HOME 高校

2021.07.18

洛南高の佐藤圭汰が“不滅の記録”ついに破る1500m3分37秒18!「自分がやらないといけない」/ホクレン千歳
洛南高の佐藤圭汰が“不滅の記録”ついに破る1500m3分37秒18!「自分がやらないといけない」/ホクレン千歳


◇ホクレン・ディスタンスチャレンジ2021千歳大会(7月17日/北海道千歳市)

不滅とまで言われていた、男子1500mの高校記録3分38秒49がついに破られる時がきた。これまでの記録は1999年5月に佐藤清治(佐久長聖高・長野)がマークした記録だったが、22年後、同じ佐藤姓の選手が更新してみせた。
 
その快挙を成し遂げたのが佐藤圭汰(洛南高3年・京都)。7月17日のホクレン・ディスタンスチャレンジ最終戦の千歳大会、河村一輝(トーエネック)が男子1500mの日本新記録(3分35秒42)を打ち立てたレースで、河村のすぐ後ろでレースを進めていた佐藤は2着でフィニッシュし、3分37秒18の高校新記録を樹立した。この記録はU20、U18と各世代の日本新記録で、日本歴代3位の好記録でもあった(※昨年までであれば日本記録!)。

「この大会で高校記録を狙っていたので、出せた時はうれしかったです。前に人がいてくださるので、絶対に記録が出るっていう安心感があった。実業団の方々にサポートしていただいたお陰。これからも向上心を持って臨んでいきたいと思います」と、佐藤は狙い通りの高校新記録に喜びを口にしていた。

広告の下にコンテンツが続きます

今季は、4月の金栗記念で高校歴代2位の3分40秒36で走り、高校記録更新へ手応えをつかんでいた。

「金栗記念では、結局最後は届かなかったんですけど、高校記録ペースで途中までいけたので、ラストさえ粘れれば高校記録は出せると、4月の時点で思っていました」

6月の日本選手権では8位。悔しさのあまりトラックを拳でたたきつけていた。22年間も破られずにいた高校記録の更新。「“自分がやらないといけない”という意識があった。自分ならいけると思っていました」と、佐藤にとって自身に課した使命でもあった。

この日の千歳は、男子1500mのレース開始時には気温がだいぶ下がっていたが、最高気温が35℃に迫る異例の暑さ。だが、「京都に比べればまし」と、佐藤は暑さを気にかけることはなかった。また、好記録ラッシュも意に介さないほど自分のレースに集中していた。

レースは3人のペースメーカーが日本記録を上回るペースで牽引。佐藤は、河村ととも積極的に前方でレースを進めた。「2周目の通過が1分54秒と、設定より1秒速かったので、高校新を確信しました」。最後は河村に少し後れを取ったものの、最後まで粘って見事に新記録を樹立した。

佐藤は、1500mだけでなく5000mでも高校のトップ選手。「1500mの高校記録が一番難しいと思っていたので、それが達成できたということは、5000m(13分34秒74)や3000m(7分59秒18)でも、絶対に(新記録樹立は)いけると思う」と、他種目でも高校新記録樹立に意欲を示している。

7月30日からは高校生にとって最高の舞台となるインターハイが始まる。目標は1500mと5000mの2冠。

「自分の持ち味である、最初から積極的にいくレースを貫いて、2冠を達成したい。5000mは留学生もいますが、留学生が相手でも臆することなく、積極的な走りをしたい」

洛南高は昨年末の全国高校駅伝で高校最高記録を樹立して3位。そのチームのエースとしての活躍も期待される。今季は、夏も、秋冬も、高校中長距離界を佐藤が席巻しそうな雰囲気が漂う。記録にも、そして大舞台での活躍にも大いに注目だ。

