2022.06.18
◇インターハイ近畿大会(6月16日~19日/奈良市)
徳島インターハイ出場を懸けた近畿大会の2日目、男子1500mは長嶋幸宝(西脇工3兵庫)が圧巻の走りを披露した。
予選、決勝を通じ合わせて10人が3分50秒を切る地区予選とは思えない大激戦。終始レースを引っ張った長嶋が3分46秒86の好タイムで逃げ切り勝ちを果たした。
入りの400mを58秒、続く800mを2分00秒で通過。「2~3周目が少し緩んだのが反省点」と話すように1200mの通過が3分03秒とややペースが落ちるも、この時点で先頭集団は6人に絞られることに。2m前後の強い風が吹く悪コンディションだったこともあり「長嶋のペースが落ちていたので勝てると思った」と、残り300m過ぎに昨秋の近畿ユースを制している安原海晴(滋賀学園3)が前に出ようとするも、「最後まで先頭を譲るつもりはありませんでした。今日(6月17日)が誕生日なので、その意味でも絶対負けられなかった」と、長嶋が再度ギアを上げ後続を振り切った。
3組4着+3で行われた前日の予選でもスタート直後から先頭に立ち、400mを59秒、800mを2分01秒のハイラップを刻むも「900mを過ぎたコーナーで後続を確認したら大きな集団だったので、さすがに近畿はレベルが高いと思いました」(長嶋)と振り返るようにトップ通過の長嶋が3分47秒48、3分48秒97で6位の近森遥斗(智辯カレッジ3奈良)までが3分49秒を切るハイレベルなレースとなった。
昨年のインターハイ4位、3分44秒87の高2歴代2位のベストを持つ長嶋でも、「予想以上にレベルが高かったので緊張もあり、レース前の流しでも少し脚が重く感じた」とプレッシャーを感じていた。それらを跳ねのけての優勝に「自己ベスト、佐藤さん(圭汰・洛南/現・駒大)の大会記録(3分43秒54)の更新が目標でしたが届きませんでした。それでもチームメイトの藤田(大智、3年)と一緒にインターハイに行けるのはうれしい」と笑顔を見せる。
最後まで長嶋に食らいついた安原が3分47秒53で2位、前日の予選で長嶋に続く3分47秒70の自己ベストをマークしていた乙守勇志(大阪3)が0.60秒差の3位。予選・決勝と2レース続けて3分50秒を切ったのは長嶋と乙守のみ。速さ以上に強さが必要となるインターハイ路線で、その過酷さが示される結果となった。
男子1500m決勝 全国大会進出の6名
1位:3分46秒86 長嶋幸宝(西脇工3兵庫)
2位:3分47秒53 安原海晴(滋賀学園3滋賀)
3位:3分48秒13 乙守勇志(大阪3大阪)
4位:3分48秒19 嘉良戸翔太(洛南3京都)
5位:3分49秒40 藤田大智(西脇工3兵庫)
6位:3分49秒85 田井中悠成(滋賀学園3滋賀)
男子棒高跳は、大会記録を12㎝更新する5m23の高校歴代10位タイ、大阪高校新記録をマークした渡邉瑛斗(大塚3)が初V、女子100mは前日の400mを制していた児島柚月(西京3京都)が12秒02(-1.9)で競り勝ちスプリント2冠を達成。男子円盤投もハンマー投に続き山口翔輝夜(社3兵庫)が51m46で2位以下に5m以上の大差を付け圧勝を飾り二冠を飾った。
男女の4×100mリレーでも好記録が誕生。男子は、予選・準決勝と40秒0台(03、06)を連発していた洛南(京都)が40秒13で5年ぶり9度目のV、女子は京都橘(京都)が45秒73の大会新記録で4年ぶり5度目の頂点に立った。
地区大会は全11地区で開催。各種目上位6名(競歩、女子棒高跳、三段跳、ハンマー投は上位4位、混成は3位+各地区4~6位の記録上位5名)が全国大会に出場。インターハイは8月3日から7日まで徳島県で開催される。
◇近畿大会2日目までの優勝者一覧
男子
100m 大石凌功(洛南3京都)10秒59(-1.5)
400m 林申雅(大塚3大阪)48秒10
1500m 長嶋幸宝(西脇工3兵庫)3分46秒86
4×100mR 洛南(京都)40秒13
棒高跳 渡邉瑛斗(大塚3大阪)5m23=大会新
走幅跳 吉田正道(姫路商3兵庫)7m47(-0.6)
円盤投 山口翔輝夜(社3兵庫)51m46
ハンマー投 山口翔輝夜(社3兵庫)64m51
八種競技 前田和希(紀央館3和歌山)5404点
女子
100m 児島柚月(西京3京都)12秒02(-1.9)
400m 児島柚月(西京3京都)54秒12
1500m 水本佳菜(薫英女学院3大阪)4分18秒44
4×100mR 京都橘 45秒73=大会新
走高跳 山下愛生(北摂三田3)1m74
走幅跳 辻杏樹(草津東3滋賀)5m74(-1.7)
円盤投 阪本海月華(紀央館3和歌山)42m49
ハンマー投 嶋本美海(添上2奈良)51m32
文/花木 雫

|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
2025.05.01
九電工にケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが加入 ハーフマラソンなどロードが主戦場
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
-
2025.04.30
2025.04.29
100mH田中佑美が予選トップ通過も決勝棄権「故障ではない」昨年の結婚も明かす/織田記念
-
2025.04.28
-
2025.04.26
2025.04.12
3位の吉居大和は涙「想像していなかったくらい悔しい」/日本選手権10000m
-
2025.04.01
-
2025.04.12
-
2025.04.12
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2022.12.20
-
2023.04.01
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.05.01
東京メトロに伊東明日香が入部 「競技が続けられる環境があることに感謝」
東京メトロは5月1日、伊東明日香が入部したと発表した。今年3月31日に埼玉医科大グループを退部していた。 伊東は東京・順天高時代から全国高校駅伝に出場。東洋大進学後は全日本女子大学駅伝や富士山女子駅伝など全国大会に出走し […]
2025.05.01
九電工にケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが加入 ハーフマラソンなどロードが主戦場
九電工は5月1日、ケニア出身のキプンゲノ・ニアマイアが同日付で加入したと発表した。 ニアマイアはケリンゲット高出身の27歳。ハーフマラソンや10kmなどロードレースを主戦場としている。自己ベストは5000m13分57秒3 […]
2025.05.01
アディダスによるスポーツを通じたグローバルムーブメント「MOVE FOR THE PLANET」が今年も開催!
アディダス ジャパンは、未来のスポーツ環境を支えるためのグローバルムーブメント「MOVE FOR THE PLANET(ムーブ・フォー・ザ・プラネット)」を5月12日~25日まで開催することを発表した。5月12日の計測開 […]
2025.04.30
【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」
山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]
Latest Issue
最新号

2025年4月号 (3月14日発売)
東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL)
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)