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2026.03.30

【学生長距離Close-upインタビュー】日本学生ハーフを制した中大・佐藤大介 「ずっとチャレンジャーでありたい」

中大の佐藤大介

学生長距離Close-upインタビュー
佐藤 大介 Sato Daisuke 中大2年

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「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。56回目は、中大の佐藤大介(2年)をピックアップする。

昨年は5000mと10000mでそれぞれ自己ベストを更新すると、自身2回目のとなった箱根駅伝でも8区区間4位と、区間20位に沈んだ前回のリベンジを果たした。

2月の日本学生ハーフマラソン選手権でも1時間0分40秒で優勝するなど強さを見せている。3年生へと上がる新たなシーズンへの目標などを聞いた。

1年時の箱根路が飛躍のきっかけに

2月に香川・丸亀で行われた日本学生ハーフマラソン選手権は強い風が吹く難しいコンディションのなか、学生トップでフィニッシュラインを駆け抜けたのが中大の佐藤大介(2年)だった。

優勝タイム1時間0分40秒は、日本人学生歴代7位(当時)で、吉中祐太(4年)が前回マークした中大記録を5秒更新した。

「レースの流れに乗って、1時間1分を切っての自己ベストを目標にしていたので、順位は意識していませんでした」と話す。だが、平林清澄(國學院大、現・ロジスティード)や篠原倖太朗(駒大、現・富士通)、青木瑠郁(國學院大)、工藤慎作(早大)ら、近年の同大会の優勝者を見れば、価値の高いVと言える。

「その後も今も活躍している選手ばかり。その中の1人として名前を残せたことはうれしいですし、自信になります」。チーム にも将来有望な新入生が加わり、新年度に向けて良い雰囲気で練習できているという。

佐藤は大学2年目の昨季、大きな進化を遂げた。2月のハーフマラソンを皮切りに、トラックシーズンでは1500mから10000mまで全種目で自己記録を更新。5000mでは日本選手権の舞台にも立った。

駅伝シーズンでは、「前半シーズンの疲れが出てしまい、目標にしていた区間賞を取れなかったことには後悔が残ります」と自己評価は厳しい。しかし、出雲5区3位、全日本6区3位、箱根8区4位と、三大駅伝すべてで区間上位に食い込む安定感を披露した。

藤原正和駅伝監督からも「調子の浮き沈みが少なく、高いアベレージでできている。速さだけでなく強さが定着してきた」と高い評価を受け、自身も「同じ練習でも1年目より良い練習ができるようになりました。メンタル面でも自信を持ってスタートラインに立てるようになりました」と成長を実感している。

飛躍のきっかけは、1年時の箱根駅伝だった。8区を任されたものの、レース中に低体温症に見舞われ、本来の走りとはほど遠い区間最下位。3位でもらったタスキを6位に後退させたレースは、苦い記憶として刻まれた。

「競技人生の中でもあんな失敗をしたことがありませんでした。自分は割と緊張しないタイプですが、前夜は眠れないほど緊張してしまいました……。レース後は藤原監督やチームメイトから慰めの言葉をもらったのは救いでしたが、帰省した2週間ぐらいはずっとへこんで、嫌なイメージを取り切るのに時間がかかりました」

それでも、どん底の経験こそが、「自分にはまだまだやれることがある、もっと強くならなければならない」と、2年目の飛躍のエネルギーとなった。

[caption id="attachment_131366" align="alignnone" width="800"] 中大の佐藤大介[/caption] 学生長距離Close-upインタビュー 佐藤 大介 Sato Daisuke 中大2年 「月陸Online」限定で大学長距離選手のインタビューをお届けする「学生長距離Close-upインタビュー」。56回目は、中大の佐藤大介(2年)をピックアップする。 昨年は5000mと10000mでそれぞれ自己ベストを更新すると、自身2回目のとなった箱根駅伝でも8区区間4位と、区間20位に沈んだ前回のリベンジを果たした。 2月の日本学生ハーフマラソン選手権でも1時間0分40秒で優勝するなど強さを見せている。3年生へと上がる新たなシーズンへの目標などを聞いた。

