HOME 高校

2022.08.04

高校アスリート最大の祭典が開幕!男子400mはランキングトップの冨永湧平が47秒01で優勝/徳島IH
高校アスリート最大の祭典が開幕!男子400mはランキングトップの冨永湧平が47秒01で優勝/徳島IH


◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園)

インターハイが8月3日、徳島・鳴門総合運動公園(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)で始まった。灼熱の夏の5日間、高校生たちがそれぞれの目標に向かって突き進む。

初日の男子400mでは、今季高校ランキングトップの46秒69を持つ冨永湧平(東福岡3福岡)が47秒01で初優勝を飾った。前回は、4×400mリレーでチーム初優勝に貢献。大きな喜びに浸った一方で、400mは3位と0秒01差の4位でメダルを逃し、悔しさを味わった。さかのぼれば3年前の全中も2位。個人種目での日本一は冨永にとって悲願だった。

広告の下にコンテンツが続きます

徳島で目指したのは、「予選から1本1本確実にタイムを上げていくこと」。前回は準決勝から決勝でそれができなかったことがメダルを逃した要因と考えている。だからこそ、練習では、ビルドアップ的に1本ずつタイムを上げながら本数をこなしてきた。この日は予選を47秒60で通過した後、準決勝を全体トップの47秒40で走っても、「1本1本を大事に、流さずにしっかり無駄なく走る」という意識に揺らぎはなかった。

さらに、予選後も準決勝後も、他の選手たちが力を使い果たしてしゃがみ込む横を冨永は颯爽と引き上げていった。「(顧問の植木貴頼)先生からは『絶対に疲れた姿を周りには見せないように』といつも言われているからです。疲れた姿を見せると、周りに『勝てるな』と思われてしまいます。だからどんなに疲れていても、待機所に行くまでは楽な表情でいることを心掛けました」

冨永本人は明かさなかったが、今季は故障でシーズン開幕で出遅れるなど、満足に練習できない時期もあったという。それでも、できることをコツコツとこなしていった。冨永が昨年から変わったのは、体力や走力以上に、メンタル面の成長が大きかったのかもしれない。

レベルの高いライバルたちの存在も刺激になっていた。「中道(大貴/東海大翔洋3静岡)や小島(颯太/岡崎城西3愛知)という全中の決勝で一緒に戦った選手と、またこういう舞台で戦えたことはうれしかったですし、長葭(遥斗/浜松開誠館3静岡)はU20日本選手権で予選から戦って、『速いな』と目標にしていた存在だったので、そういう選手たちは意識して走っていました」

インターハイ覇者の称号を得たが、歩みは止めない。冨永は「今月の終わりに九州選手権に出るので、そこでは46秒69を切れるように走りたいです」と勝ってなお、自己記録更新に貪欲な姿勢を見せていた。

◇1日目の優勝者
男子400m 冨永湧平(東福岡3福岡)47秒01
男子ハンマー投 秋山玲二郎(四学香川西3香川)66m23=大会新
女子400m 児島柚月(西京3京都)54秒04
女子ハンマー投 三村啓恵(敦賀3福井)53m82

