HOME 国内、日本代表

2023.10.02

110mH高山峻野 日本41年ぶり金は“同時優勝”「正直、勝てると思っていなかった」/アジア大会
110mH高山峻野 日本41年ぶり金は“同時優勝”「正直、勝てると思っていなかった」/アジア大会

男子110mHの高山峻野

◇第19回アジア大会(9月29日~10月5日/中国・杭州)

中国・杭州で開催されている第19回アジア大会の陸上競技の4日目の午後セッションで男子110mハードル決勝が行われ、高山峻野(ゼンリン)がヤクボ・アルユーハ(クウェート)と13秒41(-0.4)の同タイムで同時優勝。日本勢の金メダルは1982年ニューデリー大会の藤森良文以来、41年ぶりの快挙だった。

「スタートからしっかり出られた」と、今大会から再度挑戦している7歩のアプローチで加速していくが、「中盤から後半にかけてバランスを崩してしまった」と8、9台目でハードルに接触して失速。それでも10台目を越えた後はスプリントでアル・ユーハに食らいつき、身体を投げ出してフィニッシュした。

長い判定の末、先に高山の名前が出たが、すぐさまアルユーハと同タイム・着差なしとわかった。「栄誉あることですし、41年ぶりということで久しぶりに日本に金メダルをもたらすことができてうれしいです」。7月のアジア選手権に続いて、アジア王者の称号を手にした。

「正直、勝てると思っていなかった」

ブダペスト世界選手権から帰国後、新しい高反発スパイクを着用しながら練習していたが、右脚を軽い肉離れ。軽症で済んだが、その間に「アプローチの7歩を試してみた」という。以前にも挑戦したことがあるが8歩を貫いてきたが、「前半で力を出し切って中盤以降で失速が大きくなるとデータも出ている」ため改めて7歩に挑戦した。今回終えてみて「やっぱり8歩で」と言うが、高みを目指しているからこその試行錯誤だ。

広告の下にコンテンツが続きます

9月に29歳になった高山。「スピードはどうしても落ちてきている。その分、ハードリングでカバーできるようにやっていますが、なかなかうまくいかない」。若きライバルたちの台頭に、「もう引退も近い」といつもの“高山節”も出るが、そのホープたちが誰よりも高山の勝負強さを知っている。今回のアジア大会でも、またその強さを証明した。

「去年は気楽にやってタイムが一気に伸びた。もう少し気楽にやっていいのかなとは思います」

30歳になる年で迎えるパリ五輪イヤーも、高山流でしっかり戦い抜く。

◇第19回アジア大会(9月29日~10月5日/中国・杭州) 中国・杭州で開催されている第19回アジア大会の陸上競技の4日目の午後セッションで男子110mハードル決勝が行われ、高山峻野(ゼンリン)がヤクボ・アルユーハ(クウェート)と13秒41(-0.4)の同タイムで同時優勝。日本勢の金メダルは1982年ニューデリー大会の藤森良文以来、41年ぶりの快挙だった。 「スタートからしっかり出られた」と、今大会から再度挑戦している7歩のアプローチで加速していくが、「中盤から後半にかけてバランスを崩してしまった」と8、9台目でハードルに接触して失速。それでも10台目を越えた後はスプリントでアル・ユーハに食らいつき、身体を投げ出してフィニッシュした。 長い判定の末、先に高山の名前が出たが、すぐさまアルユーハと同タイム・着差なしとわかった。「栄誉あることですし、41年ぶりということで久しぶりに日本に金メダルをもたらすことができてうれしいです」。7月のアジア選手権に続いて、アジア王者の称号を手にした。 「正直、勝てると思っていなかった」 ブダペスト世界選手権から帰国後、新しい高反発スパイクを着用しながら練習していたが、右脚を軽い肉離れ。軽症で済んだが、その間に「アプローチの7歩を試してみた」という。以前にも挑戦したことがあるが8歩を貫いてきたが、「前半で力を出し切って中盤以降で失速が大きくなるとデータも出ている」ため改めて7歩に挑戦した。今回終えてみて「やっぱり8歩で」と言うが、高みを目指しているからこその試行錯誤だ。 9月に29歳になった高山。「スピードはどうしても落ちてきている。その分、ハードリングでカバーできるようにやっていますが、なかなかうまくいかない」。若きライバルたちの台頭に、「もう引退も近い」といつもの“高山節”も出るが、そのホープたちが誰よりも高山の勝負強さを知っている。今回のアジア大会でも、またその強さを証明した。 「去年は気楽にやってタイムが一気に伸びた。もう少し気楽にやっていいのかなとは思います」 30歳になる年で迎えるパリ五輪イヤーも、高山流でしっかり戦い抜く。

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.08.28

来年香港で開催のU20アジア選手権選考要項発表 25年世界トップリストで8位以内など選考対象に

日本陸連は8月28日、来年5月に香港で開催されるU20アジア選手権の日本代表選考要項を発表した。 編成方針は、同年夏に開催されるU20世界選手権(米国・ユージン)の「成功を念頭におく」としている。選考基準は、2025年U […]

NEWS 走幅跳・山浦渓斗、前十字靭帯と外側側副靭帯を損傷 世界陸上の出場断念 「強くなって戻ってこようと思います」

2025.08.28

走幅跳・山浦渓斗、前十字靭帯と外側側副靭帯を損傷 世界陸上の出場断念 「強くなって戻ってこようと思います」

8月27日、男子走幅跳で今年の日本選手権を制した山浦渓斗(勝浦ゴルフ倶楽部)が、前十字靭帯および外側側副靭帯の損傷により、9月に開催される東京世界選手権の出場を断念することを自身のSNSで表明した。 24歳の山浦は長野県 […]

NEWS 東京マラソン財団企画「東京マラソンカード」8/29から募集開始!大会出走権などキャンペーン展開、利用額の一部は子供支援活動に

2025.08.28

東京マラソン財団企画「東京マラソンカード」8/29から募集開始!大会出走権などキャンペーン展開、利用額の一部は子供支援活動に

一般財団法人東京マラソン財団は8月28日、東京マラソンのグローバル・マーケティング・パートナーおよびオフィシャル・ペイメント・パートナーであるMastercardと連携し、「東京マラソンカード」を企画することを発表した。 […]

NEWS 東京世界陸上の公式計時務めるセイコーが銀座・明治神宮外苑エリアで体験型イベントを開催!特別企画展やコラボカフェなど

2025.08.28

東京世界陸上の公式計時務めるセイコーが銀座・明治神宮外苑エリアで体験型イベントを開催!特別企画展やコラボカフェなど

セイコーグループ株式会社は8月28日、オフィシャルタイマーを務める東京世界陸上(9月13日~21日/国立競技場)に向けて新機材の導入や、体験型イベント開催を発表した。 1987年の第2回ローマ大会から今回の東京まで、19 […]

NEWS 女子走高跳オリスラガースが2m04でV「この高さを求めてきた」デュプランティスはファイナル5連覇 /DLファイナル

2025.08.28

女子走高跳オリスラガースが2m04でV「この高さを求めてきた」デュプランティスはファイナル5連覇 /DLファイナル

◇ダイヤモンドリーグ・ファイナル(8月27日、28日、スイス・チューリヒ) 8月27日、世界最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルとなる「ヴェルトクラッセ・チューリヒ」の1日目が、チューリヒ市街の特設フィー […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年9月号 (8月12日発売)

2025年9月号 (8月12日発売)

衝撃の5日間
広島インターハイ特集!
桐生祥秀 9秒99

page top