高校最新ランキング【女子】
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.06.15
編集部コラム「私のインターハイ地区大会」
毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 広告の下にコンテンツが続きます 攻め(?)のアンダーハンドリレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃 […]
2025.06.15
NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会
第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)の2日目が6月15日に行われ、最終種目のNCG男子5000mはB.キプトゥー(麗澤大)が13分46秒77で1着を占め […]
2025.06.15
小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク
6月14日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子3000m障害で、小原響(GMOインターネットグループ)が日本歴代8位の8分22秒64をマークした。 大会は世界陸連コンチネンタルツアー・ […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会