◇関東インカレ(10月10日~12日/神奈川・相模原ギオンスタジアム)2日目・男子100m
日本インカレ3位、日本選手権6位に入った男がタイトル奪取へ強い姿勢で臨んだ。2日目に行われた男子100m決勝。鈴木涼太(城西大3)がスタートから抜け出すと、中盤以降は「力まないようにいけば勝てると思った」の言葉通り、10秒32(+2.8)をマークして初優勝を飾った。
9月上旬の日本インカレは、100mで10秒22(+1.8)の自己新をマークして3位。200mでも準決勝で20秒77(+0.6)の自己ベストで通過し、決勝は20秒83(-0.6)で2位に入っていた。100m・200m2冠を果たした先輩の水久保漱至とともに、城西大スプリントの存在をアピール。さらに、10月1日から3日の日本選手権では、100m6位に入ると、200mでは飯塚翔太(ミズノ)、小池祐貴(住友電工)に次ぐ3位と、日本トップ選手たちと渡り合った。
それでも、連戦となった関東インカレに出た理由がある。
「タイトルを取りたかった」
水久保は日本インカレ後にケガもあり見送っていたため、「チャンスがある」と疲労がありながら、千葉佳裕監督に志願して100mのみ出場した、
ライバルと目されたのは、2連覇中の宮本大輔(東洋大3)と、日本インカレ2位に負けていたデーデー・ブルーノ(東海大3)の同期2人。だが、デーデーは欠場し、宮本は決勝を棄権。「日本選手権ほどうまくはいきませんでしたが、スタートからしっかり地面を踏んでいけたのが勝因です。疲労がある中で勝ててよかった」。台風14号の影響で強い雨風の中、10秒3台で勝ち切った価値は小さくない。何よりどんな状況でも“タイトル”を獲得したことは大きな自信になる。
今季は「ケガもなく、筋力もアップした」と自己ベスト更新の要因を挙げる鈴木。ちなみに、城西大好調の理由は「うーん……何だろう。わかりません」と苦笑いしつつ、「水久保さんや強いOBの方々と切磋琢磨できているからだと思います」と話した。来シーズンに向け、「課題の後半を強化していきたい」と見据えている。
静岡・浜松工高時代は、17年インターハイ100m7位、国体100m4位。目線のはるか先には、いつも宮本大輔の姿があった。日本インカレで、同学年にほとんど負けてこなかった宮本に先着した後は「ずっと強くてあこがれのような存在だったので勝ててうれしいです」とはにかんでいた鈴木。「一番」を手にした城西大“2番目の男”が、来年の学生短距離界の主役候補に名乗りを上げた。
また、10秒38の2位には110mハードルが専門の樋口陸人(法大3)が食い込んだ。前日の予選では10秒31(+1.3)の自己新をマークした。
■関東インカレ1部 男子100m決勝(+2.8)
鈴木 涼太(城西大3)10.32
樋口 陸人(法大3)10.38
三浦励央奈(早大2)10.43
林 哉太(法大1)10.49
山本 未来(中大2)10.59
伊藤孝太郎(東海大4)10.64
樋口 一馬(法大4)10.67
宮本 大輔(東洋大)DNS
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