1年時の箱根路が飛躍のきっかけに

2月に香川・丸亀で行われた日本学生ハーフマラソン選手権は強い風が吹く難しいコンディションのなか、学生トップでフィニッシュラインを駆け抜けたのが中大の佐藤大介(2年)だった。 優勝タイム1時間0分40秒は、日本人学生歴代7位(当時)で、吉中祐太(4年)が前回マークした中大記録を5秒更新した。 「レースの流れに乗って、1時間1分を切っての自己ベストを目標にしていたので、順位は意識していませんでした」と話す。だが、平林清澄(國學院大、現・ロジスティード)や篠原倖太朗(駒大、現・富士通)、青木瑠郁(國學院大)、工藤慎作(早大)ら、近年の同大会の優勝者を見れば、価値の高いVと言える。 「その後も今も活躍している選手ばかり。その中の1人として名前を残せたことはうれしいですし、自信になります」。チーム にも将来有望な新入生が加わり、新年度に向けて良い雰囲気で練習できているという。 佐藤は大学2年目の昨季、大きな進化を遂げた。2月のハーフマラソンを皮切りに、トラックシーズンでは1500mから10000mまで全種目で自己記録を更新。5000mでは日本選手権の舞台にも立った。 駅伝シーズンでは、「前半シーズンの疲れが出てしまい、目標にしていた区間賞を取れなかったことには後悔が残ります」と自己評価は厳しい。しかし、出雲5区3位、全日本6区3位、箱根8区4位と、三大駅伝すべてで区間上位に食い込む安定感を披露した。 藤原正和駅伝監督からも「調子の浮き沈みが少なく、高いアベレージでできている。速さだけでなく強さが定着してきた」と高い評価を受け、自身も「同じ練習でも1年目より良い練習ができるようになりました。メンタル面でも自信を持ってスタートラインに立てるようになりました」と成長を実感している。 飛躍のきっかけは、1年時の箱根駅伝だった。8区を任されたものの、レース中に低体温症に見舞われ、本来の走りとはほど遠い区間最下位。3位でもらったタスキを6位に後退させたレースは、苦い記憶として刻まれた。 「競技人生の中でもあんな失敗をしたことがありませんでした。自分は割と緊張しないタイプですが、前夜は眠れないほど緊張してしまいました……。レース後は藤原監督やチームメイトから慰めの言葉をもらったのは救いでしたが、帰省した2週間ぐらいはずっとへこんで、嫌なイメージを取り切るのに時間がかかりました」 それでも、どん底の経験こそが、「自分にはまだまだやれることがある、もっと強くならなければならない」と、2年目の飛躍のエネルギーとなった。

新たなエースへの自覚

中学から本格的に陸上を始めた佐藤は、埼玉栄高で2年時からインターハイや全国高校駅伝にも出場した。 ただ、自身が「5000mのタイムもそれほど速くなく、駅伝やロードで結果が出始めたのも3年生になってからです」と振り返るように、当時は世代トップレベルを突き進む選手ではなかった。 数ある強豪の中から中大に進んだのは、「トラックとロードレースで両立できるようになりたい」と考えたからだ。また、箱根駅伝にも特別な思いがあった。 「小さい頃から親に連れられて何度か大手町のゴールを見に行っていました。特に印象深いのは、東海大が優勝した2019年。優勝のフィニッシュテープを切る選手の姿は本当にかっこいいなと思いましたし、自分も将来この舞台で走りたいというあこがれがありました」。当時をそう振り返る。 それを目指せる中大に入学し、これまで切磋琢磨し合ってきたのが、岡田開成(2年)ら強力な同期の存在だ。 「練習では誰かがペースを上げれば必ずついていく感じで、自分たちの学年は『あいつには負けたくない』という思いを持っています。自分は岡田に近づきたい、超えたいという意識でやっているように、他の選手もそうやってどんどん相乗効果が生まれている」。最高の環境に感謝する。 佐藤は今、練習だけでなく、生活面でもより高いレベルを追求している。「以前は休日をダラダラと過ごしてしまいがちでしたが、最近はコンディションを整えるために何が必要かを考えて、サウナやアクティブレストを取り入れています。食事面の知識も含め、やれることが増えてきました」という自負が、高水準のパフォーマンスを支えている。 3年生となる2026年度を前に、佐藤には「エース」としての自覚が芽生えつつある。吉居駿恭や溜池一太(ともに4年)といった偉大な先輩たちが抜け、次は自分たちがチームの核にならなければならないという強い責任感を感じている。 「箱根後のミーティングで、藤原監督から『次の溜池のような選手に誰がなるのか』という話をされました。その時、率直に『自分がその存在になりたい』と思いました。溜池さんのようなタフで、チームから頼られるような役割を引き継いでいきたいです」 トラックシーズンや出雲、全日本といった駅伝もあるが、チームの最大目標は箱根駅伝の総合優勝。2027年の箱根駅伝は、中大にとって出場100回目という節目の大会となる。佐藤は頂点を目指すチームでどのように貢献していくつもりか。 「これまでは復路でつなぐ、順位をキープするという役割でしたが、これからは往路のエース級が集まる区間で、チームを勢いづけられるような走りをしたいです。往路ならどこでも、5区の山上りも走ってみたい区間です」と頼もしい。 そして、その視線は学生界の頂点だけに留まらない。「オリンピックや世界陸上の代表になって、日の丸を背負いたい」と、将来的にはマラソン挑戦も視野に入れている。 初出場した箱根での挫折を糧にし、2年目で確かな地位を築いた佐藤だが、そこに慢心は一切ない。「学生ハーフで優勝しても、自分はずっとチャレンジャーでありたい。それが一番結果を出せる立ち位置だと思うからです」。そう語る言葉には、静かな闘志が宿っている。 [caption id="attachment_131366" align="alignnone" width="800"] 箱根駅伝8区で区間4位の力走を見せた佐藤[/caption] ◎さとう・だいすけ/2005年4月30日生まれ、埼玉県富士見市出身。富士見台中→埼玉栄高→中大。自己記録5000m13分34秒57、10000m28分10秒82、ハーフマラソン1時間0分40秒 文/小野哲史

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