HOME 国内

2025.02.15

女子3連覇狙う藤井菜々子 パリ五輪の「挫折をバネに」岡田久美子は6度目世界陸上目指す/日本選手権20km競歩
女子3連覇狙う藤井菜々子 パリ五輪の「挫折をバネに」岡田久美子は6度目世界陸上目指す/日本選手権20km競歩

パリ五輪代表の藤井菜々子(エディオン。中央)、岡田久美子(富士通、左)、柳井綾音(立命大)

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース)

東京世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権20km競歩が行われる。大会を前日に控え、有力選手が会見に登壇した。女子は藤井菜々子(エディオン)、岡田久美子(富士通)、柳井綾音(立命大)のパリ五輪代表3選手が出席。

前回は1時間27分59秒の大会新(日本歴代2位)で、2年連続3度目の優勝を果たし、パリ五輪即内定を決めた藤井。だが、五輪本番では「2ヵ月くらい練習できない時期があった」ことで32位。「競技人生での中で一番苦しんだ1年」だったと振り返る。

広告の下にコンテンツが続きます

その「競技人生の一つの挫折」が藤井を突き動かす。2週間後には練習を再開し、8月にはポイント練習もしていたという。「悔しさがここまで自分を動かすんだ」。まだ心の整理は「ついていない」とも明かすが、視線は「ロス五輪に向いている」。もちろん、そのために今大会で「自己ベストを更新して内定を決めるつもりだ。

「ここまで順調に進めてこられています。1時間28分を切る練習はできている」とし、「去年は17kmからペースが落ちた。そこをキープできればかなり良い記録が出せる。明日はパリの悔しさを晴らしたい」と力を込めた。

五輪3大会出場、世界選手権は5大会で代表入りしている岡田。昨年のパリ五輪では男女混合競歩リレーで8位入賞を果たした。

だが、その結果から「満足する部分があった。本当に(もう一年)頑張れるのか悩んだ日々もありました」と明かす。33歳のベテランとなり、近年は1年ごとに「集大成」と位置づけてきた。度重なるケガもあったが、そのたびにカムバック。その強い気持ちは多くの競歩選手のお手本となっている。

五輪後は「いつもより長く休養を取りました。覚悟を決めるまで時間がかかりました」。ブダペスト世界選手権では日本記録を持つ35km競歩にも挑戦したが、「長いのは向いていない」と苦笑い。やはり、20kmで勝負すると決めた。

「みなさんのお陰でこの年になっても若い子たちと挑戦できるのはありがたいこと。本当に感謝の気持ちを持って、残り数レースになるかもしれないですが、自分の力を最後まで発揮して締めくくりたいと思っています」

ここまでのトレーニングも順調で、「身体の使い方や技術を磨き、テンポアップを図ってきました」。目指すのは参加標準記録(1時間29分00秒)の突破。日本陸上史に残るウォーカーは、満を持して6度目の世界選手権代表の座をつかみに行く。

柳井は五輪後「10月と12月に駅伝(全日本大学女子駅伝、富士山女子駅伝)があったので、チームの一員として走りを強化していました。その体力を生かして1月から競歩の練習をしてきました」と、これまで通り長距離ブロックとともに過ごしてきた。

この2年間は国際大会も多く経験し、「すべての大会で世界との差を感じました」と言うが、その中でも「積極性が高まったと思います」と自信を得る部分もあった。前回大会でも、序盤は藤井、岡田と競り合うレースも見せた。

タイムは「学生新記録を目標に」と、渕瀬真寿美が龍谷大時代に出した1時間28分03秒をターゲットとし、ワールドランキングも含めて東京世界選手権の出場に近づく構えだ。

女子の東京世界選手権の派遣設定記録は1時間28分00秒で、これを切って優勝すれば内定。参加標準記録(1時間29分00秒)をクリアして3位以内に入ることが選考の一つの目安となる。

