HOME 国内、日本代表、五輪
真のやり投女王に!北口榛花「うれしいだけじゃ足りない」1投目65m80の今季ベストでV決める/パリ五輪
真のやり投女王に!北口榛花「うれしいだけじゃ足りない」1投目65m80の今季ベストでV決める/パリ五輪

パリ五輪女子やり投で優勝し、笑顔でウイニングランをおこなった北口榛花

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)10日目

パリ五輪・陸上競技10日目のイブニングセッションが行われ、女子やり投決勝に出場した北口榛花(JAL)は1投目に65m80で金メダルを獲得。五輪では日本女子トラック&フィールド種目で史上初の快挙で、女子では2004年アテネ大会マラソンの野口みずき以来の金メダリストとなった。

最終投てきに強い北口が、1投目で勝負を決めた。自身の1投目最高記録、自己5番目、今季ベストとなるアーチをかけた。ブダペスト世界選手権女王が放った先制パンチは、ライバルたちを完全に圧倒した。5投目の64m73を含めて、誰も北口の記録を上回ることができなかった。

優勝を決めて迎えた1投を終えると、涙があふれ出す。

「うれしいんですけど、うれしいだけじゃ足りないぐらい、本当に言葉にできないぐらい。いまだに実感が湧かないです」

注目を集める中で臨んだ五輪だったが、「プレッシャーは感じなかった」と言う。「大会に来てから、ずっと楽しくオリンピックを過ごせていた」とも。

だが、それよりも「今シーズン、あまりうまくいっていなかった」という自身のコンディションを整えることに集中していた。「誰かが信じてくれなかったらここには立てなかった」と言うほどの不安もあったが、それを乗り越えて五輪のピットに立った。

3日前の予選は通過標準記録(62m00)を一発(62m58)でクリア。決勝も圧巻の内容。まさに、完璧な優勝だった。

「いつもは6投目までちょっとのんびりしているんですけど、今日はやっぱりみんなすごい選手ばかりなので、プレッシャーをかけられるように1投目から絶対にいきたいと思っていました」

その後、記録を伸ばせなかったことに「選手村で毎日、夢では70mを投げていたので、もうちょっと記録が欲しかったです」。その夢の記録は「がんばって現実にできるようにしたいです」と笑うが、その目には涙があふれていた。

前回の東京五輪は、予選を通過したものの左脇腹を痛めた影響で決勝で力を発揮できず12位にとどまった。

それから3年の月日を経て、翌年のオレゴン世界選手権で銅メダル、昨年はブダペスト世界選手権、ダイヤモンドリーグ・ファイナルの2冠。さらには67m38(日本記録)でシーズン世界リストでもトップに輝いた。その実力を、パリでも発揮した北口。名実ともに、世界トップスロワーに君臨した。

◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)10日目 パリ五輪・陸上競技10日目のイブニングセッションが行われ、女子やり投決勝に出場した北口榛花(JAL)は1投目に65m80で金メダルを獲得。五輪では日本女子トラック&フィールド種目で史上初の快挙で、女子では2004年アテネ大会マラソンの野口みずき以来の金メダリストとなった。 最終投てきに強い北口が、1投目で勝負を決めた。自身の1投目最高記録、自己5番目、今季ベストとなるアーチをかけた。ブダペスト世界選手権女王が放った先制パンチは、ライバルたちを完全に圧倒した。5投目の64m73を含めて、誰も北口の記録を上回ることができなかった。 優勝を決めて迎えた1投を終えると、涙があふれ出す。 「うれしいんですけど、うれしいだけじゃ足りないぐらい、本当に言葉にできないぐらい。いまだに実感が湧かないです」 注目を集める中で臨んだ五輪だったが、「プレッシャーは感じなかった」と言う。「大会に来てから、ずっと楽しくオリンピックを過ごせていた」とも。 だが、それよりも「今シーズン、あまりうまくいっていなかった」という自身のコンディションを整えることに集中していた。「誰かが信じてくれなかったらここには立てなかった」と言うほどの不安もあったが、それを乗り越えて五輪のピットに立った。 3日前の予選は通過標準記録(62m00)を一発(62m58)でクリア。決勝も圧巻の内容。まさに、完璧な優勝だった。 「いつもは6投目までちょっとのんびりしているんですけど、今日はやっぱりみんなすごい選手ばかりなので、プレッシャーをかけられるように1投目から絶対にいきたいと思っていました」 その後、記録を伸ばせなかったことに「選手村で毎日、夢では70mを投げていたので、もうちょっと記録が欲しかったです」。その夢の記録は「がんばって現実にできるようにしたいです」と笑うが、その目には涙があふれていた。 前回の東京五輪は、予選を通過したものの左脇腹を痛めた影響で決勝で力を発揮できず12位にとどまった。 それから3年の月日を経て、翌年のオレゴン世界選手権で銅メダル、昨年はブダペスト世界選手権、ダイヤモンドリーグ・ファイナルの2冠。さらには67m38(日本記録)でシーズン世界リストでもトップに輝いた。その実力を、パリでも発揮した北口。名実ともに、世界トップスロワーに君臨した。

