HOME 国内

2024.06.29

棒高跳・山本聖途が5m50で6年ぶり栄冠 「本当に気持ちいい」/日本選手権
棒高跳・山本聖途が5m50で6年ぶり栄冠 「本当に気持ちいい」/日本選手権

24年日本選手権男子棒高跳を5m50で制した山本聖途

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目

第108回日本選手権の3日目が行われ、男子棒高跳はただ1人5m50に成功した山本聖途(トヨタ自動車)が6年ぶり5回目の優勝を果たした。

今年32歳となり、ベテランと呼ばれる年齢となったが、久しぶりの日本チャンピオンに「本当に気持ちいいっす。技術ではなく今日は気持ちで跳びました」と笑顔が弾けた。

広告の下にコンテンツが続きます

昨年の4月、跳躍中に棒から手が外れて頭部から落下するアクシデント。それ以降、「4歩助走でも踏み切れない日々が続きました」と振り返る。そこから6歩、8歩、10歩と伸ばすも、「それ以上は怖くて踏み切れず、直前にフランスで出場した試合でも10歩助走で4m70しか跳べなかった」という状態で今大会に臨んでいた。

棒高跳から逃げたい日々が続いたというが、フランスで指導を受けるコーチから、「『自分が何者か考えてみろ。日本チャンピオンだろう』と言われ、ここまで続けてこれた」と奮起。久しぶりに短助走から14歩の中助走まで伸ばして臨んだ。

「本当に踏み切れるかわからない状況だったので」と、5m10からスタート。それを2回目に越えると、続く5m20を1回目、5m30、40、50をそれぞれ2回に成功して優勝を決めた。

その後、「少しでも可能性があるなら」と、バーを一気にパリ五輪参加標準の5m82にアップ。成功はならなかったが、「高くは感じなかった」ときっぱり。「これで来年も競技を続けることができる」。新潟の地で跳ぶ喜びと自信を取り戻し、見事復活を遂げた山本。今後のジャンプに期待がかかる。

文/花木 雫

◇第108回日本選手権(6月27日~30日/新潟・デンカビッグスワンスタジアム)3日目 第108回日本選手権の3日目が行われ、男子棒高跳はただ1人5m50に成功した山本聖途(トヨタ自動車)が6年ぶり5回目の優勝を果たした。 今年32歳となり、ベテランと呼ばれる年齢となったが、久しぶりの日本チャンピオンに「本当に気持ちいいっす。技術ではなく今日は気持ちで跳びました」と笑顔が弾けた。 昨年の4月、跳躍中に棒から手が外れて頭部から落下するアクシデント。それ以降、「4歩助走でも踏み切れない日々が続きました」と振り返る。そこから6歩、8歩、10歩と伸ばすも、「それ以上は怖くて踏み切れず、直前にフランスで出場した試合でも10歩助走で4m70しか跳べなかった」という状態で今大会に臨んでいた。 棒高跳から逃げたい日々が続いたというが、フランスで指導を受けるコーチから、「『自分が何者か考えてみろ。日本チャンピオンだろう』と言われ、ここまで続けてこれた」と奮起。久しぶりに短助走から14歩の中助走まで伸ばして臨んだ。 「本当に踏み切れるかわからない状況だったので」と、5m10からスタート。それを2回目に越えると、続く5m20を1回目、5m30、40、50をそれぞれ2回に成功して優勝を決めた。 その後、「少しでも可能性があるなら」と、バーを一気にパリ五輪参加標準の5m82にアップ。成功はならなかったが、「高くは感じなかった」ときっぱり。「これで来年も競技を続けることができる」。新潟の地で跳ぶ喜びと自信を取り戻し、見事復活を遂げた山本。今後のジャンプに期待がかかる。 文/花木 雫

【動画】棒高跳で優勝を飾った山本聖途の跳躍

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.21

飯塚翔太が「世界新」東京世界陸上を沸かせた代表選手たちがTBS『スポ男』で身体能力を披露

TBSの『最強スポーツ男子頂上決戦2025冬』が12月21日に放送され、東京世界選手権代表選手が多数出場して番組を盛り上げた。 ビーチフラッグスやモンスターボックス(跳び箱)など、身体能力を生かすさまざまな種目で、運動神 […]

NEWS 今井悠貴がV 順大勢が上位で力示す 2位に明大の井上が入る/関東10マイル

2025.12.21

今井悠貴がV 順大勢が上位で力示す 2位に明大の井上が入る/関東10マイル

第139回関東10マイルロードレースが12月21日に行われ、一般・学生男子10マイルは、今井悠貴(順大2)が47分38秒で優勝した。 今井は前橋育英高出身。11月に10000mで29分03秒33の自己新を出しているが、箱 […]

NEWS 大東大に13分51秒30で若林司ら都大路区間賞2人、豊川・嶋岡希ら10人合格!古豪復活へ有望そろう

2025.12.21

大東大に13分51秒30で若林司ら都大路区間賞2人、豊川・嶋岡希ら10人合格!古豪復活へ有望そろう

大東大の男子長距離ブロックが26年度の推薦入学試験合格者を発表した。 この日行われた全国高校駅伝で2位に入った仙台育英(宮城)から、アンカー7区を務め区間賞を獲得した若林司が加入。5000mでは13分51秒30のベストを […]

NEWS “史上最速”の1区は学法石川・増子陽太が28分20秒!「自分の役目を果たせた」 新妻、本田とともに早大へ/全国高校駅伝・男子

2025.12.21

“史上最速”の1区は学法石川・増子陽太が28分20秒!「自分の役目を果たせた」 新妻、本田とともに早大へ/全国高校駅伝・男子

◇全国高校駅伝・男子(12月21日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:7区間42.195km) 早大2026年度入部予定者をチェック! 全国高校駅伝の男子が行われ、1区(10km)は学法石川(福島)・増子陽太(3年 […]

NEWS 部員全員で戦った鳥取城北は初入賞の4位 「タスキリレーができてうれしかった」/全国高校駅伝・男子

2025.12.21

部員全員で戦った鳥取城北は初入賞の4位 「タスキリレーができてうれしかった」/全国高校駅伝・男子

◇全国高校駅伝・男子(12月21日/京都・京都市たけびしスタジアム京都発着:7区間42.195km) 全国高校駅伝の男子が行われ、学法石川(福島)が2時間0分36秒の高校最高記録で初優勝を飾った。鳥取城北(鳥取)は県最高 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年1月号 (12月12日発売)

2026年1月号 (12月12日発売)

箱根駅伝観戦ガイド&全国高校駅伝総展望
大迫傑がマラソン日本新
箱根駅伝「5強」主将インタビュー
クイーンズ駅伝/福岡国際マラソン
〔新旧男子100m高校記録保持者〕桐生祥秀×清水空跳

page top