HOME 国内、世界陸上

2025.02.17

日本新V3の藤井菜々子「やっとメダルを目指せる」女子初の1時間26分台突入/日本選手権20km競歩
日本新V3の藤井菜々子「やっとメダルを目指せる」女子初の1時間26分台突入/日本選手権20km競歩

25年日本選手権20km競歩で1時間26分33秒の日本新の優勝を果たした藤井

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース)

東京世界選手権代表選考会を兼ねた第108回日本選手権20km競歩が2月16日行われ、女子は藤井菜々子(エディオン)が1時間26分33秒の日本新記録で3年連続4回目の優勝を遂げ、東京世界選手権代表に内定した。

広告の下にコンテンツが続きます

条件が違う前提だが、1時間26分台は昨年のパリ五輪のメダルライン(1時間26分25秒)。「これで自信を持って、やっとメダルを目指せる」と笑顔を見せた。

「悔しさがこんなにも身体を動かすんだ」

昨年のパリ五輪はコンディションが整わずに32位。3月から左股関節を痛めて2ヵ月歩けなかった影響は、確かにあった。それでも、「ここまで通用しないのかと衝撃を受けました。言葉にならなかったです」。帰国後は悔しさを紛らわすかのように練習に没頭した。

ケガの原因として捉えたのが左右差。「左側に体重がかかっていたので、とにかく左右差のないように」整えた。加えてケガをしてからは「脚が前に出ずにつんのめる感じになっていた。接地も後ろになるのが課題でしたが、(脚を)伸ばして接地するように何度も練習しました」。これまでにないほど、歩型と向き合った。

精神面でも変化があった。「今までの練習ではダメだとわかっていたのですが、何をどうしていけばわからなかったのですが、いろんな方に助言をいただきましたし、『これじゃ世界と戦えない』と活を入れられたんです」。ハイペースに対応できるように「1km4分20秒での練習をかなり入れました」。歩型が定まってきたこともあり、ケガなく質の高い練習を積めたという。

「ケガをせずにじっくり詰めていたので、1時間27分台は確実に出るだろう」というイメージはあったが、「まさか1時間26分台が出るとは」と藤井。岡田久美子(富士通)が持っていた日本記録を大きく更新した。

だが、記録を抜いてなお、33歳にして世界選手権の参加標準記録を突破するセカンドベストで2位になった大先輩に、畏敬の念は止まない。

「高校の時からずっとあこがれの存在で、がむしゃらに追いかけてここまで来ました。日本記録を超えられたのは素直にうれしいですが、まだまだ通過点。ずっと尊敬している先輩とまた一緒に世界選手権に出られそうなのもうれしいです。“集大成”を肌で感じて、自分ももっと成長したいですし、それが恩返し」

世界選手権は19年ドーハで7位、22年オレゴンで6位と2度入賞。いよいよメダルへの挑戦になる。「同じ4分20秒ペースでも世界大会は細かな上げ下げもある。世界選手権までに国際レースを2本くらい踏みたいと思っています。同世代はジュニアの時から強かったのですが、これでライバルと同じ土俵に立てたかな」。

