◇全国高校総体(インターハイ、7月25日~29日/広島・ホットスタッフフィールド広島)5日目
広島インターハイの5日目が行われ、男子110mハードルは古賀ジェレミー(東京3)が追い風参考ながら13秒18(+2.2)の驚異的なタイムで2連覇を果たした。
古賀が再び強烈なインパクトを残し、最後のインターハイを終えた。追い風によって「一生破られないような日本(高校)記録」をインターハイで出すことはできなかったが、見事な2連覇だった。
暑熱対策からタイムレースによる決勝。昨年競り合った髙城昊紀(宮崎西2)は今季はケガから本調子にはほど遠いことに加え、別の組み分けとなっていた。しかし、古賀は得意のアプローチからリードを拡大する。
後半に入ってもその勢いは衰えることなくフィニッシュすると、驚異的な13秒1台の表示も追い風は2.2m。参考記録と分かると、古賀は思わず天を仰いだ。「スタート前に不安な気持ちはあったんですけど、それと見合わないくらいの素敵な記録が出てうれしいです」と快活に語った。
この日、午前の予選から13秒71(-0.1)と好タイムをマークしていたが、ハードリングに本来の鋭さがなかった。「調子の幅がすごくて、悩みながらの予選でした」と振り返る。
チームを引っ張る意識で意気込んでいた4×100mリレーも初日の予選で敗退が決まっていた。「絶対泣きたくなかったですけど、あふれ出ちゃって。その涙のお陰で変わった部分もあるし、(気分が)落ちたことでさらに火がつきました」と、気持ちは高まっていた。
しかし、決勝前のウォーミングアップでも感触は良くなく、アップを切り上げてケアを受ける直前に顧問の能登谷雄太先生から「20回だけ深呼吸して来な」と声をかけられたという。「自分一人で抱え込んでいましたが、ケアを受けている中で、すごくポジティブになれました」。恩師の助言で本来の姿を取り戻した。
思い返せば、1年時は転倒して失格となったインターハイだったが、昨年は高校新で初V、今年は驚異的なタイムで連覇となった。「3回出場して、全部経験できたインターハイだったと思います。かけがえのない3年間でした」と感慨深げだ。
左膝のケガから始まったシーズンだったが、蓋を開けてみれば東京都大会で高校タイ記録、南関東大会では計2度の高校記録更新。さらには日本選手権ではシニア勢に混ざって5位に食い込んだ。
当初は療養に当てる計画も合ったが、「もう少し頑張れると思っています。どこでも記録は狙えますし、『まだ終わってないんだぞ』というところを見せていきたいです」。残りの高校生シーズンも変わらず攻めの姿勢を貫いていく。
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