2025.06.14
◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)2日目
近畿地区大会の2日目が行われ、男女の1500mで好記録が誕生するなど初日に続いて各種目で激戦が展開された。
男子1500mには昨年の福岡インターハイ5000m6位で13分41秒68の高2歴代4位の記録を持つ新妻遼己(西脇工3兵庫)が登場した。「3分45秒ぐらいを目標にハイペースでレースを引っ張るつもりで行きました」とスタート直後から果敢に先頭に立ちレースをけん引する。
この速い流れに食らいついたのは、中学歴代2位の3分49秒51のベストを持つ田中悠大(洛南2京都)。800mを1分58秒、1000mを2分28秒のハイラップを刻み残り1周へ。「田中君がついてきていましたが、ラスト400mまで余裕を持っていけました。下級生には負けられない気持ちでした」と、ペースを上げ後続を引き離しにかかる。
「最後は乳酸が溜まってきつかったです」と話すも、そのまま押し切り高校歴代6位となる3分43秒94の好タイムで圧勝。あの佐藤圭汰(洛南→駒大)が2021年にマークした大会記録(3分43秒54)に肉薄し、「最後押し切れなかったのは自分の弱さです」と言いつつも、先輩の長嶋幸宝(現・旭化成)の持つ県高校記録(3分44秒87)を更新し、笑顔が弾けた。
「継続して練習ができているので自信はありました。まだ3分40秒を切るイメージはありませんが、インターハイでは強い留学生もいます。最後まで勝負できればタイムも出ると思う。そうできるようしっかり練習を積んでいきたいです」と目を輝かせる。
第2集団で残り1周までレースを進めた奈良県覇者の飯干颯大(智辯カレッジ2)が最後の直線で混戦を抜け出し自己ベストを約5秒更新する高2歴代5位となる3分46秒56で2位と健闘した。
「第2集団で行ってラスト1周で勝負というイメージ通りのレースができました。思っていた以上にハイペースでしたが、最後で抜け出せたのは自信になります。インターハイでは3分45秒を切って入賞し、奈良勢でもやれるところを見せたいです」と意気込みを口にする。
3位には3分46秒71で伊勢村羚太(滋賀学園3滋賀)。いずれも2年生の梅田大陸(兵庫・須磨学園)、田中が3分47秒55、高橋利旺(和歌山北2)が3分49秒99で4~6位に続いた。3分50秒切りを果たしたこの6人がインターハイ切符を獲得している。
女子1500mは、800mで日本記録を持つ注目の久保凛(東大阪大敬愛3大阪)がV。立命館宇治(京都)のエース・芦田和佳(3年)に残り1周で一旦前に出られるも、最後の直線で再び抜き返し4分11秒07の高校歴代2位の好タイムで2連覇となった。
芦田も最後まで粘り抜き、4分12秒48の高校歴代3位の高記録で2位と健闘。こちらも5位までが4分20秒を切るハイレベルなレースとなった。
このほか、男女の4×100mリレーでも好記録が誕生。女子は2年前のこの大会で45秒48の近畿高校記録をマークしている京都橘(京都)が45秒65で大会4連覇を達成。その2年前のレースで1走を務めていた100mでも3位と気を吐いたエース・大前陽菜乃(3年)が2走で抜け出した。「インターハイでは44秒99のタイムで優勝したい」と力強く抱負を話す。
2位の添上(奈良)も県高校記録となる45秒97の好タイム。46秒13で滝川二(兵庫)が3位に続き、6位の西城陽(京都)が46秒61。最後まで粘った姫路女学院(兵庫)は46秒68、草津東(滋賀)は46秒71でインターハイを逃すなどハイレベルだった。
男子は予選・準決勝と39秒台(84、88)を連発していた洛南(京都)が、決勝では先行する関大北陽(大阪)をフィニッシュ前でかわして39秒94でこちらも4連覇を果たした。
100mを10秒40(+1.0)で制し2走を務めた安川飛翔(3年)は「3本、39秒台をそろえられたのは良かったです。決勝はカハル(土井、2年)が洛南魂を見せてくれました」と辛勝にホッと胸をなで下ろす。
「インターハイまでにはバトンの精度を上げ、39秒5を切って優勝したいです」と激戦の近畿をステップにさらなる飛躍を誓った。
2位の関大北陽も39秒98とチーム2度目の40秒切り。大阪大会Vの東海大仰星が40秒13で3位、4~6位の乙訓(京都)、社(兵庫)、滝川二が(兵庫)40秒25、36、39とこちらも全国大会決勝並みのハイパフォーマンスとなった。
女子100mは前回8位でインターハイ行きを逃していた2年生の加藤結衣(龍谷大平安2京都)が後半抜け出し11秒70(+0.8)で初V。女子やり投は、今季53m65を大阪大会でマークしている鈴木彩夏(大体大浪商3大阪)が51m73で快勝した。
8位までが5400点オーバーとなる大激戦となった男子八種競技は5811点の高得点を叩き出した鰺坂勇介(東海大仰星3大阪)が優勝。北村澪音(洛南2)が高2歴代5位の5748点で続いた。
全国インターハイは、7月25日から29日までの5日間、広島・ホットスタッフフィールド陸上競技場(広島広域公園陸上競技場)で開催。各地区大会上位6位までが出場する(※男女競歩は5位、女子棒高跳、女子三段跳、女子ハンマー投は4位まで、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)。
文/花木 雫
インターハイ近畿大会優勝者一覧をチェック!
