HOME 特集

2024.09.27

中村匠吾インタビュー「もう一度、日の丸を背負って走りたい」北海道マラソンで復活V遂げ、新たなステージへ
中村匠吾インタビュー「もう一度、日の丸を背負って走りたい」北海道マラソンで復活V遂げ、新たなステージへ

北海道マラソンで復活の狼煙を上げた中村匠吾

21年東京五輪男子マラソン代表で、8月の北海道マラソンで優勝を飾った中村匠吾(富士通)が合同インタビューに応じ、度重なるケガからの復活や、今後の展望について語った。

21年東京五輪のマラソンは札幌を舞台に無観客で行われたが、中村は右足首のケガの影響で本来の力を発揮できず62位にとどまっている。それだけに北海道マラソンに懸ける思いは強かった。

「シーズン前半の一番の目標でしたし、東京五輪のときは苦しみましたが、たくさんのファンの前で北海道を走ってみたかった」と話し、「その中で優勝することができて良かったです」と振り返った。

19年のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で優勝して東京五輪代表に内定。だが、その後コロナ禍で五輪が1年延期に。五輪代表のプレッシャーものしかかったほか、「(コロナ禍でも)走ってもいいのかという葛藤もあった」と明かす。心と身体のバランスが崩れる中で、右足首を故障。以後はケガの連続で長く苦しい時期が続いた。

東京五輪後には練習拠点を東京から千葉へ移し、また、結婚して子供も産まれるなど、自身を取り巻く環境が少しずつ変化。富士通の福嶋正総監督と練習の意見をかわして継続したトレーニングができるようになり、徐々に状態も向上してきたという。

「シューズの性能も上がり、以前よりもペースが上がって、質の高い練習ができるようになった」とも話しており、ロード練習の際には反発をもらい、足の負担を減らす『ナイキ アルファフライ 3』を着用。レースでは「自分に一番合っている」という『ナイキ ヴェイパーフライ 3』を履いて、復活への足掛かりとした。

広告の下にコンテンツが続きます

「日本も世界もマラソンのレベルが上がっています。今は最後の5kmを14分10秒で上がらないと勝負できない時代になってきた」と進境著しい男子マラソン界を冷静に分析する中村。今後は「もう一度、日の丸を背負って走りたい」と、来年行われる東京世界選手権への出場を大きな目標として掲げ、来年の選考レースに挑戦するつもりだという。

今年で32歳となったが、「東京五輪のときよりも地力はついていると思います」と自信をのぞかせ、「簡単ではないですが、常に(2時間)4分台、5分台を出せるような選手を目指していきたい」と次のレースを見据えた。

21年東京五輪男子マラソン代表で、8月の北海道マラソンで優勝を飾った中村匠吾(富士通)が合同インタビューに応じ、度重なるケガからの復活や、今後の展望について語った。 21年東京五輪のマラソンは札幌を舞台に無観客で行われたが、中村は右足首のケガの影響で本来の力を発揮できず62位にとどまっている。それだけに北海道マラソンに懸ける思いは強かった。 「シーズン前半の一番の目標でしたし、東京五輪のときは苦しみましたが、たくさんのファンの前で北海道を走ってみたかった」と話し、「その中で優勝することができて良かったです」と振り返った。 19年のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で優勝して東京五輪代表に内定。だが、その後コロナ禍で五輪が1年延期に。五輪代表のプレッシャーものしかかったほか、「(コロナ禍でも)走ってもいいのかという葛藤もあった」と明かす。心と身体のバランスが崩れる中で、右足首を故障。以後はケガの連続で長く苦しい時期が続いた。 東京五輪後には練習拠点を東京から千葉へ移し、また、結婚して子供も産まれるなど、自身を取り巻く環境が少しずつ変化。富士通の福嶋正総監督と練習の意見をかわして継続したトレーニングができるようになり、徐々に状態も向上してきたという。 「シューズの性能も上がり、以前よりもペースが上がって、質の高い練習ができるようになった」とも話しており、ロード練習の際には反発をもらい、足の負担を減らす『ナイキ アルファフライ 3』を着用。レースでは「自分に一番合っている」という『ナイキ ヴェイパーフライ 3』を履いて、復活への足掛かりとした。 「日本も世界もマラソンのレベルが上がっています。今は最後の5kmを14分10秒で上がらないと勝負できない時代になってきた」と進境著しい男子マラソン界を冷静に分析する中村。今後は「もう一度、日の丸を背負って走りたい」と、来年行われる東京世界選手権への出場を大きな目標として掲げ、来年の選考レースに挑戦するつもりだという。 今年で32歳となったが、「東京五輪のときよりも地力はついていると思います」と自信をのぞかせ、「簡単ではないですが、常に(2時間)4分台、5分台を出せるような選手を目指していきたい」と次のレースを見据えた。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

2025.04.30

【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]

NEWS 5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

2025.04.30

5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]

NEWS 26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top