2023.10.23
◇第17回U18・第57回U16陸上大会(10月20日~22日/愛媛・県総合運動公園陸上競技場)
秋晴れに恵まれたジュニア五輪を兼ねた第17回U18・第54回U16陸上大会の最終日。合わせて12種目の決勝が行われ、中学最高を含め3種目で大会記録が更新されるなど盛況だった。なかでも会場を沸かせたのがU16男子走高跳の清水怜修(毛呂山中3埼玉)。自己ベストを4cm上回る中学歴代7位タイとなる2m05を1発でクリアし、同じ舞台で行われた全中に続くタイトルを手にした。
2012年に平塚玄空(浅草中)が跳んで以来となる中学生の2m05オーバーに、「埼玉県中学記録、大会記録がともに2m04だったので、2m05を跳べば両方越えられると思っていました。それが達成できてうれしいです。中3になってから全中、U16優勝と2m05が目標だったので夢が叶いました」と笑顔が弾けた。
全中の際には2m00に終わっていただけに、「全中は大会最終日の最終種目でスタンドもガラガラで、雨などコンディションも悪かった。ですが、今回は天候にも恵まれ、スタンドにもたくさん観客がいて、気持ちを盛り上げることができ、本番に強い持ち味を生かせた」と、2m05の際にはスタンドに手拍子を求め、大声援を力に変え見事クリアしてみせた。
1m80、85、88をパスし、1m91から跳び始めた清水。「前半の待ち時間で身体が冷えないよう工夫した」と、1m91、94、97、そして2m00も1発で越えるなど動きの良さが際立っていた。
「全中でも2m00を超えると踏み切りが近く、高さが出ない課題があったので、高さに対応するため遠くから踏み切り、跳躍に幅が出るよう取り組んできた成果が出せた」と自己ベストの2m03も2回目に悠々とクリア。「良い雰囲気のなか、良い流れで臨めた」と、2m05の会心のジャンプにつなげた。
続く初チャレンジとなった中学歴代2位の2m08は失敗に終わったものの、2回目は高さは出ており、「越えたと思いましたが、クリアランスで脚が触れてしまった」と悔しがった。
173cmとハイジャンパーとしては小柄だが、キレのある助走と天性のバネが持ち味。憧れの選手に181㎝ながら2m40のベストを持つアテネ五輪金メダリストのステファン・ホルム(スウェーデン)を挙げる。自身もこれで頭上32cmをクリア。中学2冠を果たし、「自信になる」と胸を張った。高校でも競技を続ける予定で、「冬期練習でさらに走力を鍛え、高校でも1年目からインターハイ優勝を目指し頑張りたい」と目を輝かせた。
続くU18男子走高跳でも、清水のジャンプに刺激され、中学生に負けじと高校生が奮起。インターハイ9位、国体5位の中谷魁聖(福岡第一高2福岡)が自己ベストを一気に8cm更新する高2歴代5位タイとなる2m16の大会新記録でVを果たし高校生の貫禄を示した。
これで全日程が終了。3日間でU18日本新が1種目、中学最高1種目を含め9種目で大会記録が更新されるなど活気あふれる大会となった。2024年は舞台を松山から伊勢(三重)に移し開催される。
文/花木 雫
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking 人気記事ランキング
2024.05.03
パリ五輪へ!日本選手権10000m、今日静岡で号砲 男子は塩尻、太田、相澤の三つ巴か
-
2024.05.02
2024.04.26
やり投・北口榛花 五輪シーズン初戦へ「結果がどうであれ次につなげられれば」/DL蘇州
-
2024.04.29
-
2024.04.29
2024.04.12
40年以上の人気シューズ”ペガサス”シリーズの最新作!「ナイキ ペガサス 41」が登場!
-
2024.04.26
-
2024.04.07
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2024.05.03
パリ五輪へ!日本選手権10000m、今日静岡で号砲 男子は塩尻、太田、相澤の三つ巴か
◇第108回日本選手権10000m(5月3日/小笠山総合運動公園静岡スタジアム) パリ五輪代表選考会となる第108回日本選手権10000mが5月3日に静岡・エコパで行われる。日本GPシリーズの静岡国際の後に開催となるのは […]
2024.05.02
栗原啓吾が富士山の銘水に加入 「新たな環境で陸上を続けられる感謝を忘れず」 3月にSUBARUを退社
富士山の銘水は、5月1日付で栗原啓吾が入社したことを発表した。 栗原は群馬県出身。東農大二高時代に3年連続で全国高校駅伝の4区を走るなど活躍し、中央学大では1、2、4年時に箱根駅伝に出場。2年時には1区でトップと13秒差 […]
2024.05.02
単独インタビュー「私は田中希実ですと自信を持って言えるようになった」プロ1年目の総括と思い描くパリでのレース
昨年4月、田中希実は実業団チームを離れて「New Balance」所属の“プロランナー”としてのキャリアをスタートさせた。 プロとして駆け抜けた1年。ブダペスト世界選手権では5000m8位入賞し、ダイヤモンドリーグ(DL […]
2024.05.02
塩尻和也、太田智樹、相澤晃がパリ五輪に近づくか!?田澤が欠場、次の勢力は!?/日本選手権10000m
パリ五輪代表選考会となる第108回日本選手権10000mが5月3日に静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアムで行われる。男子の有力選手を見ていこう。 【女子のみどころ】3連覇中の本命・廣中が不在 小海遥、五島莉乃、高島由香 […]
Latest Issue 最新号
2024年5月号 (4月12日発売)
パリ五輪イヤー開幕!