HOME ニュース、国内

2021.06.08

「毎週マラソンを走っている」福田穣がケニアでの練習を語る/都内で会見
「毎週マラソンを走っている」福田穣がケニアでの練習を語る/都内で会見


 男子マラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)ら世界のトップランナーと同じ「NNランニングチーム」に所属する福田穣が6月8日に都内のエヌエヌ生命保険本社で会見し、約2ヵ月半のケニア合宿の様子などを報告した。

 1月下旬からケニアのカプタガットで合宿し、4月18日にはオランダ・エンスヘーデの空港内特設周回コースで行われた「NN Missionマラソン」に出場。中間点を過ぎてから両脚の腸脛靭帯を痛め、30km手前で無念の途中棄権となったが、2ヵ月半のケニア合宿では自信と手応えをつかんだという。「最初の1ヵ月は全然練習にもついていけなくて、『(自分は)こんなに弱かったのか……』と思わされましたが、毎週同じトレーニングをするうちにだんだんタイムも良くなっていきました」と振り返った。

 標高2450mの高地合宿は「とにかく過酷だった」と福田。毎週木曜日に実施する30~40kmの距離走(ロングラン)は舗装された箇所が2~3km程度しかなく、「1周400m」とされた土のトラックは起伏があり、距離も10m以上長かったという。

「ポイント練習のボリュームが多かったです。3000m×2+2000m×3+1000m×5というメニューでは、リカバリーを200mしか取らなくて驚きました。距離走は3分30秒ペースと紹介されていましたけど、実際には最初の1kmを5分とか6分かけてゆっくり走るだけで、その後は3分ひとケタ。コースはたくさんあって、途中で離されるとわからなくなってしまうので、距離走はいつも歯を食いしばって全力でした。毎週マラソンを走ってるなと思うほどでした(笑)」

練習拠点にしたケニアのトラックは起伏があり、1周も400m以上あったという〔NN Running Team・エヌエヌ生命保険提供〕

 距離走のコースは基本的に不整地で、「最初は1時間50分かかった」という30km走も合宿終盤には1時間40分で走破。チームメイトからも「これならマラソンで2時間7分は切れるよ」と言われるようになったという。レースがロックダウンのために1週間延期され、調整がうまくいかなかったこともあって結果は残せなかったものの、自身の成長は実感しているようだ。

「ケニアの選手はクロカンというよりもトレイル(山道)のようなコースでも、日本トップクラスの選手が平地でやるのと変わらないタイムで走っています。実際に行かないとわからないことばかりなので、日本で練習しているだけではエリウドのような選手にはなれないだろうなと思います。日本の若い選手も(ケニア合宿に)チャレンジしてほしいですね」

広告の下にコンテンツが続きます

 次戦は未定だが、6月下旬には再びケニアへ渡る予定。「秋から冬にはマラソンを走りたい」と、約4ヵ月の合宿を経て練習の成果を試すつもりでいる。

 男子マラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ(ケニア)ら世界のトップランナーと同じ「NNランニングチーム」に所属する福田穣が6月8日に都内のエヌエヌ生命保険本社で会見し、約2ヵ月半のケニア合宿の様子などを報告した。  1月下旬からケニアのカプタガットで合宿し、4月18日にはオランダ・エンスヘーデの空港内特設周回コースで行われた「NN Missionマラソン」に出場。中間点を過ぎてから両脚の腸脛靭帯を痛め、30km手前で無念の途中棄権となったが、2ヵ月半のケニア合宿では自信と手応えをつかんだという。「最初の1ヵ月は全然練習にもついていけなくて、『(自分は)こんなに弱かったのか……』と思わされましたが、毎週同じトレーニングをするうちにだんだんタイムも良くなっていきました」と振り返った。  標高2450mの高地合宿は「とにかく過酷だった」と福田。毎週木曜日に実施する30~40kmの距離走(ロングラン)は舗装された箇所が2~3km程度しかなく、「1周400m」とされた土のトラックは起伏があり、距離も10m以上長かったという。 「ポイント練習のボリュームが多かったです。3000m×2+2000m×3+1000m×5というメニューでは、リカバリーを200mしか取らなくて驚きました。距離走は3分30秒ペースと紹介されていましたけど、実際には最初の1kmを5分とか6分かけてゆっくり走るだけで、その後は3分ひとケタ。コースはたくさんあって、途中で離されるとわからなくなってしまうので、距離走はいつも歯を食いしばって全力でした。毎週マラソンを走ってるなと思うほどでした(笑)」 練習拠点にしたケニアのトラックは起伏があり、1周も400m以上あったという〔NN Running Team・エヌエヌ生命保険提供〕  距離走のコースは基本的に不整地で、「最初は1時間50分かかった」という30km走も合宿終盤には1時間40分で走破。チームメイトからも「これならマラソンで2時間7分は切れるよ」と言われるようになったという。レースがロックダウンのために1週間延期され、調整がうまくいかなかったこともあって結果は残せなかったものの、自身の成長は実感しているようだ。 「ケニアの選手はクロカンというよりもトレイル(山道)のようなコースでも、日本トップクラスの選手が平地でやるのと変わらないタイムで走っています。実際に行かないとわからないことばかりなので、日本で練習しているだけではエリウドのような選手にはなれないだろうなと思います。日本の若い選手も(ケニア合宿に)チャレンジしてほしいですね」  次戦は未定だが、6月下旬には再びケニアへ渡る予定。「秋から冬にはマラソンを走りたい」と、約4ヵ月の合宿を経て練習の成果を試すつもりでいる。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

2025.04.30

【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]

NEWS 5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

2025.04.30

5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]

NEWS 26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top