2023.06.02
◇第107回日本選手権(6月1日~4日/大阪・ヤンマースタジアム長居)2日目
ブダペスト世界選手権の代表選考会を兼ねた第107回日本選手権の2日目に男子円盤投が行われ、堤雄司(ALSOK群馬)が57m98で優勝。この種目では畑山茂雄に続いて2人目となる通算10回目の日本一を飾った。
日本選手権の単一種目10回優勝は男子で8人目、5連覇を含む優勝となると史上7人目の偉業となった。
大雨警報が出るほどの天気。「すべるので1回目に100%集中した」。これも経験のなせる技。誰もが苦しむなか、優勝記録を1回目に放った。6回目はすべって腰を押さえる仕草もあったが、何度もガッツポーズを作る。王者らしい勝ち方だった。
初優勝したのは2012年で、同じ大阪が舞台。「すごくうれしかったのを覚えていますし、今回も変わらずうれしいですね」と胸を張った。
北海道出身の33歳。高校の教員であり指導者だった父の元で中1の夏休みに円盤投を初めて投げた。「その時は1kgで、どうやってこんな重たいものを投げるんだろうって思いました」。中3でジュニア五輪優勝。高校記録も樹立し、インターハイも制した。国士大では日本インカレ4連覇を果たしている。
サークルに入って、手を投てき方向に向けて胸に当てるルーティンは威光を放つ。2017年に2度日本記録を樹立し、翌年に湯上剛輝(トヨタ自動車)に更新された後、2020年3月に62m59とさらに日本記録を取り返した。
「10回も勝てると思っていなかった。一つひとつの日本選手権を覚えていますし、ここまでやってこられて幸せです」
心境の変化や、ケガなど身体の変化も当然ある。「5年前、10年前にあったような日本代表や世界大会、記録へのこだわりはありません」。ではなぜ続けてこられたのか。勝ち続けられるのか。
「勝ちたい。それだけです。これまでの円盤投の選手で、自分が一番勝ちたいと思ってやってきた自負があります」
積み上げてきた10回優勝の金字塔。「勝ちたい。その炎はまだ消えていません」。これからも、目の前の試合を全力で勝ちにいく。
【動画】10回目の日本一!男子円盤投・堤雄司のスローをチェック!
|
|
RECOMMENDED おすすめの記事
Ranking
人気記事ランキング
-
2025.07.04
-
2025.07.04
2025.07.02
HOKAの新作レーシングシューズ「ROCKET X 3」が7月2日に新登場!
-
2025.07.01
-
2025.07.02
-
2025.06.17
2022.04.14
【フォト】U18・16陸上大会
2021.11.06
【フォト】全国高校総体(福井インターハイ)
-
2022.05.18
-
2023.04.01
-
2022.12.20
-
2023.06.17
-
2022.12.27
-
2021.12.28
Latest articles 最新の記事
2025.07.04
3日目の男女砲丸投の競技開始時間を繰り下げ 女子は14時30分、男子は16時40分から/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権の3日目の競技開始時間の変更が決まった。 広告の下にコンテンツが続きます 主催する日本陸連は暑熱対策として、今大会の […]
2025.07.04
5000m廣中璃梨佳は2位に涙「希実先輩との動きの差がある」世界陸上へ前進「うれし涙に」/日本選手権
◇第109回日本選手権(7月4日~6日/東京・国立競技場) 1日目 東京世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権が行われ、女子5000mは田中希実(New Balance)が14分59秒02の大会新で4連覇を果たし、参加 […]
Latest Issue
最新号

2025年7月号 (6月13日発売)
詳報!アジア選手権
日本インカレ
IH都府県大会