2021.06.24

連載40区
「出演舞台で明確になった私が駅伝好きの理由」
みなさん、こんばんは!
出だしから私の仕事のことで恐縮ですが、舞台「風が強く吹いている」が先日無事に終演致しました。お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。私もこの座組み(出演者の構成)の一員として、千秋楽まで駆け抜けられたことがとても嬉しく思います。充実した日々を送ることができました。
この作品は箱根駅伝が題材となっていて、駅伝では無名の大学が長距離未経験の部員を10人集め、箱根駅伝を目指してたった1年で出場を果たす物語です。私は陸上部のマネージャーである勝田葉菜子役を演じました。葉菜子は、陸上競技そのものの魅力に惹かれている女の子。私と似ている部分も多くあったため、リラックスして楽しくお芝居をすることができました。陸上関係にお勤めの方も、たくさん会場にお越しくださったみたいで、Twitterなどで投稿された観劇レポートを拝見した時はとても励みになりました。
この舞台には、走法指導として、SGホールディングスグループのコーチである西川雄一朗さんや鈴木塁人選手が参加されています。特に西川さんは稽古場にもたびたび足を運んでくださり、走り方や襷(たすき)の掛け方(実際に東海大学で使用されていた襷をお借りしました)から、正しいアイシング方法に至るまで、丁寧なご指導をしていただきました。
おかげで本番では、箱根駅伝のリアルな一面を舞台上から観客の皆さまにお伝えできたと思います。西川コーチ、鈴木選手に心から感謝申し上げます。約1ヵ月間、本当にありがとうございました。
駅伝が好きなアイドルお仕事をいただくことがあるのですが、その際に必ず聞かれることがあるのです。「なぜ、駅伝が好きなんですか?」と。
確かに私は駅伝が大好きですが、理由を問われると、思うように言葉で表現できず、伝えられないことがほとんど。「両親の影響でいつのまにか好きになりました」「一生懸命走る姿に惹かれました」といった感じで、 ざっくりとしか答えられず(もちろん全て本当のことです!)、モヤモヤしていた自分がいました。しかし、この舞台を通して、私が駅伝に惹かれる理由が明確になりました。
台本にこんなセリフがありました。「10区間すべての選手が走り終えない限り、決して完成することがない戦いが箱根駅伝だ。僕の偏頭痛でみんなの夢を終わらせるわけにはいかない」。これは、5区を担当した神童というキャラクターがレース中、偏頭痛に見舞われた時に言ったセリフです。駅伝はチーム戦ではありながら、走っている時は個人戦である不思議なスポーツ。他の選手を追い抜く時にふと現れる気負いや、反対に追い抜かれる時の恐怖、突然のアクシデントへの対応や葛藤などさまざまな感情を1人で抱えなければいけません。
さらに、誰か1人でも途中でレースを止めてしまうと、チームは途中棄権となり、順位はつきません。たった1本の襷を全員でつなぐために、選手たちが任せられた区間をたった一人で戦っていく。一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために競うことが駅伝の真骨頂だと思ったのです。キャストのみなさんは、実際の陸上選手ではありませんが、舞台上で確かに一本の襷をつないでいました。

東海大学の本物の襷(左)と寛政大学の襷
この作品は箱根駅伝を表現するためステージ上で走るシーンが多く組み込まれています。さらに1日2公演ということもあり、日に日にテーピングを脚に巻いている出演者が増えていきます。その姿を間近で見ていて心苦しくなりましたが、キャストのみなさんは一度も弱音を吐かず、舞台上でしっかりと箱根駅伝を体現していました。それこそ、「風が強く吹いている」という襷を千秋楽までつなぐため、皆さんが血眼になって走っていました。その姿を舞台上の最も近くで見ることができ、仲間を信じてただひたすら走り続ける姿こそが駅伝の魅力の一つであり、私が最も惹かれるところだと気付けたのです。
今後、「なぜ、駅伝が好きなんですか?」と質問された時は、「誰一人として欠けてはならない一体感を、直に感じることができるスポーツだからです」と自信を持って答えることができると思います。
走るということは実に単純なスポーツです。しかし、その単純な動作の中にそれぞれ秘めた想いが込められています。粘り強く走り続け、1本の襷をみんなで繋いでいく姿は多くの方の心を動かしていきます。改めて、この作品の舞台に出演することができてとても幸せでした。本来なら昨年上演するはずだったこの舞台。コロナウイルスの影響で延期となりましたが、1年後、無事に上演できたことに感謝しています。この舞台を通し、駅伝の魅力を確信できた満足感でいっぱいです。これからも駅伝というスポーツの楽しさをさまざまな形で発信していけたらと思います!
※Twitterのハッシュタグ「♯西村菜那子の陸上日記」で感想や質問、コラムの内容など随時募集中!
