2021.06.23
東京五輪選考会となる第105回日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)が6月24日から4日間行われる。すでに紹介した100mの他にも注目種目がめじろ押し! 東京五輪代表内定が期待される種目を中心に、トラック編とフィールド編に分けて見逃し厳禁の種目を紹介していく。
おさらい/五輪代表入りのためには…
東京五輪の各種目の代表枠は最大3つ。各種目にはターゲットナンバー(出場枠)が設けられており、東京五輪の参加資格は①参加標準記録を突破、②参加標準記録突破者がターゲットナンバーに満たない場合は世界陸連ワールドランキング(大会のランクや記録によってポイント化)により代表権を与えられる、というダブルスタンダードが採用されている。
日本選手権での即時、五輪代表内定条件は、
「参加標準記録突破(大会終了時点までに)+3位以内=代表内定」
日本選手権終了時点で参加標準記録を突破していない選手、または参加標準記録を突破していても3位以内に入らなかった選手については日本選手権終了時点での代表内定(一次発表)はされない。6月29日で締め切られる有効期限の後で、世界陸連から「ワールドランキング」によって出場権を与えられた選手が決定し、そこから日本代表の二次発表が行われる。その二次発表時の代表枠優先順位も日本選手権の最上位者から選ばれることになっているため、この日本選手権の結果が非常に重要となる。

●男子走幅跳(6月27日決勝)、
男子のフィールド種目で参加標準記録を突破しているのは走幅跳だけ。8m22の標準記録を、城山正太郎(ゼンリン/8m40=日本記録)、橋岡優輝(富士通/8m32)、津波響樹(大塚製薬/8m23)が突破している。なかでも優勝候補筆頭は橋岡で揺るがない。今季は3月に8m19の室内日本新。4月の織田記念ではファウルながら8m50前後を複数回跳んでおり、圧倒的な力をつけている。今季はファウルが多かったものの、6月のデンカチャレンジでは感覚を修正して8m23(+1.3)をマーク。2年ぶり4度目の優勝で五輪代表をつかみ取るか。城山はやや好不調があり、津波は好調時の感覚の「7、8割」だと言う。しっかり3位以内に入って代表権をつかみ取りたいところだが、ここに今季8m00を跳んだ伊藤陸(近大高専)、織田記念を制している小田大樹(ヤマダホールディングス)らが加わりそうだ。
●男子走高跳(6月24日決勝)、男子棒高跳(6月26日決勝)
男子走高跳は参加標準記録2m33に未到達。だが、ワールドランキングでは日本記録保持者の戸邉直人(JAL)、今季をラストシーズンと位置づけるリオ五輪代表の衛藤昂(味の素AGF)の出場が濃厚な位置にいる。もちろん参加標準記録を狙ってくるだろうが、しっかり上位で戦いたいところ。昨年、2m31を跳んでいる真野友博(九電工)はワールドランキングでターゲットナンバー(32)からは遠いため参加標準記録を跳ぶしか五輪代表入りはない。一方、19年ドーハ世界選手権代表の佐藤凌(新潟アルビレックスRC)はワールドランキングで出場を狙えるため、2m30前後を跳んで優勝争いに絡みたい。
男子棒高跳は山本聖途(トヨタ自動車)がターゲットナンバー(32)内のギリギリにいる。記録と優勝を求めたいところ。江島雅紀(富士通)もあと少しで届きそうな位置にいる。海外勢の動向で順位変動があるため、ここはともに参加標準記録5m80を跳ぶつもりで臨んで優勝を狙ってくるだろう。ドーハ世界選手権には2人と澤野大地(富士通)が出場している種目だけに、地元五輪では複数代表で臨んでほしい。

●女子やり投(6月25日決勝)、男子やり投(6月27日決勝)
女子は長距離を除いて参加標準記録に届いているのはやり投の北口榛花(JAL)ただ1人。北口は一昨年の春に64m36の日本新で64m00の参加標準記録を突破し、秋には66m00とさらに記録を伸ばした。昨年以降、助走を変えた影響もありパフォーマンスにムラがあり、今季はコーチのいるチェコでシーズンインして57m台が2試合など、大台に届いていない。だが、帰国して隔離期間が明けて出場した6月13日の記録会で59m11。2年ぶりVへしっかり仕上げてきそうだ。