●男子 100m 安川飛翔(洛南3京都) 10秒40(+1.0) 400m 久保拓己(滝川二3兵庫) 46秒96 1500m 新妻遼己(西脇工3兵庫) 3分43秒94 4×100mR 洛南(京都) 39秒94 棒高跳 杉本惺昭(明石商3兵庫) 4m90 走幅跳 平井靖士(滝川二3兵庫) 7m28(+1.2) 砲丸投 小河琉(社3兵庫) 15m64 ハンマー投 清水蓮大(社3兵庫) 61m63 八種競技 鯵坂勇介(東海大仰星3大阪) 5811点 [adinserter block="4"] ●女子 100m 加藤結衣(龍谷大平安2京都) 11.70(+0.9) 400m 幸長愛美(姫路女学院2兵庫) 54秒89 1500m 久保凛(東大阪大敬愛3大阪) 4分11秒07=大会新 4×100mR 京都橘(京都) 45秒65 走高跳 星本衣月(鳥羽3京都) 1m68 走幅跳 林ゆずな(西城陽3京都) 5m95(+1.7) ハンマー投 長谷川有(花園3京都) 53m16 やり投 鈴木彩夏(大体大浪商3大阪) 51m73RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.12.13
編集部コラム「あっという間の2025年」
-
2025.12.13
-
2025.12.13
-
2025.12.13
-
2025.12.07
-
2025.11.20
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.12.13
編集部コラム「あっという間の2025年」
攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム?? 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいことetc…。 編集スタッフが週替りで […]
2025.12.13
箱根駅伝15年ぶりV狙う早大が合同取材会 花田勝彦駅伝監督「状態上がっている」 山口智規「大手町を楽しみにしてほしい」
箱根駅伝で15年ぶりの総合優勝を狙う早大が12月13日、埼玉・所沢キャンパスで合同取材会を開いた。 この日は撮影と共通取材、個別取材を実施。共通取材で花田勝彦駅伝監督は「今年もかなり良いかたちで準備ができたと思っています […]
2025.12.13
連覇か、V奪回か?「ニューイヤー駅伝2026」に挑む強豪3チームの意気込み/旭化成・トヨタ自動車・富士通
2026年の幕開けを飾る全日本実業団対抗駅伝(通称・ニューイヤー駅伝)は、第70回の記念大会として1月1日、前橋市にある群馬県庁前をスタートし、上州路をぐるりと回って県庁に戻る7区間・総距離100kmのコースで行われる。 […]
2025.12.13
ロス瑚花アディアが60m7秒48のユタ州立大新記録 東京・城西高出身で今秋から留学中
12月10日に米国・ユタ州でブリガム・ヤング大で行われた同大学招待競技会室内女子60mで、ロス瑚花アディア(ユタ州立大)が7秒48で4位に入った。従来のユタ州立大記録38年ぶりの更新となる。 ロスは東京・駒沢中から城西高 […]
Latest Issue
最新号
2025年12月号 (11月14日発売)
EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選
Follow-up Tokyo 2025