HOME 中学

2023.12.18

京山がトラック勝負で逆転! 「負けるのはもったいない」長原武琉が渾身のスパートで逆転/全中駅伝・男子
京山がトラック勝負で逆転! 「負けるのはもったいない」長原武琉が渾身のスパートで逆転/全中駅伝・男子

23年全中駅伝男子で優勝した京山(岡山)の長原武琉

◇第31回全国中学校駅伝(12月17日/滋賀・希望が丘文化公園、男子6区間18km、女子5区間12km)

第31回全国中学校駅伝が12月17日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催され、6区間18km(各区間3km)で争われた男子は、京山(岡山)が58分03秒で優勝。2018年の桂(京都)以来となる史上2校目の男女優勝を達成した。

午前のレースで女子が優勝したことで、「自分たちも優勝したいという気持ちが強くなりました」と4区の川本航太(3年)。良い流れをもらって、スタートラインに立つことができた。

広告の下にコンテンツが続きます

レースは1区の玉川彩人(2年)が24位と出遅れたが、「3年生の意地を見せてやろう」と2区の篠原柊(3年)が奮起。「前半から積極的なレースができたので、自分でも納得できるレースができました」と区間6位の力走で13人を抜く。

3区には全中3000m5位の実績を持つエースの鶴藤健琉(3年)を投入。「自分の走りができた」と区間賞と2秒差の区間2位と力を発揮して、順位を11位から首位の国府(山口)と4秒差の2位に押し上げた。

4区の川本は国府を捉えて先頭を引っ張るも「向かい風にやられてしまいました」と後半に苦戦。中能登(石川)と曽根(福岡)に抜かれて3位に後退してしまう。

それでも5区の竹井翔真(2年)が「最初から積極的に走れました」と区間3位の快走。前を行く2校を抜いてトップで主将の長原武琉(3年)にタスキをつなぐ。「初めて(全国大会を)走る2年生なので不安でしたが、先輩が最後ということで気持ちを出してくれたと思います」と廣川武士監督も高く評価する走りだった。

「1位でつないでくれたので、気持ちも良い感じで入れました」と長原は序盤から快調に飛ばして、後続を突き放す。だが、後半に4秒後ろでスタートした国府の追い上げを許して、勝負はトラックへ。一度は先行を許すも「トラックまで来て、負けるのはもったいない」と残り100mほどで渾身のラストスパート。再逆転してトップでゴールテープを切り、1秒差の大激戦を制した。

「エースが鶴藤で、自分はそこまで実力で引っ張れる立場じゃない」と言う長原だが、「今日はちゃんと勝ち切れたから、走りの面でもキャプテンを全うできたと思います」とこの日ばかりは胸を張った。区間賞なしで優勝を掴んだ京山。全員の力を結集した見事な軽装だった。