男子は8時50分、女子は9時10分にスタートする。

◇第108回日本選手権20km競歩(2月16日/兵庫県神戸市・六甲アイランド付設コース) 東京世界選手権代表選考会を兼ねた日本選手権20km競歩が行われる。大会を前日に控え、有力選手が会見に登壇した。女子は藤井菜々子(エディオン)、岡田久美子(富士通)、柳井綾音(立命大)のパリ五輪代表3選手が出席。 前回は1時間27分59秒の大会新(日本歴代2位)で、2年連続3度目の優勝を果たし、パリ五輪即内定を決めた藤井。だが、五輪本番では「2ヵ月くらい練習できない時期があった」ことで32位。「競技人生での中で一番苦しんだ1年」だったと振り返る。 その「競技人生の一つの挫折」が藤井を突き動かす。2週間後には練習を再開し、8月にはポイント練習もしていたという。「悔しさがここまで自分を動かすんだ」。まだ心の整理は「ついていない」とも明かすが、視線は「ロス五輪に向いている」。もちろん、そのために今大会で「自己ベストを更新して内定を決めるつもりだ。 「ここまで順調に進めてこられています。1時間28分を切る練習はできている」とし、「去年は17kmからペースが落ちた。そこをキープできればかなり良い記録が出せる。明日はパリの悔しさを晴らしたい」と力を込めた。 五輪3大会出場、世界選手権は5大会で代表入りしている岡田。昨年のパリ五輪では男女混合競歩リレーで8位入賞を果たした。 だが、その結果から「満足する部分があった。本当に(もう一年)頑張れるのか悩んだ日々もありました」と明かす。33歳のベテランとなり、近年は1年ごとに「集大成」と位置づけてきた。度重なるケガもあったが、そのたびにカムバック。その強い気持ちは多くの競歩選手のお手本となっている。 五輪後は「いつもより長く休養を取りました。覚悟を決めるまで時間がかかりました」。ブダペスト世界選手権では日本記録を持つ35km競歩にも挑戦したが、「長いのは向いていない」と苦笑い。やはり、20kmで勝負すると決めた。 「みなさんのお陰でこの年になっても若い子たちと挑戦できるのはありがたいこと。本当に感謝の気持ちを持って、残り数レースになるかもしれないですが、自分の力を最後まで発揮して締めくくりたいと思っています」 ここまでのトレーニングも順調で、「身体の使い方や技術を磨き、テンポアップを図ってきました」。目指すのは参加標準記録(1時間29分00秒)の突破。日本陸上史に残るウォーカーは、満を持して6度目の世界選手権代表の座をつかみに行く。 柳井は五輪後「10月と12月に駅伝(全日本大学女子駅伝、富士山女子駅伝)があったので、チームの一員として走りを強化していました。その体力を生かして1月から競歩の練習をしてきました」と、これまで通り長距離ブロックとともに過ごしてきた。 この2年間は国際大会も多く経験し、「すべての大会で世界との差を感じました」と言うが、その中でも「積極性が高まったと思います」と自信を得る部分もあった。前回大会でも、序盤は藤井、岡田と競り合うレースも見せた。 タイムは「学生新記録を目標に」と、渕瀬真寿美が龍谷大時代に出した1時間28分03秒をターゲットとし、ワールドランキングも含めて東京世界選手権の出場に近づく構えだ。 女子の東京世界選手権の派遣設定記録は1時間28分00秒で、これを切って優勝すれば内定。参加標準記録(1時間29分00秒)をクリアして3位以内に入ることが選考の一つの目安となる。 男子は8時50分、女子は9時10分にスタートする。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.07

いざ、ロス五輪MGC切符獲得へ!福岡国際マラソン、今日12時10分スタート

◇福岡国際マラソン2025(12月7日/福岡市・平和台陸上競技場発着) MGCシリーズ2025-26男子G1の福岡国際マラソン2025が今日(12月7日)に行われる。来年の名古屋アジア大会代表選考会も兼ねて実施。28年ロ […]

NEWS マラソン・川内優輝が第二子誕生を報告!「ソワソワしていました」15回目防府読売前日に吉報

2025.12.06

マラソン・川内優輝が第二子誕生を報告!「ソワソワしていました」15回目防府読売前日に吉報

男子マラソンプロランナーの川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が12月6日に自身のSNSを更新し、第二子の誕生を報告した。 川内は17時前に投稿し「先ほど次男の夢翔が生まれました」と名前も明かした。元実業団ランナーでもあ […]

NEWS 高3・吉田彩心が1万m32分38秒74の高校歴代2位 11月下旬の5000mに続き、2週連続の快走/エディオンDC

2025.12.06

高3・吉田彩心が1万m32分38秒74の高校歴代2位 11月下旬の5000mに続き、2週連続の快走/エディオンDC

◇エディオンディスタンスチャレンジin大阪2025(12月6日/ヤンマースタジアム長居) 長距離特化の記録会エディオンディスタンスチャレンジが行われ、女子10000m(C組)はカリバ・カロライン(日本郵政グループ)が30 […]

NEWS 田中希実3年8ヵ月ぶり10000m激走!日本歴代7位の30分54秒40に「驚いています」/エディオンDC

2025.12.06

田中希実3年8ヵ月ぶり10000m激走!日本歴代7位の30分54秒40に「驚いています」/エディオンDC

◇エディオンディスタンスチャレンジin大阪2025(12月6日/ヤンマースタジアム長居) 長距離特化の記録会エディオンディスタンスチャレンジが行われ、女子10000m(C組)はカリバ・カロライン(日本郵政グループ)が30 […]

NEWS 第一工科大が最終区での逆転で3年ぶり栄冠! 初V目指した鹿児島大は13秒差で涙/島原学生駅伝

2025.12.06

第一工科大が最終区での逆転で3年ぶり栄冠! 初V目指した鹿児島大は13秒差で涙/島原学生駅伝

12月6日、第43回九州学生駅伝が長崎県島原市の市営競技場をスタートし、島原文化会館にフィニッシュする7区間57.75kmのコースで行われ、第一工科大が3時間3分10秒で3年ぶり21回目の優勝を飾った。 第一工科大は1区 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top