一般社団法人関東学生陸上競技連盟は9月25日、順天堂大学陸上部が主催した競技会において不適正行為があったと発表し、連盟として処分を下すことを明らかにした。
問題となったのは、順大・さくらキャンパス競技場で開催された競技会のハンマー投についてで、非公認施設である投てき練習場で実施したにもかかわらず、公認競技場のさくらキャンパス競技場で行われたものとして公認記録を申請・報告していたという。
関東学連ならびに順大が行った調査によると、順大陸上部は1988年にさくらキャンパスへ移転後、1989年から1992年までは少なくとも一部の競技会で、1993年から2024年8月9日までは継続的に虚偽の申請を行っていたとされる。
関東学連は、発覚の経緯が自主申告であったことや調査への協力姿勢などを斟酌できるとしながらも、自校の選手にとどまらず外部参加者の記録の有効性や他競技会への参加資格にまで影響を及ぼしたこと、さらに不正が30年以上続いたことを重く見て処分を決定。順大に対しては2025年10月1日から2年間、主催競技会の開催を禁止とした。
また、1989年に不適正行為を開始し、2012年までこれを継続した投てき種目の指導者については関東学連競技会への無期限の参加禁止。2018年には不適正行為に気づき、その後これを継続したとされる投てき種目の指導者に1年6ヵ月、2023年春に投てき練習場が非公認であることを監督代行の立場で知りながらこれを中止させなかった指導者には1年の参加禁止処分を科した。加えて、24年8月に部長・監督を務めていた指導者は戒告処分となった。
また、記録及び成績の取扱いについては、投てき練習場で実施されたハンマー投の記録は公認記録の取り消し措置が行われる一方、同競技会を資格記録として関東学連主催競技会に出場した選手の記録・成績については公認記録の取消申請をしないことと、個人順位・対校得点についても抹消しないことを発表している。
関東学連は処分とともに順大陸上部に対して、ルールの周知徹底、選手の主体的関与、相互確認の必要性を重視するように提言した。
不適正行為に対する処分を受けた順大は、「日頃より本学陸上競技部をご支援いただいている皆様、並びに関係者の皆様の信頼を著しく損なう結果となりましたことを、心より深くお詫び申し上げます」と謝罪。「本件を極めて重大な事案と受け止め、再発防止に向けた具体的な取り組みを早急に講じてまいります。今後、同様の事態を二度と招くことのないよう、全学を挙げて取り組んでまいる所存です」とコメントしている。
大学主催の競技会の競技会については、昨年夏に国武大で、今年春には流通経済大で不適正行為が発覚。いずれも、競技会主催の禁止などの処分が下されていた。関東学連の上部組織にあたる日本学連は、一連の不正行為に対して「陸上競技は、記録のスポーツです。ルールに則った正しい計測は、その大前提となります。公認された競技場で正しく実施される競技会において、共通の方法で計測がされることによって、場所や時代を超えて記録を比較することが可能となります。この大前提が崩れれば、陸上競技がスポーツとして成立せず、そして、陸上競技の魅力も失われてしまいます」などと声明を発表している。
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