2026.02.14
女子やり投の北口榛花(JAL)が2月14日、シーズン前の合宿として南アフリカへ渡航するにあたって会見を開いた。
23年ブダペスト世界選手権、24年パリ五輪やり投女王がリスタートの1年を迎える。
昨年の東京世界選手権では右肘の故障の影響で予選敗退に終わった。昨シーズンを振り返り、「世界選手権に向けて全力で準備をしましたが、ケガが続いてしまって思うようなパフォーマンスが出し切れない1年だった」と言う。
そうしたなか、北口は環境を変える決断をした。日大3年の終わりからチェコに渡り、約7年間指導を受けてきたディヴィッド・セケラック・コーチとの契約を終了。今回の南アフリカでは、男子やり投の世界記録(98m48)保持者であるヤン・ゼレズニー氏(チェコ)のトレーニングキャンプに合流する。
あらためて、チェコ・ドマジュリツェで過ごした日々について、「コーチ、コーチの家族、チームメイトが受け入れてくれて面倒を見てくれたからこそ、生活ができて、練習に打ち込むことができました。本当に感謝しています」と語る。
練習拠点について考え始めたのは、パリ五輪のあと。「4年サイクルを考えて見つめ直す期間、悩む時期ではあった」と、選択肢をイメージで膨らませつつ、東京世界選手権までは継続し、そのあとに決めた。
「世界一を取れましたが、さらに成長したい。まだ27歳ですが、永遠に競技をできるわけではない。身体、心がいつまでアグレッシブな選択をできるか考えると、難しいかもしれないと思い、今しかないと次のステップに進む決断をしました」
チェコ以外の国のコーチも含め、いくつかの選択肢の中から、代理人を通じてゼレズニー氏にコンタクト。「現役時代は見ていませんが、動画もありますし、彼の投げを誰かが研究したものもあり、手に入れられる情報がある」としたうえで、「実際のところはどうなんだろうと気になった」。
北口は最初にチェコ渡った時も同じように「自分の目で見る」ことを常に大切にしてきた。世界一やりを遠くに投げた人がどういうものなのか。それを自分の目で見て、肌で感じ取りたいのだ。
何度か対面したこともあり、北口の投げについても目にしているが「お世辞抜きでどう思っているか聞いてみたい」ともいう。
まだ正式契約ではなく、ゼレズニー氏からもまずはキャンプへの参加を勧められ、お互いの感触を確かめることになる。
昨年11月からトレーニングを再開。右肘の状態については、「徐々に投げていて、世界選手権前よりは腕を振れています」。12月頃からは直接コンタクトを取りながら練習メニューももらっているそうで、「週に1度は電話をしてくれて、マメにリアクションをくれます」と今のところ順調にコミニケーションを取っているようだ。
世界一を究めたゼレズニー氏だからこその言葉もやはり心に響くものがある。「ゼレズニーさんも(1991年の)東京世界選手権で失敗したそうで、『負けた時だからこそ考えられることもたくさんあるけど、負けたからと言って全部を変えなくてもいい』と」言葉をかけられたという。
技術的な話は「齟齬が生まれないように実際に会ってから」で、「南アフリカというのと、どんなことを言われるのかな、と未知数すぎて久しぶりに緊張しています」と笑い、「どこを変えてどこを残すか話し合っていきたい」と語った。
4月末まで南アフリカでトレーニングして帰国。その後にシーズンインとなりダイヤモンドリーグや、セイコーゴールデングランプリあたりから始動となりそう。秋の名古屋アジア大会も「まだ出場権を取れていないですが、出られれば一番を取りたい」と、まだ持っていないアジアナンバー1の称号は狙いに行く。
もちろん大きな目標は2年後のロサンゼルス五輪。「もちろんまた金メダルを欲しいので、その目標に向かって努力し続けたいです」。世界一遠くにやりを投げたい。やり投を追究し続けたい。そんな飽くなき向上心を胸に、南アフリカからリスタートを切る。
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