【動画】試合中にカステラでエネルギーチャージをする北口榛花

https://youtu.be/0LnTRbKGnPY?si=uMJdY8ATCH2qJOGC

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.09.10

9/13に隅田川の12の橋がライトアップ!東京世界陸上1年前に合わせて大会メインカラーの紫に

東京都は9月10日、東京世界陸上開催が9月13日に1年前を迎えることに合わせて、隅田川に架かる橋を紫色にライトアップすることを発表した。 築地大橋、佃大橋、蔵前橋など12の橋梁で、日没の15分後から23時までの間で行われ […]

NEWS 全日本実業団選手権エントリー発表!! 村竹ラシッド、泉谷駿介、坂井隆一郎、上田百寧らパリ五輪代表が多数登録

2024.09.09

全日本実業団選手権エントリー発表!! 村竹ラシッド、泉谷駿介、坂井隆一郎、上田百寧らパリ五輪代表が多数登録

9月9日、日本実業団陸上競技連合は9月21日から23日に行われる第72回全日本実業団対抗選手権のエントリー選手を発表した。 8月のパリ五輪で活躍した選手も多く登録され、男子100mには坂井隆一郎(大阪ガス)、東田旺洋(関 […]

NEWS セキノ興産・細川翔太郎が引退 法大時代に箱根駅伝で活躍 ニューイヤー駅伝にも出場

2024.09.09

セキノ興産・細川翔太郎が引退 法大時代に箱根駅伝で活躍 ニューイヤー駅伝にも出場

9月9日、セキノ興産は所属する細川翔太郎が8月31日付で引退したことを発表した。 細川は長野県出身の28歳。大町高では全国大会出場の経験はなかったが、法大へ進学後に実力をつけ、2年目には箱根駅伝の5区に抜擢された。箱根は […]

NEWS 福永凌太が400mで銀メダル! 唐澤剣也、佐藤友祈、鬼谷慶子も銀 日本勢は9個のメダル獲得/パリ・パラリンピック

2024.09.09

福永凌太が400mで銀メダル! 唐澤剣也、佐藤友祈、鬼谷慶子も銀 日本勢は9個のメダル獲得/パリ・パラリンピック

パリ・パラリンピックが8月30日から9月8日まで行われ、男子400mのT13クラス(視覚障害)は福永凌太(日体大)が48秒07で銀メダルを獲得した。 昨年の世界パラ選手権で金メダルを獲得している福永。5日に行われたレース […]

NEWS 東京五輪女子800m金メダリスト・ムーが婚約か プロポーズと見られる写真をSNSで公開

2024.09.09

東京五輪女子800m金メダリスト・ムーが婚約か プロポーズと見られる写真をSNSで公開

東京五輪女子800m金メダリストのA.ムー(米国)が自身のSNSを更新し、プロポーズを受けたと見られる写真を投稿した。 「否定されてばかりのこの年に、神は祝福をもたらした、肯定とともに」という文章とともに、プロポーズとみ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年9月号 (8月9日発売)

2024年9月号 (8月9日発売)

速報 パリ五輪
大盛況 福岡IH
久保凛 日本新特集!

page top