2023.12.07
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの)
第13回(1932年/昭和7年)
5000m日本記録保持者の慶大・北本正路が激走 往路初Vの日大はあとわずかで涙
前年出場校のうち東農大が出場を取り止め、関西から出場した関大を含む9校で行われた。第1回大会に出場した学校で、ただ1校優勝経験のなかった慶大が悲願の初優勝を果たした。
レース序盤は中大が先行する。1区・佐藤昇、2区・今岡悟郎が立て続けに区間新記録をマークし、2位の慶大と3分57秒差の独走態勢を築いた。
3区から追い上げたのが日大。森本一徳が区間新記録の快走で4位から2位に順位を上げると、4区の大木慶男も区間賞で中大を抜いて先頭に立つ。5区の曽根茂も区間1位の快走でリードを広げ、11回目の出場にして初の往路優勝に輝いた。2位は5区で順位を1つ上げた慶大が入ったものの、日大とは6分59秒差をつけられた。
復路でも日大は大崩れすることなく首位を守る。その中で追い上げたのが往路3位の早大。7区の角谷保次が区間賞の走りで慶大を追い抜くと、8区の中田正男も区間トップでつなぎ、日大との差を6分2秒まで詰めた。
一方、慶大は7区を終えた時点で日大と11分11秒差の3位に沈んだが、8区から反撃を開始する。竹中正一郎が区間2位、9区・久武親人が区間賞で盛り返す。それでも鶴見では日大と6分29秒の差があった。
慶大の10区を任されたのは5000mの日本記録保持者で、7ヵ月後のロサンゼルス五輪の10000m代表となる北本正路。北本は六郷橋で早稲田をとらえて2位に上がると、日大を猛追。蒲田で4分差、北品川で2分差と追い詰めると、増上寺の山門前でとうとうトップを奪った。見事な大逆転劇で慶大が総合優勝。2位は日大で1分35秒差、3位の早大も日大から1分23秒差と三つ巴の好勝負だった。
参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
第13回(1932年/昭和7年) 5000m日本記録保持者の慶大・北本正路が激走 往路初Vの日大はあとわずかで涙
前年出場校のうち東農大が出場を取り止め、関西から出場した関大を含む9校で行われた。第1回大会に出場した学校で、ただ1校優勝経験のなかった慶大が悲願の初優勝を果たした。 レース序盤は中大が先行する。1区・佐藤昇、2区・今岡悟郎が立て続けに区間新記録をマークし、2位の慶大と3分57秒差の独走態勢を築いた。 3区から追い上げたのが日大。森本一徳が区間新記録の快走で4位から2位に順位を上げると、4区の大木慶男も区間賞で中大を抜いて先頭に立つ。5区の曽根茂も区間1位の快走でリードを広げ、11回目の出場にして初の往路優勝に輝いた。2位は5区で順位を1つ上げた慶大が入ったものの、日大とは6分59秒差をつけられた。 復路でも日大は大崩れすることなく首位を守る。その中で追い上げたのが往路3位の早大。7区の角谷保次が区間賞の走りで慶大を追い抜くと、8区の中田正男も区間トップでつなぎ、日大との差を6分2秒まで詰めた。 一方、慶大は7区を終えた時点で日大と11分11秒差の3位に沈んだが、8区から反撃を開始する。竹中正一郎が区間2位、9区・久武親人が区間賞で盛り返す。それでも鶴見では日大と6分29秒の差があった。 慶大の10区を任されたのは5000mの日本記録保持者で、7ヵ月後のロサンゼルス五輪の10000m代表となる北本正路。北本は六郷橋で早稲田をとらえて2位に上がると、日大を猛追。蒲田で4分差、北品川で2分差と追い詰めると、増上寺の山門前でとうとうトップを奪った。見事な大逆転劇で慶大が総合優勝。2位は日大で1分35秒差、3位の早大も日大から1分23秒差と三つ巴の好勝負だった。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)第13回箱根駅伝総合成績をチェック
●総合成績 1位 慶大 13時間17分49秒 2位 日大 13時間19分24秒 3位 早大 13時間20分47秒 4位 法大 13時間55分42秒 5位 中大 14時間00分43秒 6位 東京文理科大 14時間06分42秒 7位 日本歯科医専 14時間39分24秒 8位 関大 15時間07分36秒 9位 明大 15時間45分37秒 ●区間賞 1区 佐藤昇(中大) 1時間13分45秒 2区 今岡悟郎(中大) 1時間09分31秒 3区 森本一徳(日大) 1時間14分20秒 4区 大木慶男(日大) 1時間14分41秒 5区 曽根茂(日大) 1時間40分03秒 6区 片渕昇(明大) 1時間19分28秒 7区 角谷保次(早大) 1時間14分01秒 8区 中田正男(早大) 1時間17分19秒 9区 久武親人(慶大) 1時間13分13秒 10区 北本正路(慶大) 1時間13分31秒
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.07.05
2025.07.02
HOKAの新作レーシングシューズ「ROCKET X 3」が7月2日に新登場!
-
2025.07.05
-
2025.07.01
-
2025.07.04
-
2025.06.17
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.05
新潟医療福祉大14年連続全国へ 5000mレースで清水杏夏筆頭に上位ほぼ独占/全日本大学女子駅伝北信越地区選考会
第43回全日本大学女子駅伝対校選手権北信越地区選考会が7月5日、長野県佐久市の佐久総合運動公園陸上競技場で行われ、新潟医療福祉大がトップとなり、14年連続14回目となる本大会の出場権を獲得した。 北信越地区からの全国大会 […]
2025.07.05
信州大が4大会ぶり16回目の伊勢路へ! 初の出場枠2・出雲駅伝は信州大と新潟大が出場権獲得/全日本大学駅伝北信越選考会
秩父宮賜杯第57回全日本大学駅伝の北信越地区選考会は7月5日、長野・佐久総合運動公園陸上競技場で行われ、信州大が4時間15分59秒69で4大会連続16回目の本大会出場を決めた。 選考会には6校が出場し、各校最大10人がエ […]
2025.07.05
やり投・ディーン元気13年ぶり自己新84m66!同期・新井涼平と交わした約束果たし「メモリアルな1投」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子やり投でディーン元気(ミズノ)が84m66で2位に入った。 広告の下にコンテンツが続きます 同 […]
2025.07.05
札幌学大が4年ぶり3回目、北大が4年ぶり2回目の出場権獲得!/出雲駅伝北海道予選会
7月5日、札幌円山競技場で第37回出雲大学選抜駅伝の北海道地区予選会が行われ、札幌学大と北大が本戦の出場権を獲得した。 出雲駅伝の出場枠は前年度の大会成績によって振り分けられ、24年出雲駅伝で北海道学連選抜が14位に入っ […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会