◇木南記念(5月10日/大阪・ヤンマースタジアム長居)
日本グランプリシリーズの木南記念でアジア大会代表選考最重要競技会の男子10000mが行われ、鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分20分11秒で優勝した。名古屋アジア大会の派遣設定記録(27分31秒27)をクリアして優勝し、日本代表に内定した。昨年の東京世界選手権入賞組を除けば、トラック&フィールド種目の内定1号となる。
日本記録保持者の誇りがトラック25周に表れた。
「前半はちょっときつかった」と鈴木。1000m2分45秒、2000m5分32秒ペースで進み、5000mを13分46秒で通過してからは「呼吸も落ち着いてきた」と振り返る。
国際大会を見据えて意識してきた「ラスト2000m」でもペースアップ。ペースメーカーが外れてからも、力強く手足を動かし、悠々とフィニッシュした。「最低限は走れましたが、もっと行けたし、まだやりたかったという気持ちがあります」と言いつつも、代表内定ボードを持ち笑顔を浮かべる。
昨年は東京世界選手権にも出場し、27分05秒92の日本記録も樹立。当然、鈴木にしかわからないプレッシャーがあった。
「僕が勝って当たり前だと思われていた部分もあったと思いますし、マークされるような雰囲気もありました。何より、自分で『ここで勝たないと話にならない』とプレッシャーをかけてきた」
そのプレッシャーに打ち勝ってこそ、日本記録保持者、日本代表の価値が出てくるのだ、と。そして、見事に打ち勝った。「観戦していたみなさんからすると簡単に圧勝したように見えるかもしれませんが、僕にとってはすごく価値のあるレースだった」と胸を張った。
大会に向けて米国・アルバカーキで合宿。「しっかり質の高い練習ができていました」。大八木弘明コーチも「日本記録前と同じ練習を余裕を持ってできていました」と語る。
これでアジア大会代表に内定。夏に5000mで日本記録にトライする予定だが、アジア大会は10000mで専念する見込み。アジア選手権金メダルのG.シン(インド)という強力なライバルもいる。
「目標は勝つこと。(シンには)負けっぱなしなので、なんとか勝ちたい。ラストで勝てるかどうか。これから磨いていきたい」
ここ数年は大学時代に苦しんだケガもなく、充実した日々を過ごしているのが自信がみなぎる表情からも見て取れる。日本長距離のエースとして、堂々と日の丸を背負ってアジアナンバーワンを取りにいく。
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