前回の記事はこちら
※しばらくの間は月1回、最終週木曜日更新となります。
©️FloraNGT48 西村菜那子(にしむら・ななこ) 1997年8月11日生/O型/長野県出身 特技:クラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を暗記 趣味:陸上観戦、サッカー観戦 2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。アイドルとしての活動を続ける中で、自身のSNSを通して陸上競技に関する情報を発信。駅伝関連のメディア出演も多数。 西村菜那子モバイルサイト ●Information NGT48 6thシングル『Awesome』6月23日発売決定!©︎Flora 西村菜那子も選抜入り!最新情報はNGT48公式HPまで 『NGT48ゲーム部』(Mildom)レギュラー出演中!/舞台『風が強く吹いている』6月16日~20日./六行会ホール公式HPまで |
連載40区 「出演舞台で明確になった私が駅伝好きの理由」
ダブルキャストで勝田葉菜子役を演じた千歳ゆうさんと
みなさん、こんばんは!
出だしから私の仕事のことで恐縮ですが、舞台「風が強く吹いている」が先日無事に終演致しました。お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。私もこの座組み(出演者の構成)の一員として、千秋楽まで駆け抜けられたことがとても嬉しく思います。充実した日々を送ることができました。
この作品は箱根駅伝が題材となっていて、駅伝では無名の大学が長距離未経験の部員を10人集め、箱根駅伝を目指してたった1年で出場を果たす物語です。私は陸上部のマネージャーである勝田葉菜子役を演じました。葉菜子は、陸上競技そのものの魅力に惹かれている女の子。私と似ている部分も多くあったため、リラックスして楽しくお芝居をすることができました。陸上関係にお勤めの方も、たくさん会場にお越しくださったみたいで、Twitterなどで投稿された観劇レポートを拝見した時はとても励みになりました。
この舞台には、走法指導として、SGホールディングスグループのコーチである西川雄一朗さんや鈴木塁人選手が参加されています。特に西川さんは稽古場にもたびたび足を運んでくださり、走り方や襷(たすき)の掛け方(実際に東海大学で使用されていた襷をお借りしました)から、正しいアイシング方法に至るまで、丁寧なご指導をしていただきました。
おかげで本番では、箱根駅伝のリアルな一面を舞台上から観客の皆さまにお伝えできたと思います。西川コーチ、鈴木選手に心から感謝申し上げます。約1ヵ月間、本当にありがとうございました。
駅伝が好きなアイドルお仕事をいただくことがあるのですが、その際に必ず聞かれることがあるのです。「なぜ、駅伝が好きなんですか?」と。
確かに私は駅伝が大好きですが、理由を問われると、思うように言葉で表現できず、伝えられないことがほとんど。「両親の影響でいつのまにか好きになりました」「一生懸命走る姿に惹かれました」といった感じで、 ざっくりとしか答えられず(もちろん全て本当のことです!)、モヤモヤしていた自分がいました。しかし、この舞台を通して、私が駅伝に惹かれる理由が明確になりました。
台本にこんなセリフがありました。「10区間すべての選手が走り終えない限り、決して完成することがない戦いが箱根駅伝だ。僕の偏頭痛でみんなの夢を終わらせるわけにはいかない」。これは、5区を担当した神童というキャラクターがレース中、偏頭痛に見舞われた時に言ったセリフです。駅伝はチーム戦ではありながら、走っている時は個人戦である不思議なスポーツ。他の選手を追い抜く時にふと現れる気負いや、反対に追い抜かれる時の恐怖、突然のアクシデントへの対応や葛藤などさまざまな感情を1人で抱えなければいけません。
さらに、誰か1人でも途中でレースを止めてしまうと、チームは途中棄権となり、順位はつきません。たった1本の襷を全員でつなぐために、選手たちが任せられた区間をたった一人で戦っていく。一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために競うことが駅伝の真骨頂だと思ったのです。キャストのみなさんは、実際の陸上選手ではありませんが、舞台上で確かに一本の襷をつないでいました。
東海大学の本物の襷(左)と寛政大学の襷
この作品は箱根駅伝を表現するためステージ上で走るシーンが多く組み込まれています。さらに1日2公演ということもあり、日に日にテーピングを脚に巻いている出演者が増えていきます。その姿を間近で見ていて心苦しくなりましたが、キャストのみなさんは一度も弱音を吐かず、舞台上でしっかりと箱根駅伝を体現していました。それこそ、「風が強く吹いている」という襷を千秋楽までつなぐため、皆さんが血眼になって走っていました。その姿を舞台上の最も近くで見ることができ、仲間を信じてただひたすら走り続ける姿こそが駅伝の魅力の一つであり、私が最も惹かれるところだと気付けたのです。
今後、「なぜ、駅伝が好きなんですか?」と質問された時は、「誰一人として欠けてはならない一体感を、直に感じることができるスポーツだからです」と自信を持って答えることができると思います。
走るということは実に単純なスポーツです。しかし、その単純な動作の中にそれぞれ秘めた想いが込められています。粘り強く走り続け、1本の襷をみんなで繋いでいく姿は多くの方の心を動かしていきます。改めて、この作品の舞台に出演することができてとても幸せでした。本来なら昨年上演するはずだったこの舞台。コロナウイルスの影響で延期となりましたが、1年後、無事に上演できたことに感謝しています。この舞台を通し、駅伝の魅力を確信できた満足感でいっぱいです。これからも駅伝というスポーツの楽しさをさまざまな形で発信していけたらと思います!
