2023.01.15
◇第41回全国都道府県女子駅伝(1月15日/京都・たけびしスタジアム京都発着:9区間42.195km)
第41回全国都道府県女子駅伝が行われ、大阪が7大会ぶり4度目の優勝を飾った。
アンカーまでもつれにもつれたV勝争い。大阪には頼れるランナーがいた。大阪で生まれ育ち、この大会でも何度もタスキをつけてきた松田瑞生(ダイハツ)だ。
トップと5秒差の3位でタスキを受けると、「1区から8区の選手が本当に頑張ってくれた。これで優勝しないと帰れない。優勝めがけて走りました」。2秒後ろから追いついた神奈川・佐藤成葉(資生堂)を従えながら、トップを争う東京、福岡を追う。そして2.6kmで追いつくと、並ぶ間もなく抜き去った。
冬のマラソンに向けてトレーニングの真っ最中という段階だが、「マラソン練習が効果を発揮してくれた。後半は本当にしんどかったけど、マラソンをしていたからかすごく前半は余裕をもって走れました」。
中間点を過ぎて神奈川も振り切ると、そのまま独走。最後まで力強いピッチは衰えず、トップで競技場へ。31分22秒の区間賞の快走を見せた松田は、最後は右手を突き上げ、2時間15分48秒でVテープを切った。
2021年の中止を挟んで7大会前の2015年も、アンカーを務めて同じように優勝のフィニッシュをした松田は、「安田監督に優勝をプレゼントできたことが本当にうれしく思います」と満面の笑顔で振り返った。
「アンカーには松田がいる」(安田功監督)。それが大阪の合言葉だった。そして、その通りの継走を見せた。
1区の水本佳菜(薫英女学院高3)は、年末の全国高校駅伝で区間賞を獲得した同じ6kmを、実業団勢に交じって4位と健闘。これで波に乗ると、2区では薫英女学院高OGの中島紗弥(エディオン)が早くもトップに躍り出た。
「1、2区で流れを作って、3区から8区をなんとか耐える」想定だったという安田監督。最高の出足から、その後もトップ争いを繰り広げた。
各区間で遅れそうになる場面が何度かあったが、最後に盛り返す粘りを発揮。8区区間中7人が区間ひとケタでつなぐ。その目線は、常にアンカーの松田へと向けられていた。そして、その松田が8人の汗が染み込んだタスキを、しっかりとトップでフィニッシュに届けた。
「あまり予想していなかったので本当にうれしいです。あの位置で松田渡せば、という信頼感がありました。もう最高です」と選手たちにがんばりを称えた安田監督。特に薫英女学院高時代の教え子でもある松田に対して、「マラソンの練習を継続しながらですが、大阪のために走ってくれた。感謝しています」。
恩師からの期待に応えた松田も、「安田監督に呼んでいただいた限りは、自分の力を発揮するしかないと思っていました」と胸を張った。
薫英女学院高の現役・OGを軸に全員が力を発揮し、エースが締めくくる。区間賞は松田のみ。まさに粘りの「全員駅伝」で、大阪が女王の座を取り戻した。
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