HOME 駅伝

2024.11.25

積水化学「1強」の力示すも連覇ならず「想定以上の走りができなかった」/クイーンズ駅伝
積水化学「1強」の力示すも連覇ならず「想定以上の走りができなかった」/クイーンズ駅伝

2024年クイーンズ駅伝で2位となり悔し涙があふれる積水化学の選手たち

◇第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月24日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km)

クイーンズ駅伝が行われ、JP日本郵政グループが2時間13分54秒で4年ぶり4度目の優勝を飾った。

2年連続3度目の栄冠を狙った積水化学は27秒差で2位となり、念願の「連覇」はまたもお預けに。

パリ五輪5000m代表の山本有真、東京五輪10000m代表の新谷仁美、昨年のブダペスト世界選手権マラソン代表・佐藤早也伽、世界選手権を2度経験する楠莉奈ら、そうそうたる陣容から、優勝争いの「1強」とされてきた。

実際、その力を示すように1区の田浦英理歌が天満屋・吉薗栞を同タイムながら抑えてトップ中継すると、2区では山本が2年連続区間新となる12分56秒と快走し、一気に主導権を握る。

だが、ここから突き抜けられなかった。3区の佐藤がJP日本郵政グループ、資生堂にかわされて3位に後退。楠がインターナショナル区間で区間6位と粘り、JP日本郵政グループとの差を23秒にとどめた。そして新谷が、JP日本郵政グループ・鈴木亜由子を3kmで早くも捕らえる。

広告の下にコンテンツが続きます

それでも勝負を決めるには至らず、鈴木に1秒先着を許す。アンカーの森智香子もJP日本郵政グループ・太田琴菜に対して一度はリードを奪ったが、冷静に対応した太田に追いつかれ、5.6kmで力尽きた。

涙に暮れた選手たちを見つめ、野口監督は連覇の難しさを実感する。1強としての重圧と、それでも「勝てるのではないか」とする心の隙。そこを認めつつも、「JP日本郵政グループさんには昨年からのプラスアルファがあって、『ワンチャンスあれば』という中ですべて想定通りの走りをしてきた。我々は向こうの想定以上の走りをできなかったというところが、最後まで続いたのかな」と振り返った。

個々の目標を尊重し、世界を目指す選手たちが切磋琢磨する。全員が駅伝に対して万全の準備ができないことを承知のうえ。それでも「あくまでも個人の目標を」優先させ、今回味わった駅伝の悔しさを「どうぶつけられるか」を模索していく。

積水化学の挑戦は、止まらない。

◇第44回全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝:11月24日/宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台、6区間42.195km) クイーンズ駅伝が行われ、JP日本郵政グループが2時間13分54秒で4年ぶり4度目の優勝を飾った。 2年連続3度目の栄冠を狙った積水化学は27秒差で2位となり、念願の「連覇」はまたもお預けに。 パリ五輪5000m代表の山本有真、東京五輪10000m代表の新谷仁美、昨年のブダペスト世界選手権マラソン代表・佐藤早也伽、世界選手権を2度経験する楠莉奈ら、そうそうたる陣容から、優勝争いの「1強」とされてきた。 実際、その力を示すように1区の田浦英理歌が天満屋・吉薗栞を同タイムながら抑えてトップ中継すると、2区では山本が2年連続区間新となる12分56秒と快走し、一気に主導権を握る。 だが、ここから突き抜けられなかった。3区の佐藤がJP日本郵政グループ、資生堂にかわされて3位に後退。楠がインターナショナル区間で区間6位と粘り、JP日本郵政グループとの差を23秒にとどめた。そして新谷が、JP日本郵政グループ・鈴木亜由子を3kmで早くも捕らえる。 それでも勝負を決めるには至らず、鈴木に1秒先着を許す。アンカーの森智香子もJP日本郵政グループ・太田琴菜に対して一度はリードを奪ったが、冷静に対応した太田に追いつかれ、5.6kmで力尽きた。 涙に暮れた選手たちを見つめ、野口監督は連覇の難しさを実感する。1強としての重圧と、それでも「勝てるのではないか」とする心の隙。そこを認めつつも、「JP日本郵政グループさんには昨年からのプラスアルファがあって、『ワンチャンスあれば』という中ですべて想定通りの走りをしてきた。我々は向こうの想定以上の走りをできなかったというところが、最後まで続いたのかな」と振り返った。 個々の目標を尊重し、世界を目指す選手たちが切磋琢磨する。全員が駅伝に対して万全の準備ができないことを承知のうえ。それでも「あくまでも個人の目標を」優先させ、今回味わった駅伝の悔しさを「どうぶつけられるか」を模索していく。 積水化学の挑戦は、止まらない。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.08.15

福井ナイトゲームズ、15、16日に開催!東京世界陸上に向けて重要な一戦

◇Athlete Night Games in FUKUI(8月15、16日/福井・9.98スタジアム) 日本グランプリシリーズのAthlete Night Games in FUKUIが今日、明日の2日間にわたって行わ […]

NEWS 東京世界陸上ワールドランキングが更新 走高跳・長谷川直人が急上昇 男子やり投3枠目は鈴木凜と長沼元が熾烈な争い

2025.08.14

東京世界陸上ワールドランキングが更新 走高跳・長谷川直人が急上昇 男子やり投3枠目は鈴木凜と長沼元が熾烈な争い

8月14日、世界陸連(WA)が東京世界選手権の参加資格を示すワールドランキング「Road to Tokyo25」を更新した。 日本勢では8日と12日のWAコンチネンタルツアーで連勝を飾った男子走高跳の長谷川直人(サトウ食 […]

NEWS 【世界陸上プレイバック】―17年ロンドン―10000mでファラー3連覇 荒井広宙が50km競歩で銀 18歳サニブラウンは200mファイナル進出

2025.08.14

【世界陸上プレイバック】―17年ロンドン―10000mでファラー3連覇 荒井広宙が50km競歩で銀 18歳サニブラウンは200mファイナル進出

今年9月、陸上の世界選手権(世界陸上)が34年ぶりに東京・国立競技場で開催される。今回で20回目の節目を迎える世界陸上。日本で開催されるのは1991年の東京、2007年の大阪を含めて3回目で、これは同一国で最多だ。 これ […]

NEWS 織田裕二さん単独インタビュー「海外に行く環境が当たり前に」東京世界陸上への思い語る「文化として根づいてほしい」

2025.08.14

織田裕二さん単独インタビュー「海外に行く環境が当たり前に」東京世界陸上への思い語る「文化として根づいてほしい」

34年ぶりに東京開催となる世界陸上(9月13日~21日/東京・国立競技場)の開幕まで1ヵ月を切った。長くTBSのメインキャスターを務め、今回はスペシャルアンバサダーとして大会を盛り上げる俳優の織田裕二さんが本誌の単独イン […]

NEWS 今年も福井の夏がアツい!!世界陸上に向け、ナイトゲームズに栁田大輝、鵜澤飛羽、村竹ラシッド、橋岡優輝、女子100mH勢ら

2025.08.14

今年も福井の夏がアツい!!世界陸上に向け、ナイトゲームズに栁田大輝、鵜澤飛羽、村竹ラシッド、橋岡優輝、女子100mH勢ら

◇Athlete Night Games in FUKUI(8月15、16日/福井・9.98スタジアム) 日本グランプリシリーズのAthlete Night Games in FUKUIが今年も福井の夏を盛り上げる。開幕 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top