HOME 国内、世界陸上

2025.08.24

栁田大輝 最後の最後まで挑戦も100m代表逃す「無理をしなくて良かったと思える日が絶対に来る」
栁田大輝 最後の最後まで挑戦も100m代表逃す「無理をしなくて良かったと思える日が絶対に来る」

100mでの世界陸上挑戦にピリオドを打った栁田大輝

東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、奈良市サーキットの男子100mに栁田大輝(東洋大)が出場した。

土壇場での大逆転を狙い、日本記録(9秒95)を目指した栁田。午前中の第一レースを10秒11(+0.7)で走ると、夕方の第二レースへ準備を進めた。

広告の下にコンテンツが続きます

ただ、荒天により2度にわたる中断。当初より2時間ほど遅い18時30分のレース予定となった。栁田は再アップからスパイクを履いてスターティングブロックを使って身体を動かしたものの、向かい風の状況に棄権を決断。個人での東京世界選手権代表への挑戦は終わった。

「アップまでしましたが、土江(寛裕)先生から『やめようか』と声をかけられて、すんなり受け入れられました」と話す。「無事に終わっておこう、というのが一番。ケガのリスクが高まるので」と決断した心境を明かす。

今年はワールドユニバーシティゲームズで銅メダルとなった以外、アジア選手権も含めて決勝の舞台で一度も負けなかった。だが、7月の日本選手権の予選でまさかの不正スタート(フライング)により失格。「すべて自分の一つのミス」が響いた。

その後は個人での代表入りを目指し、有効期間内の日本勢最高記録のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)の9秒96以上を目指して連戦。Athlete Night Gamesでは予選で追い風参考ながら9秒92(+3.3)、決勝で参加標準記録突破の10秒00の自己新を叩き出した。

そして、この記録会。「まさか走らずに終わるとは。最後の最後まで運を味方につけられなかった」と苦笑いするが、ギリギリまで挑戦する姿を示した。無事に終わって「安心している部分もある」とし、自己ベスト更新、連戦での挑戦に「速く走れるようになって、安定していた。楽しめた自分もいる」。

東洋大での4年間は「陸上の明るい部分と暗い部分どちらも経験しました」。個人での出場にすべてを懸けてきたため、選考では厳しいもののリレーメンバーでの代表入りなどは「考えていませんでした」と話す。

「ケガをせず、無理をしなくて良かったと思える日が絶対に来るはず」と前を向き、「来年は世界選手権はありませんが、来年以降、借りを返していきたい。誰にも負けないような選手になりたい」と力を込めた。

逃したものは大きく、戻ってはこない。それでも、強さを速さを手に入れるきっかけになった世界陸上への挑戦。それ以上に得たものが大きかったと言えるように、最強スプリンタ-になるための道を歩み始める。

東京世界選手権出場のための記録の有効期間最終日となる8月24日、奈良市サーキットの男子100mに栁田大輝(東洋大)が出場した。 土壇場での大逆転を狙い、日本記録(9秒95)を目指した栁田。午前中の第一レースを10秒11(+0.7)で走ると、夕方の第二レースへ準備を進めた。 ただ、荒天により2度にわたる中断。当初より2時間ほど遅い18時30分のレース予定となった。栁田は再アップからスパイクを履いてスターティングブロックを使って身体を動かしたものの、向かい風の状況に棄権を決断。個人での東京世界選手権代表への挑戦は終わった。 「アップまでしましたが、土江(寛裕)先生から『やめようか』と声をかけられて、すんなり受け入れられました」と話す。「無事に終わっておこう、というのが一番。ケガのリスクが高まるので」と決断した心境を明かす。 今年はワールドユニバーシティゲームズで銅メダルとなった以外、アジア選手権も含めて決勝の舞台で一度も負けなかった。だが、7月の日本選手権の予選でまさかの不正スタート(フライング)により失格。「すべて自分の一つのミス」が響いた。 その後は個人での代表入りを目指し、有効期間内の日本勢最高記録のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)の9秒96以上を目指して連戦。Athlete Night Gamesでは予選で追い風参考ながら9秒92(+3.3)、決勝で参加標準記録突破の10秒00の自己新を叩き出した。 そして、この記録会。「まさか走らずに終わるとは。最後の最後まで運を味方につけられなかった」と苦笑いするが、ギリギリまで挑戦する姿を示した。無事に終わって「安心している部分もある」とし、自己ベスト更新、連戦での挑戦に「速く走れるようになって、安定していた。楽しめた自分もいる」。 東洋大での4年間は「陸上の明るい部分と暗い部分どちらも経験しました」。個人での出場にすべてを懸けてきたため、選考では厳しいもののリレーメンバーでの代表入りなどは「考えていませんでした」と話す。 「ケガをせず、無理をしなくて良かったと思える日が絶対に来るはず」と前を向き、「来年は世界選手権はありませんが、来年以降、借りを返していきたい。誰にも負けないような選手になりたい」と力を込めた。 逃したものは大きく、戻ってはこない。それでも、強さを速さを手に入れるきっかけになった世界陸上への挑戦。それ以上に得たものが大きかったと言えるように、最強スプリンタ-になるための道を歩み始める。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

