HOME 特集

2024.03.15

田中希実「みんながおぉっ!てなるスパートをしたい」自身2度目の五輪へ突き進む 国内初戦は金栗記念の予定
田中希実「みんながおぉっ!てなるスパートをしたい」自身2度目の五輪へ突き進む 国内初戦は金栗記念の予定

インタビューに応えた田中希実(New Balance)

女子1500m・5000m日本記録保持者の田中希実(New Balance)が都内で本誌のインタビューに応じた。

3月1日から3日に英国・グラスゴーで行われた世界室内選手権の3000mで日本女子初の8分40秒切りとなる8分36秒03の室内アジア記録で8位入賞を果たした田中。これで室内シーズンは一区切り。「次のシーズンに向かっていく狭間の時期」だといい、3月30日の世界クロスカントリー選手権(ベオグラード)のあと、国内合宿を経て屋外トラック初戦は金栗記念(4月13日)の1500mと800mになる見込みだ。

今年はオリンピックイヤー。19年にドーハ世界選手権で初のシニア世界大会を経験し、2021年の東京五輪では1500mで8位入賞という快挙を成し遂げた。「レース中の感覚はあまり覚えていない」と言うが、「招集の時にすごくドキドキしたのは覚えています」と振り返る。

その後、オレゴン、ブダペストと世界選手権を2度経験。さらにダイヤモンドリーグをはじめ国際レースを数多く踏んできた。「やっぱり他の選手にとってオリンピックは特別だったんだなって今になって気づけた部分があります」と言う。振り返ると、世界選手権は「ダイヤモンドリーグに近くて、ちょっとリラックスしている」表情だが、オリンピックでは「緊張した感じでした」。

そうした舞台で見てきたのが、世界トップ選手たちの圧倒的なパフォーマンス。それは、『結果』だけではない。

「理想はラストスパートになった時に、(フェイス)キピエゴン選手や、(シファン)ハッサン選手のように、勝ち負けじゃなく、みんなが『おぉーっ!』てなるようなスパートをしたいんです。その仲間に入っていくのが一番の理想です」

パリ五輪も1500mと5000mで出場を狙う。5000mは参加標準記録(14分52秒00)を突破した時点で代表に内定。1500mは参加標準記録(4分02秒50)を狙いにいく。

昨日より速く、強くなりたい。純粋なかけっこ勝負をしたい――。田中にとって“2度目のオリンピックシーズン”がもうすぐ幕を開ける。

文/向永拓史

女子1500m・5000m日本記録保持者の田中希実(New Balance)が都内で本誌のインタビューに応じた。 3月1日から3日に英国・グラスゴーで行われた世界室内選手権の3000mで日本女子初の8分40秒切りとなる8分36秒03の室内アジア記録で8位入賞を果たした田中。これで室内シーズンは一区切り。「次のシーズンに向かっていく狭間の時期」だといい、3月30日の世界クロスカントリー選手権(ベオグラード)のあと、国内合宿を経て屋外トラック初戦は金栗記念(4月13日)の1500mと800mになる見込みだ。 今年はオリンピックイヤー。19年にドーハ世界選手権で初のシニア世界大会を経験し、2021年の東京五輪では1500mで8位入賞という快挙を成し遂げた。「レース中の感覚はあまり覚えていない」と言うが、「招集の時にすごくドキドキしたのは覚えています」と振り返る。 その後、オレゴン、ブダペストと世界選手権を2度経験。さらにダイヤモンドリーグをはじめ国際レースを数多く踏んできた。「やっぱり他の選手にとってオリンピックは特別だったんだなって今になって気づけた部分があります」と言う。振り返ると、世界選手権は「ダイヤモンドリーグに近くて、ちょっとリラックスしている」表情だが、オリンピックでは「緊張した感じでした」。 そうした舞台で見てきたのが、世界トップ選手たちの圧倒的なパフォーマンス。それは、『結果』だけではない。 「理想はラストスパートになった時に、(フェイス)キピエゴン選手や、(シファン)ハッサン選手のように、勝ち負けじゃなく、みんなが『おぉーっ!』てなるようなスパートをしたいんです。その仲間に入っていくのが一番の理想です」 パリ五輪も1500mと5000mで出場を狙う。5000mは参加標準記録(14分52秒00)を突破した時点で代表に内定。1500mは参加標準記録(4分02秒50)を狙いにいく。 昨日より速く、強くなりたい。純粋なかけっこ勝負をしたい――。田中にとって“2度目のオリンピックシーズン”がもうすぐ幕を開ける。 文/向永拓史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2024.07.27

女子走幅跳・秦澄美鈴 目標は決勝進出「試合が楽しみ。自己ベストを狙っていきたい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 女子走幅跳に出場する秦澄美鈴(住友電工)は「緊張しています」と言いながらも「シーズン初めに比べて調子が上がってい […]

NEWS 混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

2024.07.27

混合競歩代表の川野将虎「自分らしい粘り強い歩きで上位を目指したい」/パリ五輪

パリ五輪・陸上競技に向けて日本代表選手団が7月27日午前、出国前に羽田空港で会見を行い、意気込みを語った。 男女混合競歩リレー代表の川野将虎(旭化成)は前回の東京大会に続くオリンピック。「前回から3年間。一つの集大成」と […]

NEWS 北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

2024.07.27

北口榛花「新たな歴史を作れるよう」田中希実「それではみんなで、よーいどん!」日本代表コメント集/パリ五輪

100年ぶりにフランス・パリを舞台に五輪が開幕した。陸上競技は8月1日から11日までの日程で行われる。開幕に合わせて日本オリンピック委員会(JOC)は日本代表の意気込みコメントを発表した。 2大会連続出場で女子主将を務め […]

NEWS 中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

2024.07.27

中大ルーキー・岡田開成が3000m7分55秒41! U20歴代4位の好タイム

7月26日、中大多摩キャンパス競技場で「Summer Night Run Festival in CHUO」が行われ、男子3000mで岡田開成(中大1)が7分55秒41とU20歴代4位のタイムをマークした。 同大会はこれ […]

NEWS 実業団 VS 大学生! 日本一を決める駅伝大会「EXPO EKIDEN 2025」の出場チーム要件決定

2024.07.26

実業団 VS 大学生! 日本一を決める駅伝大会「EXPO EKIDEN 2025」の出場チーム要件決定

7月26日、朝日放送グループホールディングスは大阪・関西万博開催を記念して実業団と大学生のトップチームがタスキをつなぐ駅伝「大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025」の大会概要を発表した。 この大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2024年8月号 (7月12日発売)

2024年8月号 (7月12日発売)

W別冊付録
パリ五輪観戦ガイド&福岡インターハイ完全ガイド

page top