※Twitterのハッシュタグ「♯西村菜那子の陸上日記」で感想や質問、コラムの内容など随時募集中!
前回の記事はこちら
※しばらくの間は月1回、最終週木曜日更新となります。
©️Flora
NGT48 西村菜那子(にしむら・ななこ)
1997年8月11日生/O型/長野県出身
特技:クラシックバレエ、歴代の箱根駅伝の優勝校を暗記
趣味:陸上観戦、サッカー観戦
2015年にNGT48第1期生オーディションに合格。両親の影響で幼い頃から駅伝を好きになる。アイドルとしての活動を続ける中で、自身のSNSを通して陸上競技に関する情報を発信。駅伝関連のメディア出演も多数。
西村菜那子モバイルサイト
●Information
NGT48 6thシングル『Awesome』6月23日発売決定!©︎Flora
西村菜那子も選抜入り!
最新情報はNGT48公式HPまで
『NGT48ゲーム部』(Mildom)レギュラー出演中!/舞台『風が強く吹いている』6月16日~20日./六行会ホール公式HPまで
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2026.01.18
【テキスト速報】第31回全国都道府県対抗男子駅伝
2026.01.18
中学生から実業団まで47チームが安芸路で激突 今日号砲、全国都道府県対抗男子駅伝
-
2026.01.16
-
2026.01.16
2026.01.12
800m日本記録保持者・久保凛が今春、積水化学へ!TWOLAPS拠点に世界へチャレンジ
-
2026.01.12
-
2026.01.13
2025.12.21
早大が来春入部選手発表!高校駅伝1区激闘の増子陽太、新妻、本田がそろって加入!
2025.12.21
【大会結果】第37回全国高校駅伝・女子(2025年12月21日)
-
2025.12.21
-
2025.12.21
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2026.01.18
【テキスト速報】第31回全国都道府県対抗男子駅伝
◇天皇盃第31回全国都道府県対抗男子駅伝(1月18日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km) ※タイム、距離地点は速報値 全チームの区間エントリーはこちら 7区(13km)草津橋~平和記念公園前 6区(3km)広島工 […]
2026.01.18
中学生から実業団まで47チームが安芸路で激突 今日号砲、全国都道府県対抗男子駅伝
◇天皇盃第31回全国都道府県対抗男子駅伝(1月18日/広島・平和記念公園前発着:7区間48km) 中学生から実業団選手まで47都道府県のランナーがタスキをつなぐ天皇盃第31回全国都道府県対抗男子駅伝が今日1月18日、行わ […]
2026.01.17
U20男子10kmは高校王者・山田大智が40分46秒の自己新V U20女子5km奥野妙が制す/大阪・中之島2025競歩
大阪・中之島2025競歩大会が1月17日、大阪市内の中之島公園(日本陸連公認コース)で行われ、U20男子10kmでは山田大智(西脇工高3兵庫)が自己ベストの40分46秒で優勝した。 山田は昨年、5000m競歩でインターハ […]
2026.01.17
田中希実がWA室内ツアーゴールド1500mにエントリー 800mの源裕貴は600m世界最高記録保持者と対戦
世界陸連(WA)インドアツアーのゴールドとなるニューバランス・インドア・グランプリ(1月24日/米国・ボストン)のエントリーリストがこのほど、発表された。 日本勢では女子1500mショートトラックに日本記録保持者(屋外3 […]
2026.01.17
シスメックス・田﨑優理が現役引退 2020年日本選手権5000m6位「大好きな陸上を仕事にできて幸せな時間でした」
シスメックス女子陸上競技部は1月16日、田﨑優理の現役引退と退部を発表した。 宮崎県出身の田﨑は24歳。小学生時代から陸上を始め、中学時代からジュニアオリンピックに出場し、宮崎日大高ではインターハイや全国高校駅伝に出場し […]
Latest Issue
最新号
2026年2月号 (1月14日発売)
EKIDEN Review
第102回箱根駅伝
ニューイヤー駅伝
全国高校駅伝
全国中学校駅伝
富士山女子駅伝

©️Flora
西村菜那子も選抜入り!