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2021.12.04

110mH泉谷駿介「五輪の悔しさ噛みしめて練習」スピード強化して世界のファイナル目指す
110mH泉谷駿介「五輪の悔しさ噛みしめて練習」スピード強化して世界のファイナル目指す


東京五輪男子110mハードル代表で、13秒06の日本記録を持つ泉谷駿介(順大)が日本学連の栄章贈与式(12月4日、都内)に出席して日本記録樹立を表彰された。今季の振り返りと現状について話しを聞いた。

――日本記録樹立者としての表彰、おめでとうございます。
泉谷 ありがとうございます。こんなに記録が出たんだな、という思いがあります。順調に、いいシーズンを過ごすことができました。

――6月の日本選手権で13秒06の日本新記録樹立、東京五輪では準決勝進出と大活躍だった2021年シーズンを振り返っていかがですか。
泉谷 日本選手権は(五輪代表入りを懸けた)ものすごい緊張感があったからこそ、あの記録が出せたのだと思っています。オリンピックでは準決勝で脚を(ハードルに)ぶつけて実力を出し切れませんでした。アベレージで13秒1や2を出していかないといけないと感じましたし、今は悔しい思いを噛みしめながらトレーニングをしています。

――冬季トレーニングのテーマは?
泉谷 トレーナーさんについてもらって、身体の可動域など基礎から作り直していこうと思っています。僕は肩甲骨の動きが硬いので、そこをほぐすトレーニングだったり、体幹だったり。今は週2回ぐらいですが、これまでやったことのないトレーニングなので楽しみながら取り組めています。それ以外は、これまで通り学生の間は基礎体力の向上を目指して取り組んでいます。

――学生生活もあと少しです。4年間を振り返っていただけますか。
泉谷 あっという間で、陸上ばかりの4年間でした。一番の思い出としてパッと思い浮かぶのは、1年の時の関東インカレ。決勝で転倒してしまったことです。ケガなどいろいろありましたが、調子がいい時も悪い時も、安定して記録を出すことの大切さを学びました。

――来シーズンや今後に向けての目標を教えてください。
泉谷 これから世界大会が続くので、しっかりとハードルの記録を出していきたいです。東京五輪で果たせなかったファイナリストにもなりたいです。そのためにも、来年は100mの記録も短縮していきたいですし、スピードがもっと必要だと思っています。跳躍種目も世界大会が終わった後の秋などに取り組んでいきたいと思っています。

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――記録更新への手応えは?
泉谷 13秒06の感覚は今も残っているんです。でも、まずは13秒2や13秒1を安定して出していくことを目指して頑張ります。

泉谷駿介(いずみや・しゅんすけ)/2000年1月26日生まれ。神奈川県出身。緑が丘中→武相高(神奈川)→順大。高校までは八種競技と三段跳がメインながら110mハードルで13秒93をマーク。順大では110mハードルで頭角を現し、19年には当時日本タイ記録(13秒36)を出し、ドーハ世界選手権代表に(欠場)。今年6月の日本選手権で13秒06の日本新。東京五輪では準決勝に進出した。自己ベストは110mハードル13秒06(日本記録)のほか、走幅跳7m92、三段跳16m08を持つ。

構成/小川雅生

東京五輪男子110mハードル代表で、13秒06の日本記録を持つ泉谷駿介(順大)が日本学連の栄章贈与式(12月4日、都内)に出席して日本記録樹立を表彰された。今季の振り返りと現状について話しを聞いた。 ――日本記録樹立者としての表彰、おめでとうございます。 泉谷 ありがとうございます。こんなに記録が出たんだな、という思いがあります。順調に、いいシーズンを過ごすことができました。 ――6月の日本選手権で13秒06の日本新記録樹立、東京五輪では準決勝進出と大活躍だった2021年シーズンを振り返っていかがですか。 泉谷 日本選手権は(五輪代表入りを懸けた)ものすごい緊張感があったからこそ、あの記録が出せたのだと思っています。オリンピックでは準決勝で脚を(ハードルに)ぶつけて実力を出し切れませんでした。アベレージで13秒1や2を出していかないといけないと感じましたし、今は悔しい思いを噛みしめながらトレーニングをしています。 ――冬季トレーニングのテーマは? 泉谷 トレーナーさんについてもらって、身体の可動域など基礎から作り直していこうと思っています。僕は肩甲骨の動きが硬いので、そこをほぐすトレーニングだったり、体幹だったり。今は週2回ぐらいですが、これまでやったことのないトレーニングなので楽しみながら取り組めています。それ以外は、これまで通り学生の間は基礎体力の向上を目指して取り組んでいます。 ――学生生活もあと少しです。4年間を振り返っていただけますか。 泉谷 あっという間で、陸上ばかりの4年間でした。一番の思い出としてパッと思い浮かぶのは、1年の時の関東インカレ。決勝で転倒してしまったことです。ケガなどいろいろありましたが、調子がいい時も悪い時も、安定して記録を出すことの大切さを学びました。 ――来シーズンや今後に向けての目標を教えてください。 泉谷 これから世界大会が続くので、しっかりとハードルの記録を出していきたいです。東京五輪で果たせなかったファイナリストにもなりたいです。そのためにも、来年は100mの記録も短縮していきたいですし、スピードがもっと必要だと思っています。跳躍種目も世界大会が終わった後の秋などに取り組んでいきたいと思っています。 ――記録更新への手応えは? 泉谷 13秒06の感覚は今も残っているんです。でも、まずは13秒2や13秒1を安定して出していくことを目指して頑張ります。 泉谷駿介(いずみや・しゅんすけ)/2000年1月26日生まれ。神奈川県出身。緑が丘中→武相高(神奈川)→順大。高校までは八種競技と三段跳がメインながら110mハードルで13秒93をマーク。順大では110mハードルで頭角を現し、19年には当時日本タイ記録(13秒36)を出し、ドーハ世界選手権代表に(欠場)。今年6月の日本選手権で13秒06の日本新。東京五輪では準決勝に進出した。自己ベストは110mハードル13秒06(日本記録)のほか、走幅跳7m92、三段跳16m08を持つ。 構成/小川雅生

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