◇ブダペスト世界陸上(8月19日~27日/ハンガリー・ブダペスト)3日目
ブダペスト世界陸上3日目のアフタヌーンセッションが行われ、男子110mハードルではグラント・ホロウェイ(米国)が12秒96(±0)と、ただ一人12秒台をマークして3連覇を飾った。
ホロウェイは前日の予選から13秒18(-0.6)でパスすると、決勝の90分前に行われた準決勝も13秒02(-0.2)で通過。いずれも全体のトップタイムと、充実ぶりは際立っていた。
今季のホロウェイは棄権した全米選手権決勝を除き、7戦6勝。その唯一の敗戦となった5月のダイヤモンドリーグ・ラバト大会でホロウェイに勝利し、7月には世界トップタイムの12秒94を出していたラシード・ブロードベル(ジャマイカ)は予選で転倒。もはやホロウェイの存在を脅かすライバルはいなかった。
スタートの力強いダッシュで1台目のハードルからリードを奪うと、あとは1台ごとにリードを広げる強さを見せて独走状態に。最後まで危なげない走りを見せると、2位のハンズル・パーチメント(ジャマイカ)に0.11秒の大差をつけての圧勝。3位にはホロウェイの大学時代からのチームメイトでもあるダニエル・ロバーツ(米国)が入った。
レース後のインタビューでは「初優勝したときのような感慨はないが、今回の優勝は間違いなく心の中で大切にしたい」と語ったホロウェイ。ベスト記録は世界歴代2位の12秒81で、室内60mハードルでは7秒29の世界記録を持つ。走幅跳でも8m17の身体能力を生かした爆発力が武器だ。
大会3連覇は、第1回から第3回大会までを制し、今年2月に亡くなったグレッグ・フォスター(米国)に次ぐ史上2人目の快挙。25歳にして3度目の世界チャンピオンとなり、まさに“ホロウェイ時代”を謳歌する。残るターゲットは12秒80の世界記録の更新と五輪での金メダルとなった。
「自分の持ち味は走りが変わらないこと。一番大事なことは、トラックに入る前に『自分がどう走れるか』を知っていることだ」。来年のパリでは、2つの偉業に挑戦する。
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