HOME 高校

2023.12.24

亡きシンシア先輩のために…神村学園が涙の大逆転V!1秒差の大激戦「カロラインが主将としてまとめてくれた」/全国高校駅伝
亡きシンシア先輩のために…神村学園が涙の大逆転V!1秒差の大激戦「カロラインが主将としてまとめてくれた」/全国高校駅伝

逆転で優勝のフィニッシュテープを切った神村学園のカロライン

◇全国高校駅伝・女子第35回(12月24日/京都・たけびしスタジアム京都発着:5区間21.0975km)

高校駅伝日本一を決める全国高校駅伝が行われ、女子は前回3位の神村学園(鹿児島)が1時間7分28秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

西京極にトップで戻ってきたのは仙台育英(宮城)。それを50mほど後方から神村学園のカリバ・カロライン(3年)が追いかける。

「トラックに入って先生の声が聞こえました。いつも、自分の走りは先生の声で行けるかどうか全部わかります」

有川哲蔵監督から「カロ!行ける行ける!」という言葉に背中を押されたカロラインは、フィニッシュ手前で仙台育英を逆転し、力を使い果たして倒れ込んだ。

「プラスマイナスはありましたが、各区間、設定通り走ってくれて、4区間よくつないでくれました」と有川監督。4区までは1、2年生。瀬戸口凜(1年)が区間13位、野口紗喜音(1年)が4人抜きと、区間記録こそ、ふたケタながら着実に前を追う。

3区の黒神璃菜(2年)が区間3位の力走を見せると、続く小倉陽菜(2年)がこちらも区間3位で5人抜き。3位でタスキをカロラインにつないだ。

「60秒差だったら(逆転可能)」と有川監督。だが、実際には仙台育英から1分20秒差。「最初の3kmは優勝は頭になかった」というカロライン。残り2kmで立命館宇治をかわして2位に上がると、グングンと前を追った。

残り1km。沿道の声が聞こえた。「シンシアのために頑張って!」。力がみなぎった。

2学年上の卒業生で、日立で活動していたバイレ・シンシアさんは、今年4月、20歳の若さで病気のためこの世を去った。

「今の3年生の面倒をよく見てくれて、シンシアがカロラインを育ててくれて、カロラインが日本人選手を育ててくれました。シンシアが残してくれた財産です。見守って力を貸してくれた」(有川監督)

留学生ながらキャプテンを務めたカロライン。「区間記録と優勝が目標でした。区間記録は出せなかったですが、優勝できて良かったです」。有川監督は「1年間チームをまとめてくれましたし、本人の3年間の努力の賜物です。これをきっかけに、1、2年生が来年、再来年と連覇を目指してほしい」と目にうっすら涙を浮かべた。

たった1人での大逆転劇ではなく、チームの“キャプテン”を信頼した後輩たちが自分の持てる力を出し、タスキをつないだ、神村学園らしい駅伝が結実した。

◇全国高校駅伝・女子第35回(12月24日/京都・たけびしスタジアム京都発着:5区間21.0975km) 高校駅伝日本一を決める全国高校駅伝が行われ、女子は前回3位の神村学園(鹿児島)が1時間7分28秒で5年ぶり2度目の優勝を果たした。 西京極にトップで戻ってきたのは仙台育英(宮城)。それを50mほど後方から神村学園のカリバ・カロライン(3年)が追いかける。 「トラックに入って先生の声が聞こえました。いつも、自分の走りは先生の声で行けるかどうか全部わかります」 有川哲蔵監督から「カロ!行ける行ける!」という言葉に背中を押されたカロラインは、フィニッシュ手前で仙台育英を逆転し、力を使い果たして倒れ込んだ。 「プラスマイナスはありましたが、各区間、設定通り走ってくれて、4区間よくつないでくれました」と有川監督。4区までは1、2年生。瀬戸口凜(1年)が区間13位、野口紗喜音(1年)が4人抜きと、区間記録こそ、ふたケタながら着実に前を追う。 3区の黒神璃菜(2年)が区間3位の力走を見せると、続く小倉陽菜(2年)がこちらも区間3位で5人抜き。3位でタスキをカロラインにつないだ。 「60秒差だったら(逆転可能)」と有川監督。だが、実際には仙台育英から1分20秒差。「最初の3kmは優勝は頭になかった」というカロライン。残り2kmで立命館宇治をかわして2位に上がると、グングンと前を追った。 残り1km。沿道の声が聞こえた。「シンシアのために頑張って!」。力がみなぎった。 2学年上の卒業生で、日立で活動していたバイレ・シンシアさんは、今年4月、20歳の若さで病気のためこの世を去った。 「今の3年生の面倒をよく見てくれて、シンシアがカロラインを育ててくれて、カロラインが日本人選手を育ててくれました。シンシアが残してくれた財産です。見守って力を貸してくれた」(有川監督) 留学生ながらキャプテンを務めたカロライン。「区間記録と優勝が目標でした。区間記録は出せなかったですが、優勝できて良かったです」。有川監督は「1年間チームをまとめてくれましたし、本人の3年間の努力の賜物です。これをきっかけに、1、2年生が来年、再来年と連覇を目指してほしい」と目にうっすら涙を浮かべた。 たった1人での大逆転劇ではなく、チームの“キャプテン”を信頼した後輩たちが自分の持てる力を出し、タスキをつないだ、神村学園らしい駅伝が結実した。

