2025.12.21
挙げた成果と見つかった課題
トラックシーズンは好調を維持したが、今秋の駅伝シーズンでは持てる力を出し切れなかった。9月初旬にシンスプリントを発症し、さらに下旬にはアクシデントで膝を負傷。10月の箱根駅伝予選会は、万全とは言えない状態で臨むことになった。
それでもチーム内5位、個人93位の1時間3分45秒でフィニッシュし、チームも総合8位で通過する。全日本では3区区間11位。最終的には13位で、目標にしていたシード権獲得には届かなかった。
「この1年間は、スピードとスタミナを両立させながら力を伸ばしたいという思いで取り組んできました。前期は日本選手権に出場できるなどプラスも多かったですが、スピードに重きを置くと、ケガのリスクが高まることも感じました」と振り返る。
ケガで練習が継続できず、「試合に向けて帳尻合わせの調整しかできない時期もありました。2年目になって、その難しさを強く感じました」と現実を受け止める。成果を挙げたからこそ見えた課題と向き合いながら、2度目の大舞台へ向けて調整を続けている。
「任された区間で区間賞を取りたいです。区間新記録も出したい気持ちもあります」と強気に語る。もちろん、「エース区間である2区を走りたい」という思いも抱いている。
「まだ2区で通用するレベルではないですが、いずれは2区で戦ってみたい。チームのエースと呼ばれる選手になりたいですし、他大学のエースがそろう区間で、自分がどれだけ走れるのか挑戦したいです」
目標にしているランナーには、篠原倖太朗(現・富士通)の名前を挙げる。篠原は駒大時代に、ハーフマラソンと5000m(屋外)で日本人学生最高記録を出した。箱根駅伝を3度走り、3年時には1区区間賞を獲得。4年時には主将も務めていた。
「篠原さんは自分の理想に近い選手。自分と近いタイプの選手なので、篠原さんを目標にしています」。「エース格」から「真のエース」へ。さらなる飛躍を目指し、大濱は2度目の箱根路へと向かう。

駅伝シーズン直前のケガで予選会、全日本は不本意なレースが続いたが、箱根では万全の状態で臨む
2月にハーフマラソンで大学記録を更新している大東大・大濱逞真[/caption]
新春の風物詩・第102回箱根駅伝に挑む選手やチームを取り上げる「箱根駅伝Stories」。学生三大駅伝最終決戦に向かうそれぞれの歩みや思いを紹介する。上々の箱根デビュー戦
前回の箱根駅伝の1区は中大・吉居駿恭(現4年)が序盤に飛び出したが、これを追いかける選手は現れず大混戦となった。鶴見中継所では2位・駒大から18位・創価大までが23秒差にひしめきあうなか、当時1年生だった大東大・大濱逞真(2年)は集団に食らいつき、8位でタスキをつないだ。記録は1時間2分49秒。区間賞を獲得した吉居とは1分42秒差がついたものの、チームが目標としていた帝京大とはわずか4秒差。箱根デビュー戦としては、上々の内容と言っていいだろう。「臆することなく臨めました。ラストで少し離されはしましたが、10km以上のレースは初めてだった中で、良い走りができたと思います」そう振り返る一方で、悔しさも残ったという。出走前から、吉居が飛び出してもついていかないように真名子圭監督から指示が出ていた。「結果論ですが、そこでついて行っても(最後まで)行き切れたと自分では思っています。六郷橋を越えても余裕がありました。チャレンジしたかったという気持ちがあります」と、強気な顔をのぞかせる。チームとしては当然の判断だった。それでも、吉居と大濱--宮城・仙台育英高の先輩と後輩によるデッドヒートが実現していたら、と想像をかき立てられる存在である。小学3、4年時はサッカーに打ち込み、ポジションはミッドフィルダー。ボールを追い、中盤を走り回った経験が、現在の走力の土台となっている。負けず嫌いな性格で、校内の持久走大会では常に1位を目指していた。小学4年で埼玉から宮城へ転居すると、転校先で陸上クラブに入り、本格的に競技を始めた。中学生の頃には、東洋大・相澤晃(現・旭化成)と東京国際大・伊藤達彦(現・Honda)が競り合った箱根駅伝2区を、保土ヶ谷駅近くの沿道で生観戦。「自分もいつかこの舞台を走ってみたいな」という気持ちが箱根を目指すようになった原点だ。インターハイ5000m日本人2位などの実績を引っ提げ、仙台育英高から大東大へ進学。ルーキーイヤーから、その非凡な能力を示してきた。大学2年目の今季も勢いは止まらなかった。進級前の2月に行われた日本学生ハーフでは1時間1分08秒で走り切り、大東大記録を更新。5月の全日本大学駅伝選考会では3組1着でフィニッシュし、総合2位での通過に大きく貢献した。さらに6月には、ホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会では5000m13分35秒78をマークする。1988年ソウル五輪5000mと10000mの日本代表でもある米重修一氏が持っていた13分40秒22(1983年)のチーム日本人学生記録を42年ぶりに更新。日本選手権の申込資格記録(13分38秒00)も突破し、7月の日本選手権に出場した。挙げた成果と見つかった課題
トラックシーズンは好調を維持したが、今秋の駅伝シーズンでは持てる力を出し切れなかった。9月初旬にシンスプリントを発症し、さらに下旬にはアクシデントで膝を負傷。10月の箱根駅伝予選会は、万全とは言えない状態で臨むことになった。それでもチーム内5位、個人93位の1時間3分45秒でフィニッシュし、チームも総合8位で通過する。全日本では3区区間11位。最終的には13位で、目標にしていたシード権獲得には届かなかった。「この1年間は、スピードとスタミナを両立させながら力を伸ばしたいという思いで取り組んできました。前期は日本選手権に出場できるなどプラスも多かったですが、スピードに重きを置くと、ケガのリスクが高まることも感じました」と振り返る。ケガで練習が継続できず、「試合に向けて帳尻合わせの調整しかできない時期もありました。2年目になって、その難しさを強く感じました」と現実を受け止める。成果を挙げたからこそ見えた課題と向き合いながら、2度目の大舞台へ向けて調整を続けている。「任された区間で区間賞を取りたいです。区間新記録も出したい気持ちもあります」と強気に語る。もちろん、「エース区間である2区を走りたい」という思いも抱いている。「まだ2区で通用するレベルではないですが、いずれは2区で戦ってみたい。チームのエースと呼ばれる選手になりたいですし、他大学のエースがそろう区間で、自分がどれだけ走れるのか挑戦したいです」目標にしているランナーには、篠原倖太朗(現・富士通)の名前を挙げる。篠原は駒大時代に、ハーフマラソンと5000m(屋外)で日本人学生最高記録を出した。箱根駅伝を3度走り、3年時には1区区間賞を獲得。4年時には主将も務めていた。「篠原さんは自分の理想に近い選手。自分と近いタイプの選手なので、篠原さんを目標にしています」。「エース格」から「真のエース」へ。さらなる飛躍を目指し、大濱は2度目の箱根路へと向かう。 [caption id="attachment_193842" align="alignnone" width="800"]
駅伝シーズン直前のケガで予選会、全日本は不本意なレースが続いたが、箱根では万全の状態で臨む[/caption]
文/小川誠志RECOMMENDED おすすめの記事
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