         

Latest articles 最新の記事

2026.04.08

佐藤拳太郎が東海大短距離コーチ就任「両立へ全力を捧げる」髙野監督「彼しかいないと直感」

東海大は4月8日、陸上競技部の新体制発表会見を行い、部長で短距離監督の髙野進氏と、新たに短距離ブロックコーチに就任した佐藤拳太郎(富士通)が登壇した。  伝統あるブルーのラインが入ったジャージに「これまで赤色が多かったの […]

NEWS 東海大・西出仁明駅伝監督が意気込み「スピードの東海復活を」両角総監督「役割分担明確に」

2026.04.08

東海大・西出仁明駅伝監督が意気込み「スピードの東海復活を」両角総監督「役割分担明確に」

東海大は4月8日、新体制発表会見を行い、両角速総監督と西出仁明駅伝監督が登壇した。 両角総監督は佐久長聖高(長野)を指導して全国高校駅伝優勝など実績を残した。11年から母校・東海大の駅伝監督に就任。17年に出雲駅伝を制す […]

NEWS 東京世界陸上金のベンジャミンとアングロがセイコーGGPに参戦 世界室内60m優勝アンソニーは200mに出場

2026.04.08

東京世界陸上金のベンジャミンとアングロがセイコーGGPに参戦 世界室内60m優勝アンソニーは200mに出場

日本陸連は4月8日、セイコーゴールデングランプリ2026東京(5月17日/東京・国立競技場)の海外選手のエントリー第2弾を発表し、昨年の東京世界選手権男子400mハードル金メダリストのR.ベンジャミン(米国)が400mに […]

NEWS ジャマイカのダグラスが女子短距離2冠 200mはU20歴代3位タイの22秒11/カリフタゲームズ

2026.04.08

ジャマイカのダグラスが女子短距離2冠 200mはU20歴代3位タイの22秒11/カリフタゲームズ

グレナダの首都セントジョーンズで4月4日から6日まで、カリフタゲームズが開催され、女子200mU20の部でS.M.ダグラス(ジャマイカ)がU20世界歴代3位タイの22秒11(+1.9)で優勝した。S.ミラー・ウイボ(バハ […]

NEWS 仙台ハーフのエントリー発表!世界陸上代表・小山直城、小林香菜らが特別招待 太田蒼生も出場予定

2026.04.08

仙台ハーフのエントリー発表!世界陸上代表・小山直城、小林香菜らが特別招待 太田蒼生も出場予定

仙台国際ハーフの大会主催者は4月8日、仙台市で5月に開催されるジャパンプレミアハーフシリーズ「仙台国際ハーフ2026」の招待選手ならびにエントリーリストを発表した。 男子では特別招待選手として、東京世界選手権マラソン代表 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2026年4月号 (3月13日発売)

2026年4月号 (3月13日発売)

別冊付録 記録年鑑 2025

東京マラソン、大阪マラソン、名古屋ウィメンズマラソン

page top