文・写真/和田悟志

◇ホクレン・ディスタンスチャレンジ2021千歳大会(7月17日/北海道千歳市) 不滅とまで言われていた、男子1500mの高校記録3分38秒49がついに破られる時がきた。これまでの記録は1999年5月に佐藤清治(佐久長聖高・長野)がマークした記録だったが、22年後、同じ佐藤姓の選手が更新してみせた。   その快挙を成し遂げたのが佐藤圭汰(洛南高3年・京都)。7月17日のホクレン・ディスタンスチャレンジ最終戦の千歳大会、河村一輝(トーエネック)が男子1500mの日本新記録(3分35秒42)を打ち立てたレースで、河村のすぐ後ろでレースを進めていた佐藤は2着でフィニッシュし、3分37秒18の高校新記録を樹立した。この記録はU20、U18と各世代の日本新記録で、日本歴代3位の好記録でもあった(※昨年までであれば日本記録!)。 「この大会で高校記録を狙っていたので、出せた時はうれしかったです。前に人がいてくださるので、絶対に記録が出るっていう安心感があった。実業団の方々にサポートしていただいたお陰。これからも向上心を持って臨んでいきたいと思います」と、佐藤は狙い通りの高校新記録に喜びを口にしていた。 今季は、4月の金栗記念で高校歴代2位の3分40秒36で走り、高校記録更新へ手応えをつかんでいた。 「金栗記念では、結局最後は届かなかったんですけど、高校記録ペースで途中までいけたので、ラストさえ粘れれば高校記録は出せると、4月の時点で思っていました」 6月の日本選手権では8位。悔しさのあまりトラックを拳でたたきつけていた。22年間も破られずにいた高校記録の更新。「“自分がやらないといけない”という意識があった。自分ならいけると思っていました」と、佐藤にとって自身に課した使命でもあった。 この日の千歳は、男子1500mのレース開始時には気温がだいぶ下がっていたが、最高気温が35℃に迫る異例の暑さ。だが、「京都に比べればまし」と、佐藤は暑さを気にかけることはなかった。また、好記録ラッシュも意に介さないほど自分のレースに集中していた。 レースは3人のペースメーカーが日本記録を上回るペースで牽引。佐藤は、河村ととも積極的に前方でレースを進めた。「2周目の通過が1分54秒と、設定より1秒速かったので、高校新を確信しました」。最後は河村に少し後れを取ったものの、最後まで粘って見事に新記録を樹立した。 佐藤は、1500mだけでなく5000mでも高校のトップ選手。「1500mの高校記録が一番難しいと思っていたので、それが達成できたということは、5000m(13分34秒74)や3000m(7分59秒18)でも、絶対に(新記録樹立は)いけると思う」と、他種目でも高校新記録樹立に意欲を示している。 7月30日からは高校生にとって最高の舞台となるインターハイが始まる。目標は1500mと5000mの2冠。 「自分の持ち味である、最初から積極的にいくレースを貫いて、2冠を達成したい。5000mは留学生もいますが、留学生が相手でも臆することなく、積極的な走りをしたい」 洛南高は昨年末の全国高校駅伝で高校最高記録を樹立して3位。そのチームのエースとしての活躍も期待される。今季は、夏も、秋冬も、高校中長距離界を佐藤が席巻しそうな雰囲気が漂う。記録にも、そして大舞台での活躍にも大いに注目だ。 文・写真/和田悟志

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.17

日本陸連が育成年代の競技会ガイドラインを策定 来年の滋賀インターハイについて18時開始案など対応継続

日本陸連は12月17日に第106回理事会を開き、「育成年代における競技会ガイドライン」を策定したことを発表した。 このガイドラインは日本陸連がかねてから示している「競技者育成指針」に基づいたもので、「育成年代における競技 […]

NEWS 世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

2025.12.17

世界リレー日本代表要項を発表!北京世界選手権のメダル、出場目指して 世界競歩チーム選手権、世界ロードラニング選手権も

日本陸連は12月17日、ボツワナ・ハボローネで26年5月2日~3日に開催される世界リレーの日本代表選考要項を発表した。 2027年北京世界選手権の出場権獲得、および世界選手権でのメダル獲得のため、戦略的に選手団をは編成す […]

NEWS U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

2025.12.17

U20世界選手権の日本代表選考要項を発表!U20世界8位以内など記録重視の選考に

日本陸連は12月17日、米国・オレゴンで8月5日~9日に開催されるU20世界選手権の日本代表選考要項を発表した。 世界で活躍できるU20カテゴリートップレベルの競技者を派遣し、金メダル獲得を目指す選手団を編成する方針。参 […]

NEWS 26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

2025.12.17

26年日本選手権の参加資格発表 参加標準と申込資格記録の2つを採用 アジア大会選考

日本陸連は12月17日、第106回理事会を開き、来年の第110回日本選手権の参加資格について発表した。 今回は「参加標準記録」と「申込資格」の2つの参加資格を設定し、参加標準記録は高く定められている。ターゲットナンバー( […]

NEWS 今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

2025.12.17

今年度限りでの「引退」を表明した村澤明伸インタビュー【後編】 〝ぬけぬけ病〟に苦しんだ実業団生活、来年度からはチームのコーチに就任

全国高校駅伝や箱根駅伝でヒーローになった村澤明伸(SGホールディングス、34歳)が今年度限りでの「引退」を表明した。実業団では故障に苦しみながら、マラソンにも挑戦。北海道マラソンで優勝して、MGCにも出場した。来年度から […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top