トラック勝負で敗れたものの、国府が前回の4位を上回る準優勝。優勝候補の一角に挙げられた中能登も3年連続入賞となる3位に続いた。

文/馬場 遼

◇第31回全国中学校駅伝(12月17日/滋賀・希望が丘文化公園、男子6区間18km、女子5区間12km) 第31回全国中学校駅伝が12月17日、滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催され、6区間18km(各区間3km)で争われた男子は、京山(岡山)が58分03秒で優勝。2018年の桂(京都)以来となる史上2校目の男女優勝を達成した。 午前のレースで女子が優勝したことで、「自分たちも優勝したいという気持ちが強くなりました」と4区の川本航太(3年)。良い流れをもらって、スタートラインに立つことができた。 レースは1区の玉川彩人(2年)が24位と出遅れたが、「3年生の意地を見せてやろう」と2区の篠原柊(3年)が奮起。「前半から積極的なレースができたので、自分でも納得できるレースができました」と区間6位の力走で13人を抜く。 3区には全中3000m5位の実績を持つエースの鶴藤健琉(3年)を投入。「自分の走りができた」と区間賞と2秒差の区間2位と力を発揮して、順位を11位から首位の国府(山口)と4秒差の2位に押し上げた。 4区の川本は国府を捉えて先頭を引っ張るも「向かい風にやられてしまいました」と後半に苦戦。中能登(石川)と曽根(福岡)に抜かれて3位に後退してしまう。 それでも5区の竹井翔真(2年)が「最初から積極的に走れました」と区間3位の快走。前を行く2校を抜いてトップで主将の長原武琉(3年)にタスキをつなぐ。「初めて(全国大会を)走る2年生なので不安でしたが、先輩が最後ということで気持ちを出してくれたと思います」と廣川武士監督も高く評価する走りだった。 「1位でつないでくれたので、気持ちも良い感じで入れました」と長原は序盤から快調に飛ばして、後続を突き放す。だが、後半に4秒後ろでスタートした国府の追い上げを許して、勝負はトラックへ。一度は先行を許すも「トラックまで来て、負けるのはもったいない」と残り100mほどで渾身のラストスパート。再逆転してトップでゴールテープを切り、1秒差の大激戦を制した。 「エースが鶴藤で、自分はそこまで実力で引っ張れる立場じゃない」と言う長原だが、「今日はちゃんと勝ち切れたから、走りの面でもキャプテンを全うできたと思います」とこの日ばかりは胸を張った。区間賞なしで優勝を掴んだ京山。全員の力を結集した見事な軽装だった。 トラック勝負で敗れたものの、国府が前回の4位を上回る準優勝。優勝候補の一角に挙げられた中能登も3年連続入賞となる3位に続いた。 文/馬場 遼

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.12.12

國學院大がライフネット生命とスポンサーシップ契約「箱根路で最高の景色を見せられるよう邁進」

ライフネット生命保険株式会社は12月12日、昨年から結んでいる國學院大陸上競技部とのスポンサーシップ契約を延長したと発表した。 2008年に開業したライフネット生命は、オンライン生保のリーディングカンパニーとして知られる […]

NEWS 全中3000mV出田隆之助擁する中京、前回8位の大淀、戦力充実の稲美北、常盤松などが有力  14日に中学駅伝日本一決定戦/全中駅伝男子展望

2025.12.12

全中3000mV出田隆之助擁する中京、前回8位の大淀、戦力充実の稲美北、常盤松などが有力 14日に中学駅伝日本一決定戦/全中駅伝男子展望

第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]

NEWS 京山が3連覇に向けて前進 東北勢初のトップ3目指す黒石野、初出場の男山三、鶴ヶ島藤が上位候補/全中駅伝女子展望

2025.12.12

京山が3連覇に向けて前進 東北勢初のトップ3目指す黒石野、初出場の男山三、鶴ヶ島藤が上位候補/全中駅伝女子展望

第33回全国中学校駅伝が、12月14日に滋賀県の野洲市と湖南市にまたがる希望が丘文化公園で開催される。 男子6区間18km、女子5区間12kmのコースに、各都道府県代表に開催地枠を加えた男女それぞれ48チームが出場し、中 […]

NEWS 豪州で18歳・ビークロフトが10000m競歩38分02秒68のU20世界新

2025.12.12

豪州で18歳・ビークロフトが10000m競歩38分02秒68のU20世界新

12月11日、豪州シドニーで、ニューサウスウェールズ州10000m競歩選手権が行われ、I.ビークロフト(豪州)が38分02秒68のU20世界新記録をマークした。 ビークロフトは2007年生まれの18歳。競歩選手だった父の […]

NEWS 箱根駅伝初Vへ國學院大・前田康弘監督「ジョーカーにどう立ち向かっていくか」 主将・上原琉翔「先頭でタスキを」

2025.12.12

箱根駅伝初Vへ國學院大・前田康弘監督「ジョーカーにどう立ち向かっていくか」 主将・上原琉翔「先頭でタスキを」

第102回箱根駅伝で初優勝を狙う國學院大が12月12日、都内の渋谷キャンパスで壮行会と記者会見を開いた。 例年の合同による囲み取材形式から急遽、記者会見方式への変更。前田康弘監督は「今年は今のところ16人全員が元気で良い […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top