2025.07.05

◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 2日目
東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、男子やり投でディーン元気(ミズノ)が84m66で2位に入った。
同期のライバル、新井涼平(スズキ)と誓ったことがあった。2016年に新井が作った大会記録が84m54。ディーンが2012年から更新できていない自己記録84m28を上回るこの記録を塗り替えること。それが、引退を決めた同期への餞となる。
「新井と本気の勝負をできる最後の試合だった」とディーン。3投目までは77m73にとどまっていたが、4投目に83m98を放って一気にトップに立つ。しかし、「大会記録にはもう1段上げないと、(4投目の)表示板が教えてくれた」。
5投目に﨑山雄太(愛媛競技力本部)が日本歴代2位の87m16の大アーチをかけ、ディーンは2位に転落。後輩たちの台頭、同期の引退……。最後の1投で「頭のリミッターが1つ外れた」ディーンは、13年ぶりの“自分超え”。新井の前大会記録も塗り替え、「そういう環境を作ってくれた彼らのお陰。自分が引っ張ってきたことを、みんながつないでくれたメモリアルな1日です」と感慨深げに振り返る。
東京世界選手権もほぼ間違いない位置につてけおり、﨑山とともに世界を見据える。ここ2、3年は腰に不安を抱えながらの競技が続いているが、その影響で「(ブロックで)身体がどうしても逃げてしまう」と理想の投てきは出せていない。
だが、体重をやや絞り、「脚をうまく使える身体にしてきた」今季、9月の本番を見据えてスロースタートに仕上げる中で、この日「リミッターの外し方は今日覚えた」と言う。世界陸上では、「まず日本記録でしょう」ときっぱり。溝口和洋が1989年に作った87m60を塗り替え、世界のトップたちと勝負する。
「身体さえ良くすればもう1段階もいける思います」。日本やり投を背負ってきたディーンが、世界と戦う準備を進める。
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