都大路女子V!神村学園メンバーの個人成績

1区 瀬戸口凜(1年)  19分50秒(区間13位) 2区 野口紗喜音(1年) 13分27秒(区間14位) 3区 黒神璃菜(2年)  9分51秒(区間3位) 4区 小倉陽菜(2年)  9分30秒(区間3位) 5区 カリバ・カロライン(3年) 14分50秒(区間1位)

次ページ:

ページ: 1 2

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.03.13

アジア大会代表選考最終章 日本選手権マラソン競歩は優勝で代表内定、ハーフの能美競歩にも有力選手出場

◇第110回日本選手権マラソン競歩・能美競歩(3月15日/石川・能美) 秋に開催される名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた日本選手権マラソン競歩と全日本競歩大会が3月15日に行われる。今年から世界陸連(WA)によるルール変 […]

NEWS 日本学生女子ハーフ 名城大・村岡美玖、福岡大・宮原なな佳ら欠場

2026.03.13

日本学生女子ハーフ 名城大・村岡美玖、福岡大・宮原なな佳ら欠場

日本学生陸上競技連合は3月13日、第29回日本学生女子ハーフマラソン選手権の棄権(欠場)者を発表した。 58人がエントリーしていたが、そのうち、18人が棄権。なかには昨年秋の全日本大学女子駅伝6区区間2位と好走した村岡美 […]

NEWS 編集部コラム「日本陸上界 半世紀、四半世紀の進化」

2026.03.13

編集部コラム「日本陸上界 半世紀、四半世紀の進化」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 攻め(?)のアンダーハンド リレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃抱いている独り言、取材の裏話、どーでもいいこと […]

NEWS 丸山竜也がトヨタ自動車退部 22年加入、日本選手権5000m入賞など活躍

2026.03.13

丸山竜也がトヨタ自動車退部 22年加入、日本選手権5000m入賞など活躍

トヨタ自動車は3月13日、所属する丸山竜也が3月15日付で退部することを発表した。 丸山は千葉県出身の31歳。千葉・専大松戸高から専大に進み、箱根駅伝には関東学生連合チームで2度出場を果たしている。大学卒業後は競技から離 […]

NEWS MGCシリーズ2025-26入賞者決定 優勝は吉田祐也と佐藤早也伽 2位は大迫傑&細田あい 新人賞は矢田みくに

2026.03.13

MGCシリーズ2025-26入賞者決定 優勝は吉田祐也と佐藤早也伽 2位は大迫傑&細田あい 新人賞は矢田みくに

日本陸連は3月13日、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ2025-2026の対象大会がすべて終了したことを受けて、ポイントランキングの上位男女8位(入賞者)らを発表した。 MGCシリーズはJMCシリーズ […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年4月号 (3月13日発売)

2026年4月号 (3月13日発売)

別冊付録 記録年鑑 2025

東京マラソン、大阪マラソン、名古屋ウィメンズマラソン

page top