2026.02.02
◇第74回別府大分毎日マラソン(2月1日/大分・大分市高崎山・うみたまご前→ジェイリーススタジアム)
アジア大会代表選考会を兼ねたMGCシリーズ2025-26の男子G1・別府大分毎日マラソンが行われ、ゲタチョウ・マスレシャ(エチオピア)が2時間6分49秒で優勝した。
気温10度、晴天のレースとなったが、序盤は向かい風もあり、ややペースも落ち着くなか、先頭は大集団で進む。その中には、東京世界選手権代表の吉田祐也(GMOインターネットグループ)、学生記録(2時間6分05秒)記録保持者の黒田朝日(青学大)、東京五輪代表の服部勇馬(トヨタ自動車)、井上大仁(三菱重工)ら有力選手もしっかりついた。
10kmは30分07秒。この時点でも40人ほどが先頭集団を形成。折り返しの後はやや追い風となり、ペースも持ち直すと、20kmは59分53秒。少しずつ縦長の展開になりつつあり、30kmを1時間29分45秒で通過した時点で、集団は20人に。ペースメーカーが外れると、中大の溜池一太が前に出た。
32km付近で服部が苦しくなり離れる。井上も後方に下がったが、再度食らいついて後方で粘る展開に。33kmでマスレシャが飛び出すと、鈴木塁人(GMOインターネットグループ)が追いかけ単独2位になったが、すぐに吸収された。
35kmを2位集団は1時間44分46秒あたりで通過し、吉田、黒田に加え、溜池、そして冷静に走っていた福谷颯太(黒崎播磨)や古賀淳紫(安川電機)の2位争いになった。
給水があった36kmでペースアップし、溜池が離れる。さらに古賀がややリズムを崩し、福谷も苦しい表情に。38kmあたりからは、青学大の先輩・後輩にもあたる吉田と黒田のマッチレースとなった。
40kmで一度黒田が前に出たが、吉田はこれに対応。逆に40.8kmで黒田が給水を取った瞬間に、ここぞとばかりに狙いを定めて吉田がペースアップ。黒田は慌てて食らいつくかっこうになった。
2人で競り合いながら10秒差ほどあったマスレシャの背中を追いかけ、日本人トップ争いはトラック勝負に。最後は吉田が黒田を振り切り、2時間6分59秒で2位。4秒差で黒田が3位に入った。
青学大4年時出場して2時間8分30秒を出して3位(日本人トップ)になって以来、6年ぶり出場となった吉田。現役を続けるきっかけとなった大会は「再スタート」の場所になった。
24年12月の福岡国際で2時間5分16秒(日本歴代4位)で制した吉田。20年福岡、22年ミネアポリスに続いて3勝を挙げるなど、“強さ”に加えて記録も手にした上で望んだ昨年9月の東京世界選手権は2時間16分58秒の34位と完敗に。「(レース内で)少しずつダメージが蓄積されていった。惨敗です」と国際レースの難しさを痛感した。
それでも、母校・青学大を拠点にし、「マラソン練習を年間を通じてやってきている」と練習を着実に継続。この“継続”こそが吉田の強さの根源だ。今年1月の全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)では1区9位の力走で初優勝に貢献。箱根駅伝では母校の3連覇を見届け刺激を受けた。1月18日の都道府県対抗男子駅伝(3区区間4位)はスピード練習にもってこいで、「順調な流れで取り組めた」と手応え十分だった。
デッドヒートを繰り広げた黒田とも練習することがあり、「頼もしい存在」と切磋琢磨。「日本人トップ、あるいは優勝を第一に考えたい」とした上で、ロサンゼルス五輪選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を狙い、「序盤から冷静に走れていた」。まさに、これまでの経験を凝縮したレース運びで、勢いのある後輩を抑えた。
MGCは2大会連続で手にした吉田。今後は「ロス五輪が第一目標。海外レースで積極的に経験を積んでロスに挑戦したい」と、さらなる成長を誓っていた。
箱根駅伝5区の衝撃な走りから「シン・山の神」として注目を集めた黒田は、吉田にこそ敗れたものの、圧倒的な存在感を放った。2度目のマラソンで2時間7分03秒で3位は驚異とも言える。しかも、箱根の疲労などから「調子が上がってこず、スタートラインに何とか立った」状態だったというから、驚かされるばかり。黒田もMGC切符をしっかりとつかんだ。
筑波大卒3年目となる福谷颯太(黒崎播磨)が、これまでの自己記録(2時間10分46秒)を大幅に更新する2時間7分11秒で4位と大躍進。一度は離されながら驚異的な粘りを見せた井上が5位に浮上してフィニッシュし、2時間7分36秒でカバー。古賀淳紫(安川電機)が6位フィニッシュし、中大の溜池一太が大健闘の7位だった。
溜池は終盤まで積極的な走りを見せ、2時間7分59秒をマーク。学生歴代5位にランクインし、藤原正和(現・監督)の中大記録(2時間8分12秒/2003年=当時・学生記録)を塗り替えた。また、中大の白川陽大も学生歴代10位となる2時間8分48秒で10位と力走している。
今回の結果、ロス五輪MGC出場権獲得者は男子16人となった。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.05.03
【男子100m】目野惺大(MINTTOKYO・中1福岡)11秒23=中1歴代3位
-
2026.05.03
-
2026.05.03
-
2026.05.03
-
2026.05.03
2026.04.29
3000m障害・三浦龍司が絶妙ペースメイク「身体の動かし方思い起こせれば」/織田記念
-
2026.05.03
-
2026.04.29
-
2026.05.01
2026.04.24
吉岡大翔が10000m2位 苦しんだ3年間「自分なりの陸上が確立できている」/日本IC
-
2026.04.07
-
2026.04.29
Latest articles 最新の記事
2026.05.03
日本男子4×100mは守祐陽、飯塚翔太、桐生祥秀、井上直紀!北京世界陸上目指し、第2ラウンドへ/世界リレー
◇世界リレー2026(5月2日~3日/ボツワナ・ハボローネ)1日目 世界リレーの2日目が行われ、男子4×100mリレー第2ラウンドのオーダーが発表された。 広告の下にコンテンツが続きます 2組7レーンに入った日本は、予選 […]
2026.05.03
【男子100m】目野惺大(MINTTOKYO・中1福岡)11秒23=中1歴代3位
福岡県選手権の初日が5月3日に博多市の博多の森陸上競技場 で行われ、中学選抜男子100mで目野惺大(MINTTOKYO・中1)が11秒23(+0.3)の中1歴代3位で優勝した。 目野は昨年の全国小学生大会のチャンピオン。 […]
2026.05.03
3000m障害・齋藤みう地元で快走!転倒、雨なんのセカンドベスト「今の自分の走りできた」日本選手権複数挑戦も視野/静岡国際
◇第41回静岡国際(5月3日/小笠山総合運動公園) 日本グランプリシリーズの静岡国際が行われ、女子3000m障害は齋藤みう(パナソニック)が自己2番目&パフォーマンス日本歴代2位となる9分31秒83をマークして優勝し […]
2026.05.03
【男子5000mW】古賀友太(大塚製薬) 18分11秒11=日本歴代2位
第9回東大競歩記録会が5月2日、目黒区駒場の東大陸上競技場で行われ、男子5000m競歩で古賀友太(大塚製薬)が日本歴代2位の18分11秒11をマークした。 古賀はパリ五輪20km競歩代表で、大会では8位に入賞。今年の日本 […]
Latest Issue
最新号
2026年5月号 (4月14日発売)
2026シーズン展望
中距離特集ほか