◇皇后盃第42回全国都道府県対抗女子駅伝(1月14日/京都・西京極陸上競技場発着9区間:42.195km)
第42回都道府県対抗女子駅伝が行われ、1区(6km)は五島莉乃(石川・資生堂)が2大会ぶりの区間賞に輝いた。前々回(18分41秒)や廣中璃梨佳(長崎・日本郵政グループ)の区間記録18分39秒には届かなかったが、持ち味の積極的な走りで独走。2大会連続世界選手権代表の存在感を示した。
中2から走ってきて11回目の都道府県女子駅伝。今回はいつも以上に特別な思いがあった。「なんて言えばいいのか…」。何度も言葉を詰まらせ、涙をこらえる。
1月1日、故郷を襲った能登半島地震。帰省から東京へと戻る新幹線の中で五島もまた被災。「石川を出てすぐでした。12時間くらい新幹線の中にいました」。テレビも見られず、情報はSNSだけ。帰京できて、次の日から徐々に状況が明らかに。家族は無事だったが、「ニュースで毎日見るたびに心が苦しかったです」。
「亡くなっている方もいるので…」。簡単に言葉にはできない。それでも――。「うまく言葉では伝えられませんが、私たちの走りが少しでも届いたらいいなって思います」。
会場では募金活動も行われ、沿道から「石川頑張れ!」の声が途切れることなく聞こえてきた。「たくさんの方が石川県のために支援してくださっていて、日本のみなさんは優しいなって思います」。
区間記録は「出ればいいな」とは思ったが、狙っていたわけではない。ただ、五島らしく、先頭へ躍り出た。後ろは見ない。とにかく脚を運んだ。
2024年、パリ五輪イヤー。実業団に進むと決めてから目標に定めてきた。「私にとっても勝負の年。目標をぶらさずに持ち続けて、そこに向かって頑張っていきたい」。育ててくれた故郷への精一杯の恩返しは、その走りで表現する。
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
2025.11.01
三井住友海上・根塚みのりが10月末で退部 2月の実業団ハーフ19位
-
2025.11.01
-
2025.10.26
2025.10.18
【大会結果】第102回箱根駅伝予選会/個人成績(2025年10月18日)
-
2025.10.18
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.11.01
鳥取城北オール区間賞で男女V 男子は2時間3分49秒の県高校最高 転校選手が快走 女子は大量リードで7連覇/鳥取県高校駅伝
全国高校駅伝の出場権を懸けた鳥取県高校駅伝が11月1日、境港市営竜ケ山陸上競技場を発着点に行われ、男女ともに鳥取城北がいずれもオール区間賞で優勝を遂げた。男子(7区間42.195km)は2時間3分49秒で、従来の県高校最 […]
2025.11.01
三井住友海上・根塚みのりが10月末で退部 2月の実業団ハーフ19位
11月1日、三井住友海上は所属する根塚みのりが10月末で退部したことを発表した。 根塚は富山県出身の23歳。堀川中では800mで全中5位に入賞したほか、柳樂あずみ(現・名城大)とともに全国中学校駅伝でも活躍した。富山商高 […]
2025.11.01
世田谷246ハーフに青学大・安島莉玖、荒巻朋熙らが登録!中大は吉居駿恭、溜池一太、本間颯らがエントリー
世田谷246ハーフマラソンの主催者は、11月9日に開催される第20回大会のエントリーリストを発表した。 同大会は駒沢オリンピック公園陸上競技場発着で、国道246号や多摩堤通りなどを通るコースで実施。埼玉県で開催の上尾シテ […]
Latest Issue
最新号
2025年11月号 (10月14日発売)
東京世界選手権 総特集
箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝展望