◇東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)3日目
東京世界陸上3日目のイブニングセッションが行われ、男子400mハードル予選2組に出場した小川大輝(東洋大)は50秒08の6着で準決勝進出はならなかった。
同じ組には3年前のオレゴン世界陸上金メダリストで、パリ五輪銅のA.ドス・サントス(ブラジル)らがおり、「前半で置いて行かれるのは、ある程度わかっていた」という。その上で小川は「食らいついて、いつもの後半の冷静さで入れば、(予選通過の)4着には入れる」と考えていた。
内側寄りの2レーンに入った小川は、好スタートを切った後、「前半で置いていかれないことは意識していた」という狙い通りに前を行く選手たちを追う。バックストレートでもスムーズなハードリングができているように見えた。
しかし、第3コーナーから最後の直線に入ると、好調時に見られる伸びを欠いた。4番手や5番手争いをする選手たちを捉えることはできなかった。「後半の冷静さというところが本当にダメダメで、焦って焦ってという中で力だけ使ってしまい、ずっとスピードに乗れないようなレースでした」。
4着が48秒92だった結果を見て、「普段の走りをすれば全然、着順で通れたラッキーな組だったのに」と、肩を落とした小川。故障明けで2ヵ月ぶりのレースではあったが、「練習も積めていて調子も上がっていた。でも、この世界の舞台で力が出せないという弱さが本当に悔しいです」と、表情は沈んだままだった。
昨年はパリ五輪に出場したものの、「周りの雰囲気や観客の多さに圧倒されてしまいました」と力を発揮できずに予選落ち。「この1年間、東京で世界にリベンジするぞという気持ちで、こだわって練習してきた」が、またしても世界の壁に跳ね返されてしまった。
「世界レベルの試合で力を出せないのは気持ちの問題だと思います。まだまだトップアスリートの仲間入りができないという感じです」。この悔しさは小川をさらに強くする原動力になる。諦めることなく、挑戦を続けた先に、トップアスリートへの扉が開かれている。
文/小野哲史
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