2024.04.24
新潟アルビレックスランニングクラブは4月24日、地元(新潟市)に本社を置くサトウ食品とクラブ初のネーミングライツパートナー契約を締結したことを発表した。契約は3年としている。
同市内で行われた記者会見にはサトウ食品の佐藤元社長、新潟アルビレックスランニングクラブからは大野公彦社長と久保倉里美ヘッドコーチが出席した。契約は4月1日付で締結しており、同クラブのトップ選手たちはすでに「サトウ食品新潟アルビレックスRC」の名前で競技会に参加。日本実業団連合が主催・共催する競技会以外はその登録名で出場する。
新潟アルビレックスランニングクラブは2005年に株式会社として設立され、実業団にも登録。地域スポーツの普及を目的にランニング、かけっこ、健康づくりなど各種教室を運営しながらトップアスリートを育成・強化にも取り組んでいる。
陸上界では日本初の取り組みとして創立・創部当初から注目されており、「新潟から世界へ」を合言葉にして女子400mハードル日本記録保持者の久保倉ヘッドコーチが08年北京、12年ロンドン、16年リオと五輪3大会に連続出場。チームとしては、09年から4年連続で全日本実業団女子駅伝(クイーンズ駅伝)に駒を進め、16年には全日本実業団対抗選手権で総合優勝および女子総合優勝した実績を誇る。
近年は女子円盤投日本記録保持者で、19年ドーハ世界選手権に出場した実績を持つ郡菜々佳が、入団した22年日本選手権において、砲丸投も含めた47年ぶり投てき2冠を達成。19年入団した地元出身の男子走高跳・長谷川直人がブダペスト世界選手権に出場した。
大野社長は「日本には企業が選手強化を担う実業団というすばらしいシステムがありますが、陸上界ではどこもやったことのないクラブチームでの活動をはじめ、お陰様で20年目になりました。今季からサトウ食品様の力強いご支援を受けて、我々の活動をより活発化させたいです。クラブチームがネーミングライツパートナーを迎えること自体も初めての試みだと思いますので、日本のスポーツ界、陸上界にとっても新たな1ページになります。私たちの挑戦をあと押ししてくれるサトウ食品様に大変感謝しています」と話した。
同クラブはこの支援により、トップチームの強化、スポーツの普及活動を促進していくだけでなく、シンボルアスリートを迎えることも計画。「スポーツに興味のない方にも興味を持っていただけるような人材を迎えることを目指しており、現役かどうかはこだわらない」と大野社長。来季は誰もが知るビッグネームが加わるかもしれない。
サトウ食品は「サトウのごはん」や「サトウの切り餅」でお馴染みの包装米飯・包装餅製造国内最大手だ。
佐藤社長は「弊社はごはんやお餅といった炭水化物を生業にしておりますが、食と健康に、スポーツは切っても切れない関係。これまでさまざまなかたちでスポーツ活動を支援し、新潟シティマラソンのスポンサードを通じて新潟アルビレックスランニングクラブさんの運営や活動について深く知ることになったが、これまで日本になかったかたちのクラブをさらに応援したくなりました」とクラブネーミングライツパートナー契約に至った経緯を説明し、「当社の名前をつけた選手たちが試合に出場し、活躍してくれればこの上ない喜び」と期待を込めた。
また、クラブのスタッフには久保倉ヘッドコーチのほか、女子長距離で00年シドニー、04年アテネの両五輪に出場した大島めぐみコーチや、男子長距離で北京五輪代表の松宮隆行コーチを含めてオリンピアン3人が所属している。
サトウ食品の佐藤社長は「スタッフの中には五輪選手が3人もいらっしゃって、かけっこ教室や走り方教室で“本物”の動きを指導してくれることに感激する子どもたちやランナーが多いです。そのようなチームを支援していきたいという気持ちが強い」と語った。
アスリートにとって食事はとても大切で、久保倉ヘッドコーチが「現役時代から海外遠征には必ずスーツケースに入れて持っていった」という「サトウのごはん」はこれまで以上に提供されるだろうし、何よりもありがたいのは海外遠征のサポートだ。
陸上の五輪や世界選手権は、数年前から出場した大会のグレード、成績に応じたポイントによるワールドランキングが代表入りに向けて大きな比重を占めている。そのため、グレードの高い大会への出場を求めて海外に出向くトップ選手が増えている。
「チャンスがある限り挑戦させたい、という思いで冬場から海外に派遣している選手がいますが、(円安の影響もあって)これまで以上に費用がかさんでおり、サトウ食品様の支援はそういった面の大きな力になります」と久保倉ヘッドコーチは力を込めた。
今夏はパリ五輪を控えるが、最重要大会である日本選手権が6月下旬に新潟で開催される。「サトウ食品新潟アルビレックスRC」の名前で出場する選手が、地元の大声援を受けて活躍し、1人でも多くの選手をパリに送ることがチーム関係者の願いだ。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.08.18
沖縄で開催中の全中 熱帯低気圧発達の影響で明日8/19の競技について明日早朝に発表へ
2025.08.18
走高跳・平松祐司が今季限りで現役引退 18歳で15年北京世界陸上代表、DAにも選出
-
2025.08.18
-
2025.08.18
-
2025.08.17
-
2025.08.17
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
2025.08.16
100mH・福部真子12秒73!!ついに東京世界選手権参加標準を突破/福井ナイトゲームズ
-
2025.07.24
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.08.18
走幅跳・秦澄美鈴は6m38で2位 200m井戸アビゲイル風果が好走、七種・大玉がV/WAコンチネンタルツアー
8月17日に行われた世界陸連(WA)コンチネンタルツアー・シルバーのゴールデンサンド(ポーランド)の女子走幅跳に秦澄美鈴(住友電工)が出場し、6m38(+2.0)で2位に入った。秦は1回目に6m34(+1.7)を跳ぶと、 […]
2025.08.18
沖縄で開催中の全中 熱帯低気圧発達の影響で明日8/19の競技について明日早朝に発表へ
沖縄全中実行委員会は8月18日、沖縄県総合運動公園陸上競技場(沖縄市)で開かれている第52回全日本中学校陸上競技選手権において、「熱帯低気圧発生」により、翌日(19日)の競技日程について、19日早朝5時に大会ホームページ […]
2025.08.18
走高跳・平松祐司が今季限りで現役引退 18歳で15年北京世界陸上代表、DAにも選出
男子走高跳の平松祐司(TATSUNO)が自身のSNSを更新し、今シーズン限りでの現役引退を発表した。 平松は京都出身の28歳。男山東中(京都)ではサッカー部だったが、「足を速くしたい」と陸上部で練習し、跳躍力を買われて走 […]
2025.08.18
東京世界陸上 100m決勝など人気セッション「注釈付き」観戦チケットを22日から販売開始
公益財団法人東京2025世界陸上財団は8月18日、東京世界選手権の一部日程において「注釈付きシート」を販売すると発表した。 注釈付きシートは「会場の構造物および競技運営に伴う設営の都合等により、競技フィールドの一部または […]
2025.08.18
ソニーが東京世界陸上での活動発表「競技の生み出す感動を世界の人々に届ける」ホークアイによる審判判定支援など展開
ソニー株式会社は8月18日、東京世界選手権のオフィシャルパートナーとしての活動について発表した。 主な活動としては、デジタル一眼カメラ『α』や『Gマスター』をはじめとする多彩な交換レンズ、コンテンツの即時伝送を支援するポ […]
Latest Issue
最新号

2025年9月号 (8月12日発売)
衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99