◇日本インカレ(9月17~19日/埼玉・熊谷スポーツ公園)1日目
6人の留学生が飛び出した男子10000m。日本人では山田真生(立命大)が食らいつくも、2400m付近から徐々に引き離される。トップ集団は5000mを13分58秒で通過した。日本人グループは5000mを14分33秒ほどで通過。主に集団を引いたのが上田颯汰(関学大)だった。
「山田さんが前でレースを進めるのは想定内だったので、つかまえられる位置で走りました。とにかく積極的なレースがしたくて、山田さんを倒すぞ、という気持ちでした」
日本人集団は5700m付近で山田を飲み込むと、徐々に人数が削られていく。7000m通過時では7人に絞られた。残り3周で嶋津雄大(創価大)が日本人トップに立つと、最後は白いキャップをかぶった上田との一騎打ちになった。
残り1周で、上田がキャップを脱ぎ捨ててスパート。「ラスト勝負は正直、自信がなかったんですけど、『負けたくない』という気持ちは自分の方が上だと思いました」という伏兵が嶋津を突き放して、最後は両手を広げてフィニッシュラインに飛び込んだ。
28分52秒63で日本人最上位となる5位。上田は関大一高(大阪)の出身で、高校時代の5000mベストは14分25秒93だった。インターハイは1500mに出場。関東の大学で勝負したい気持ちを持っていたが、家庭の事情もあり、関西に残ることを決意した。昨年の日本インカレは10000mにエントリーしながら、出場枠(ターゲットナンバー)に届かず悔しい思いをしている。全日本大学駅伝は2年連続で3区を任され、1年時は区間8位、2年時は区間6位と好走。しかし、昨年は「区間5位以内」という目標に1秒届かなかった。さまざまな思いが重なり、「打倒・関東」の熱い気持ちは沸騰していた。
今夏は昨年(460km)を大きく上回る800km(8月)以上を走り込む。日本インカレのスタートリストを見て、「5000mのほうが強豪校のエース級がエントリーしていたので10000mでは最低でも日本人トップを取るつもりでした」と気合は十分だった。
今後は10月の出雲駅伝と11月の全日本大学駅伝で関東勢との『再戦』が待っている。
「駅伝では今回出場しなかった関東勢のエース級にも勝てるようにしたい。主要区間で区間3位以内が目標です。できれば日本人トップを奪いたい」
学生最高の舞台で関東勢を驚かせた関西学大の上田颯汰。もう『サプライズ』とは呼ばせない。

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.07.02
ダイヤモンドリーグ・モナコに村竹ラシッドと三浦龍司がエントリー!
2025.07.02
愛媛銀行の山中柚乃が現役引退 3000m障害で五輪、世界陸上に出場
2025.07.01
ナイト・オブ・アスレティックスに森凪也、塩尻和也らエントリー
-
2025.07.01
-
2025.07.01
-
2025.07.01
-
2025.07.01
-
2025.06.17
-
2025.06.04
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.02
ダイヤモンドリーグ・モナコに村竹ラシッドと三浦龍司がエントリー!
世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)第10戦・モナコ大会のエントリー選手が発表された。 男子110mハードルには村竹ラシッド(JAL)が登録。村竹は昨年のパリ五輪5位で、13秒04の日本記録保持者。今季DLでは […]
2025.07.02
愛媛銀行の山中柚乃が現役引退 3000m障害で五輪、世界陸上に出場
女子3000m障害元日本代表の山中柚乃(愛媛銀行)が自身のSNSを更新し、昨年度で競技から一線を退いたことを報告した。 24歳の山中は大阪・大塚高から愛媛銀行へ。高校時代は1500m、3000mでインターハイ出場はかなわ […]
2025.07.01
ナイト・オブ・アスレティックスに森凪也、塩尻和也らエントリー
世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・ブロンズのナイト・オブ・アスレティックス(ベルギー)の男子5000mに、アジア選手権代表の森凪也(Honda)、塩尻和也(富士通)がエントリーした。他にも鶴川正也(GMOインターネッ […]
2025.07.01
MARCH対抗戦が今年は11月22日・町田で開催決定! 箱根駅伝前哨戦の10000m4レース
MARCH対抗戦2025が11月22日に東京・町田ギオンスタジアムで開催されることが決まった。大会を主催するアスリートキャリアセンター絆ランニング倶楽部が7月1日、SNSで発表した。 今年で5回目の開催となり、箱根駅伝に […]
2025.07.01
貯まったマイルで東京マラソンや東京レガシーハーフへ!「RUN as ONEマイレージプログラム」が9月からスタート
東京マラソン財団は7月1日、全国のマラソン大会と連携し、ランニングの新たな楽しみ方を提案する「RUN as ONEマイレージプログラム」を、2025年9月から開始すると発表した。 同プロクラムは2015年にスタートした「 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会