HOME 国内、大学

2021.09.19

伊藤陸 三段跳で学生初の17m!41年ぶり圧巻の跳躍2冠/日本IC
伊藤陸  三段跳で学生初の17m!41年ぶり圧巻の跳躍2冠/日本IC


◇日本インカレ(9月17~19日/埼玉・熊谷スポーツ公園)3日目

第90回日本インカレ、初日の走幅跳を学生歴代10位の8m05(+0.8)で制した伊藤陸(近大高専6)が、最終日には三段跳でビッグパフォーマンスを披露した。

広告の下にコンテンツが続きます

1回目に自己ベストとなる16m51(+1.6)をマークすると、3回目の跳躍後にはガッツポーズが飛び出した。記録は学生歴代5位となる16m82(+0.7)。大会記録まで10cmと迫った。

ドラマはこれで終わらない。4回目の跳躍後には首をかしげたが、計測後にどよめきが起きる。記録は学生初の大台突破となる17m00(+1.3)。日本歴代3位の好記録が誕生した瞬間だった。

「3回目は速度があって、自分が今日跳べたらいいかなという記録(16m後半)が出そうでした。でも4回目はたぶん板を踏んでいない感じだったんです」

日本人3人目の17m台は『予想外』のところから飛び出したと言ってもいいだろう。それでも今回の日本インカレに向けては三段跳に重点を置いて取り組んできたといい、その成果を存分に発揮した。

広告の下にコンテンツが続きます

「ホップ・ステップの距離で11mを超えるのをひとつの目標にしていたんです。3回目は超えることができなかったんですけど、ジャンプがいいかたちでした。今回目指していたステップまでに11mを超えられたのが、4回目の跳躍だったと思います」

昨年はU20日本記録の16m35で優勝して、今年は17m00の学生記録で連覇。来年のユージン世界選手権の参加標準記録(17m14)にもグンと近づいたことになる。さらに中西正美(日体大)以来、41年ぶりとなる走幅跳・三段跳の2冠を達成した。

「両種目で大台に乗せられたのは良かったです。でも世界で戦うためには今の日本の基準ではなくて、もっと上を見ないといけないと思っています。今後も2種目で挑戦する気持ちを曲げるつもりはありません。三段跳はいつでも17mを跳べられるような実力をまずつけたいですね。世界大会に出たことがないので、早く経験して、3年後のパリ五輪をひとつの大きな目標にしたいと思います」

リオ五輪に代表を送り込んでからの5年間、やや記録が停滞気味だった三段跳。歴史を切り開いてきた伊藤の活躍は、日本陸上界の未来を変えるかもしれない。

◇日本インカレ(9月17~19日/埼玉・熊谷スポーツ公園)3日目 第90回日本インカレ、初日の走幅跳を学生歴代10位の8m05(+0.8)で制した伊藤陸(近大高専6)が、最終日には三段跳でビッグパフォーマンスを披露した。 1回目に自己ベストとなる16m51(+1.6)をマークすると、3回目の跳躍後にはガッツポーズが飛び出した。記録は学生歴代5位となる16m82(+0.7)。大会記録まで10cmと迫った。 ドラマはこれで終わらない。4回目の跳躍後には首をかしげたが、計測後にどよめきが起きる。記録は学生初の大台突破となる17m00(+1.3)。日本歴代3位の好記録が誕生した瞬間だった。 「3回目は速度があって、自分が今日跳べたらいいかなという記録(16m後半)が出そうでした。でも4回目はたぶん板を踏んでいない感じだったんです」 日本人3人目の17m台は『予想外』のところから飛び出したと言ってもいいだろう。それでも今回の日本インカレに向けては三段跳に重点を置いて取り組んできたといい、その成果を存分に発揮した。 「ホップ・ステップの距離で11mを超えるのをひとつの目標にしていたんです。3回目は超えることができなかったんですけど、ジャンプがいいかたちでした。今回目指していたステップまでに11mを超えられたのが、4回目の跳躍だったと思います」 昨年はU20日本記録の16m35で優勝して、今年は17m00の学生記録で連覇。来年のユージン世界選手権の参加標準記録(17m14)にもグンと近づいたことになる。さらに中西正美(日体大)以来、41年ぶりとなる走幅跳・三段跳の2冠を達成した。 「両種目で大台に乗せられたのは良かったです。でも世界で戦うためには今の日本の基準ではなくて、もっと上を見ないといけないと思っています。今後も2種目で挑戦する気持ちを曲げるつもりはありません。三段跳はいつでも17mを跳べられるような実力をまずつけたいですね。世界大会に出たことがないので、早く経験して、3年後のパリ五輪をひとつの大きな目標にしたいと思います」 リオ五輪に代表を送り込んでからの5年間、やや記録が停滞気味だった三段跳。歴史を切り開いてきた伊藤の活躍は、日本陸上界の未来を変えるかもしれない。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.06.15

編集部コラム「私のインターハイ地区大会」

毎週金曜日更新!? ★月陸編集部★ 広告の下にコンテンツが続きます 攻め(?)のアンダーハンドリレーコラム🔥 毎週金曜日(できる限り!)、月刊陸上競技の編集部員がコラムをアップ! 陸上界への熱い想い、日頃 […]

NEWS NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

2025.06.15

NCG5000mはアジア選手権5位・荒井七海が13分47秒58で日本人トップ!東海大・永本脩が学生トップ/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)の2日目が6月15日に行われ、最終種目のNCG男子5000mはB.キプトゥー(麗澤大)が13分46秒77で1着を占め […]

NEWS 小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

2025.06.15

小原響が3000m障害で8分22秒64の日本歴代8位!セイコーGGPに続く自己新マーク

6月14日に米国・ポートランドで行われたポートランド・トラックフェスティバルの男子3000m障害で、小原響(GMOインターネットグループ)が日本歴代8位の8分22秒64をマークした。 大会は世界陸連コンチネンタルツアー・ […]

NEWS 久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

2025.06.15

久保凛が800m2分02秒76の大会新でV3!! 1500mと2年連続2冠「チームへの貢献を考えていた」/IH近畿

◇インターハイ近畿地区大会(6月12~15日/京都市・たけびしスタジアム京都)4日目 広島インターハイを懸けた近畿地区大会の4日目が行われ、女子800mは久保凛(東大阪大敬愛3大阪)が昨年自らがマークした大会記録を0.7 […]

NEWS 青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

2025.06.15

青学大・塩出翔太が10000m28分55秒81の自己新!800mは金子1分46秒59、日本インカレ400m2連覇の田邉1分48秒16/日体大長距離競技会

第322回日本体育大学長距離競技会兼第16回NITTAIDAI Challenge Games(NDG)の1日目が6月14日に行われ、雨のなか、各組で好レースが繰り広げられた。 男子10000mでは2組で1着(28分53 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年7月号 (6月13日発売)

2025年7月号 (6月13日発売)

詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会

page top