4度目の世界選手権は「競技人生で一番いい大会にしたい」。地元開催の大舞台、支えてくれた人たちの声援を背に堂々と世界と渡り合う。

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース) 東京世界選手権代表選考会を兼ねた第108回日本選手権20km競歩が2月16日行われ、女子は藤井菜々子(エディオン)が1時間26分33秒の日本新記録で3年連続4回目の優勝を遂げ、東京世界選手権代表に内定した。 条件が違う前提だが、1時間26分台は昨年のパリ五輪のメダルライン(1時間26分25秒)。「これで自信を持って、やっとメダルを目指せる」と笑顔を見せた。 「悔しさがこんなにも身体を動かすんだ」 昨年のパリ五輪はコンディションが整わずに32位。3月から左股関節を痛めて2ヵ月歩けなかった影響は、確かにあった。それでも、「ここまで通用しないのかと衝撃を受けました。言葉にならなかったです」。帰国後は悔しさを紛らわすかのように練習に没頭した。 ケガの原因として捉えたのが左右差。「左側に体重がかかっていたので、とにかく左右差のないように」整えた。加えてケガをしてからは「脚が前に出ずにつんのめる感じになっていた。接地も後ろになるのが課題でしたが、(脚を)伸ばして接地するように何度も練習しました」。これまでにないほど、歩型と向き合った。 精神面でも変化があった。「今までの練習ではダメだとわかっていたのですが、何をどうしていけばわからなかったのですが、いろんな方に助言をいただきましたし、『これじゃ世界と戦えない』と活を入れられたんです」。ハイペースに対応できるように「1km4分20秒での練習をかなり入れました」。歩型が定まってきたこともあり、ケガなく質の高い練習を積めたという。 「ケガをせずにじっくり詰めていたので、1時間27分台は確実に出るだろう」というイメージはあったが、「まさか1時間26分台が出るとは」と藤井。岡田久美子(富士通)が持っていた日本記録を大きく更新した。 だが、記録を抜いてなお、33歳にして世界選手権の参加標準記録を突破するセカンドベストで2位になった大先輩に、畏敬の念は止まない。 「高校の時からずっとあこがれの存在で、がむしゃらに追いかけてここまで来ました。日本記録を超えられたのは素直にうれしいですが、まだまだ通過点。ずっと尊敬している先輩とまた一緒に世界選手権に出られそうなのもうれしいです。“集大成”を肌で感じて、自分ももっと成長したいですし、それが恩返し」 世界選手権は19年ドーハで7位、22年オレゴンで6位と2度入賞。いよいよメダルへの挑戦になる。「同じ4分20秒ペースでも世界大会は細かな上げ下げもある。世界選手権までに国際レースを2本くらい踏みたいと思っています。同世代はジュニアの時から強かったのですが、これでライバルと同じ土俵に立てたかな」。 4度目の世界選手権は「競技人生で一番いい大会にしたい」。地元開催の大舞台、支えてくれた人たちの声援を背に堂々と世界と渡り合う。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.04.27

実業団登録の規程改定の方向へ 全日本実業団・ニューイヤー駅伝など団体対抗出場対象にクラブチーム加える方向

一般社団法人日本実業団連合は4月27日、2027年度からの登録規程を改定する方向で検討を進めていることを明かした。 1959年に制定された実業団の登録規程は、競技環境や社会状況の変化を踏まえながらさまざまな形で見直しが行 […]

NEWS 名古屋アジア大会 T&F種目は9月24日~29日の6日間開催が決定

2026.04.27

名古屋アジア大会 T&F種目は9月24日~29日の6日間開催が決定

愛知・名古屋アジア大会組織委員会は4月27日、9月から10月にかけて開催される名古屋アジア大会のデイリースケジュールを更新し、未定となっていた陸上競技のトラック&フィールド種目を、9月24日から29日までの6日間で実施す […]

NEWS 三浦龍司がMDC1500mを欠場 DL日程変更の影響 今季国内はフラットレース参戦予定

2026.04.27

三浦龍司がMDC1500mを欠場 DL日程変更の影響 今季国内はフラットレース参戦予定

日本グランプリシリーズのMIDDLE DISTANCE CIRCUIT主催者は、男子1500mにエントリーしていた三浦龍司(SUBARU)の欠場を発表した。 日本記録を持つ3000m障害で出場を予定していたダイヤモンドリ […]

NEWS 十種競技・エハンマーが8361点で快勝 得意の走幅跳は8m18/WA混成ツアー

2026.04.27

十種競技・エハンマーが8361点で快勝 得意の走幅跳は8m18/WA混成ツアー

世界陸連(WA)混成競技ツアーのマルチスターズがイタリア・ブレシアで4月25日、26日に開催され、男子十種競技ではS.エハンマー(スイス)が8361点で優勝した。 エハンマーは現在26歳。今年3月の世界室内選手権の七種競 […]

NEWS 男子円盤投・湯上剛輝が65m38! 米国で自身の日本記録を90cm更新

2026.04.27

男子円盤投・湯上剛輝が65m38! 米国で自身の日本記録を90cm更新

オクラホマ・スローシリーズが4月25日、26日の両日、米国オクラホマ州ラモナで行われ、26日の男子円盤投で湯上剛輝(トヨタ自動車)が65m38の日本記録を樹立した。従来の日本記録は、ちょうど1年前の25年4月26日に湯上 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年5月号 (4月14日発売)

2026年5月号 (4月14日発売)

2026シーズン展望
中距離特集ほか

page top