北口とともに19年ドーハ世界選手権に出場した佐藤友佳(ニコニコのり)はシーズン序盤こそ60mオーバーを連発して好調だったが、肘を痛めた影響でやや調子を落としている。ワールドランキングではギリギリのライン。優勝と60mオーバーは必須か。逆に、学生勢が好調で、武本紗栄(大体大)が日本歴代4位の62m39、上田百寧(福岡大)が61m75を投げている。特に上田はワールドランキングでの代表入りも迫っている。
男子やり投は参加標準記録が85m00と高めの設定とうこともあり突破者がいない。日本が世界と戦ってきた種目だけにやや寂しいが、ワールドランキングでは小南拓人(染めQ)が圏内にいる。また、80mスロワーの仲間入りを果たした小椋健司(栃木県スポーツ協会)も近いところまでランクアップ。一方、試合から遠ざかっている第一人者で、日本選手権7連覇中の新井涼平(スズキ)やディーン元気(ミズノ)はワールドランキングで順位を上げられていない。参加標準記録を投げて勝つしか道はないと言える。
東京五輪代表懸けた最後のサバイバル。大阪決戦で切符をつかみ取るのは誰だ――。
●男子走幅跳(6月27日決勝)、
男子のフィールド種目で参加標準記録を突破しているのは走幅跳だけ。8m22の標準記録を、城山正太郎(ゼンリン/8m40=日本記録)、橋岡優輝(富士通/8m32)、津波響樹(大塚製薬/8m23)が突破している。なかでも優勝候補筆頭は橋岡で揺るがない。今季は3月に8m19の室内日本新。4月の織田記念ではファウルながら8m50前後を複数回跳んでおり、圧倒的な力をつけている。今季はファウルが多かったものの、6月のデンカチャレンジでは感覚を修正して8m23(+1.3)をマーク。2年ぶり4度目の優勝で五輪代表をつかみ取るか。城山はやや好不調があり、津波は好調時の感覚の「7、8割」だと言う。しっかり3位以内に入って代表権をつかみ取りたいところだが、ここに今季8m00を跳んだ伊藤陸(近大高専)、織田記念を制している小田大樹(ヤマダホールディングス)らが加わりそうだ。
●男子走高跳(6月24日決勝)、男子棒高跳(6月26日決勝)
男子走高跳は参加標準記録2m33に未到達。だが、ワールドランキングでは日本記録保持者の戸邉直人(JAL)、今季をラストシーズンと位置づけるリオ五輪代表の衛藤昂(味の素AGF)の出場が濃厚な位置にいる。もちろん参加標準記録を狙ってくるだろうが、しっかり上位で戦いたいところ。昨年、2m31を跳んでいる真野友博(九電工)はワールドランキングでターゲットナンバー(32)からは遠いため参加標準記録を跳ぶしか五輪代表入りはない。一方、19年ドーハ世界選手権代表の佐藤凌(新潟アルビレックスRC)はワールドランキングで出場を狙えるため、2m30前後を跳んで優勝争いに絡みたい。
男子棒高跳は山本聖途(トヨタ自動車)がターゲットナンバー(32)内のギリギリにいる。記録と優勝を求めたいところ。江島雅紀(富士通)もあと少しで届きそうな位置にいる。海外勢の動向で順位変動があるため、ここはともに参加標準記録5m80を跳ぶつもりで臨んで優勝を狙ってくるだろう。ドーハ世界選手権には2人と澤野大地(富士通)が出場している種目だけに、地元五輪では複数代表で臨んでほしい。
●女子やり投(6月25日決勝)、男子やり投(6月27日決勝)
女子は長距離を除いて参加標準記録に届いているのはやり投の北口榛花(JAL)ただ1人。北口は一昨年の春に64m36の日本新で64m00の参加標準記録を突破し、秋には66m00とさらに記録を伸ばした。昨年以降、助走を変えた影響もありパフォーマンスにムラがあり、今季はコーチのいるチェコでシーズンインして57m台が2試合など、大台に届いていない。だが、帰国して隔離期間が明けて出場した6月13日の記録会で59m11。2年ぶりVへしっかり仕上げてきそうだ。
北口とともに19年ドーハ世界選手権に出場した佐藤友佳(ニコニコのり)はシーズン序盤こそ60mオーバーを連発して好調だったが、肘を痛めた影響でやや調子を落としている。ワールドランキングではギリギリのライン。優勝と60mオーバーは必須か。逆に、学生勢が好調で、武本紗栄(大体大)が日本歴代4位の62m39、上田百寧(福岡大)が61m75を投げている。特に上田はワールドランキングでの代表入りも迫っている。
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