10月1日から3日間、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで開催された日本選手権の全日程が終了。大会後、現地で日本陸連の尾縣貢専務理事、麻場一徳強化委員長、山崎一彦日本陸連強化委員会ディレクターが会見を開き、日本選手権を総括した。
今大会は国際大会の選考外。新型コロナウイルスの影響により、観客を新潟県在住者2000人(各日)に限定して行われた。尾縣専務理事は「観客を入れての日本選手権を開催するということは、私たちにとっても大きな挑戦でした」とした上で、「アスリートにとって夢の舞台」と言い、「ここでの競技がモチベーションとなって、これからの競技のエネルギーになると信じています」と述べた。また、観客やライブ配信、テレビを通じて観戦したファンに向け「スポーツの真価を感じていただけたと信じています」と語った。
麻場強化委員長は「先が見えなかったりする状況の中で、ここによく合わせて、パフォーマンスを上げてくれたと思っています」と選手・関係者を称えた。山崎ディレクターも「日本選手権という順位がつく大会が開催されたことに感謝しています」と伝えた上で、「力のある人たちがしっかりと順位を取ることはとても素晴らしい。また、若い選手たちもここにきて伸びていると思いました」と東京五輪に向けて明るい材料だったことを評価した。
尾縣貢専務理事
「観客を入れての日本選手権を開催するということは、私たちにとっても大きな挑戦でした。この場はアスリートにとって夢の舞台だったと思います。長い長い自粛、躊躇ののちの大会ですので、彼ら、彼女らの記憶に強く残ったと思います。そして、ここでの競技がモチベーションとなって、これからの競技のエネルギーになると信じています。
選手たちの雄姿は、国民のみなさんの内向きだった気持ちを少しでも外に向けられ、そしてスポーツの真価を感じていただけたと信じています。これが来年のオリンピック・パラリンピックに、必ずやつながると思っています」
麻場一徳強化委員長
「まずは無事に終わって、ホッとしているというのが率直な気持ちです。関係者のみなさんに本当に感謝したいと思っています。
アスリートにとっては自粛だったり、先が見えなかったりする状況の中で、ここによく合わせて、パフォーマンスを上げてくれたと思っています。記録的には大会タイ記録が2つ、U20日本記録、U18日本記録が各1つということでしたが、先ほど言った状況の中で、選手たちは本当によく力を発揮してくれたと思います。
全体で見ると実績のある選手が力を発揮してくれたことが1つ。もう1つは新しい力の台頭があったと思います。新しい戦力が出てきたということは、来年に向けてまた選手たちのパフォーマンスが伸びていく一つの要因になると楽しみにしています。
秋の大会を経て来年に向かっていくことになりますが、選手、関係者のみなさんには来年にますます素晴らしいパフォーマンスが発揮できるように準備していただきたいと思いますし、私たちも最大の努力をしていきたいと思っています」
山崎一彦強化委員会ディレクター
「今回の大会は、一生忘れられない大会になったのではないかと思います。本来であればこれが五輪選考になるはずでした。しかし、とにかく選手が競技をすることが難しい状況の中で、日本選手権という順位がつく大会が開催されたことに感謝しています。
今回の評価をどう受け止めるか。その中では今年の結果としては一喜一憂はできないでしょう。今年と来年のスパンで考えていくことが、私たちの評価されるところではないかと思っています。今回良かった人も、良くなかった人も、そのまま五輪につながるかはわからないと思っています。
その中で、男子の100mでは桐生選手をはじめ、昨年の代表選手たちがしっかり順位を取ってきた。力のある人たちがしっかりと順位を取ることはとても素晴らしいと思いました。
また、若い選手たちもここにきて伸びていると思いました。長年低迷した女子短距離は復調の兆しが出てきたというのはホッとしたところです。男子走高跳、女子400mハードルでも若い選手が出てきました。
来年はこのベテランと若い選手の勢いで五輪を迎えていきたい。私たちも東京五輪をあきらめずに、しっかりと目標と捉えていきたいと思っています。
加えて、U20・U18の女子投てきで記録が更新されました。育成の弱点だったところも少しずつ身になっていると思っています。高校生もインターハイがないなか、日本選手権にシフトしてシニアの選手に挑んでくれたというのは目標転換として素晴らしいと思いました」

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