◇第101回箱根駅伝予選会(10月19日/東京・陸上自衛隊立川駐屯地スタート、昭和記念公園フィニッシュ:21.0975km)
第101回箱根駅伝予選会が行われ、順大が苦しみながらも11時間1分25秒で10位に滑り込み、14年連続66回目の本戦出場を決めた。
レース後、人目もはばからず涙を見せる長門俊介駅伝監督の姿が、このレースの過酷さを物語っていた。
エース格の浅井皓貴(4年)が日本人2番手を占める個人14位と好走し、海老澤憲伸(同)も37位と最上級生が意地を見せる。その一方で、長門監督は「思ったような走りができていない選手もいました」と話す。
主力の吉岡大翔(2年)も「昭和記念公園に入る後半からしっかり上げていこうと思っていましたが、序盤の自衛隊駐屯地のあたりで結構きつくて焦りがありました」と振り返るなど、10kmの通過で総合10位、15kmで12位と当落線上での戦いが続いた。
コース上でただ一つの折り返しポイントがある昭和記念公園内の17.4km地点でも、11位とわずか3秒差の10位と、最後まで油断を許さないレース展開を強いられた。
迎えた結果発表。最後の1枠でようやく「10位・順大」のコールが鳴り響く。終わってみれば、次点の11位・東農大との差はわずか1秒。箱根駅伝本戦で11度の総合優勝を誇る名門にとって、66回目の本戦切符はまさに薄氷を踏むものだった。
「選手たちには僅差の勝負だから、15kmが勝負で、1秒が大事だとずっと言ってきました。まだまだ力を出し切れたとは言えませんが、本当に最後まで粘り強く走ってくれたと思います」(長門監督)
苦しい戦いの中、本戦出場の立役者となった浅井は、このレースに並々ならぬ想いを持っていた。今季はトラックシーズンを右足首の故障で棒に振り、本戦出場を逃した6月の全日本大学駅伝関東地区選考会も欠場。8月中旬に練習を再開したが、「今回も走れるかギリギリだった」と振り返る。
それでも、「4年生としてチームに貢献したかった。自分がどれだけタイムを稼げるかだと思って、1秒を大切にして、後半の粘りを大切に走れたと思います」と安堵の表情を見せた。長門監督も「短い期間で良くここまで戻してくれた。さすがエースだと思います」と最大の功労者を労った。
今季のスローガンは「下剋上」。ラスト1枚の本戦切符を手にしたチームにとって、まさにその言葉を体現する場が箱根路となる。「ウチは20番目ですから、まさに下剋上ですよね。まだ発展途上のチームですが、ここからしっかり準備をして、5番以内を目指していきたいと思います」
苦しい戦いを乗り越えた名門は、ここから本当の意味での復活を目指していく。
文/田中 葵
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