文/小野哲史

◇徳島インターハイ(8月3日~7日/徳島・鳴門総合運動公園) インターハイが8月3日、徳島・鳴門総合運動公園(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)で始まった。灼熱の夏の5日間、高校生たちがそれぞれの目標に向かって突き進む。 初日の男子400mでは、今季高校ランキングトップの46秒69を持つ冨永湧平(東福岡3福岡)が47秒01で初優勝を飾った。前回は、4×400mリレーでチーム初優勝に貢献。大きな喜びに浸った一方で、400mは3位と0秒01差の4位でメダルを逃し、悔しさを味わった。さかのぼれば3年前の全中も2位。個人種目での日本一は冨永にとって悲願だった。 徳島で目指したのは、「予選から1本1本確実にタイムを上げていくこと」。前回は準決勝から決勝でそれができなかったことがメダルを逃した要因と考えている。だからこそ、練習では、ビルドアップ的に1本ずつタイムを上げながら本数をこなしてきた。この日は予選を47秒60で通過した後、準決勝を全体トップの47秒40で走っても、「1本1本を大事に、流さずにしっかり無駄なく走る」という意識に揺らぎはなかった。 さらに、予選後も準決勝後も、他の選手たちが力を使い果たしてしゃがみ込む横を冨永は颯爽と引き上げていった。「(顧問の植木貴頼)先生からは『絶対に疲れた姿を周りには見せないように』といつも言われているからです。疲れた姿を見せると、周りに『勝てるな』と思われてしまいます。だからどんなに疲れていても、待機所に行くまでは楽な表情でいることを心掛けました」 冨永本人は明かさなかったが、今季は故障でシーズン開幕で出遅れるなど、満足に練習できない時期もあったという。それでも、できることをコツコツとこなしていった。冨永が昨年から変わったのは、体力や走力以上に、メンタル面の成長が大きかったのかもしれない。 レベルの高いライバルたちの存在も刺激になっていた。「中道(大貴/東海大翔洋3静岡)や小島(颯太/岡崎城西3愛知)という全中の決勝で一緒に戦った選手と、またこういう舞台で戦えたことはうれしかったですし、長葭(遥斗/浜松開誠館3静岡)はU20日本選手権で予選から戦って、『速いな』と目標にしていた存在だったので、そういう選手たちは意識して走っていました」 インターハイ覇者の称号を得たが、歩みは止めない。冨永は「今月の終わりに九州選手権に出るので、そこでは46秒69を切れるように走りたいです」と勝ってなお、自己記録更新に貪欲な姿勢を見せていた。 ◇1日目の優勝者 男子400m 冨永湧平(東福岡3福岡)47秒01 男子ハンマー投 秋山玲二郎(四学香川西3香川)66m23=大会新 女子400m 児島柚月(西京3京都)54秒04 女子ハンマー投 三村啓恵(敦賀3福井)53m82 文/小野哲史

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.11.15

仙台育英高・長森結愛が3000m高1歴代2位の9分04秒77! 米澤奈々香 4年ぶり自己新の5000m15分26秒64/日体大長距離競技会

11月15日、神奈川横浜市の日体大健志台陸上競技場で第324回日体大長距離競技会兼第18回NITTAIDAII Challenge Gamesが行われ、NCG女子3000mでは高校1年生の長森結愛(仙台育英高・宮城)が留 […]

NEWS 好調の楠岡由浩が1万m27分52秒09 帝京大初27分台! 高1のビリスが27分33秒99のU18世界歴代5位/日体大長距離競技会

2025.11.15

好調の楠岡由浩が1万m27分52秒09 帝京大初27分台! 高1のビリスが27分33秒99のU18世界歴代5位/日体大長距離競技会

11月15日、神奈川横浜市の日体大健志台陸上競技場で第324回日体大長距離競技会兼第18回NITTAIDAII Challenge Gamesが行われ、NCG男子10000mでは楠岡由浩(帝京大)が27分52秒09の自己 […]

NEWS 男子は宮崎日大が大会初V 飯塚が初全国 女子は神村学園がV9!北九州市立、鹿児島も都大路決める/全九州高校駅伝

2025.11.15

男子は宮崎日大が大会初V 飯塚が初全国 女子は神村学園がV9!北九州市立、鹿児島も都大路決める/全九州高校駅伝

全九州高校駅伝が11月15日、福岡県嘉麻市の嘉穂総合運動公園周辺コースで開催され、男子(7区間42.195km)は宮崎日大(宮崎)が2時間6分02秒で初優勝を飾った。女子(5区間21.0975km)は神村学園(鹿児島)が […]

NEWS レジェンド・金丸祐三さん、塚原直貴さんが参加! サニブラウンとともに陸上教室講師として/RIKUJOフェスティバル

2025.11.15

レジェンド・金丸祐三さん、塚原直貴さんが参加! サニブラウンとともに陸上教室講師として/RIKUJOフェスティバル

11月15日、日本陸連はRIKUJOフェスティバル(11月29日/東京・国立競技場)で実施する「RIKUJOスクール(子ども向け陸上教室)」の講師に、東京世界選手権代表のサニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)とともに、 […]

NEWS 関大が56年ぶりV! 6区・嶋田匠海の区間新で逆転 2位関学大、3位大経大 オープン参加の青学大も好走/丹後大学駅伝

2025.11.15

関大が56年ぶりV! 6区・嶋田匠海の区間新で逆転 2位関学大、3位大経大 オープン参加の青学大も好走/丹後大学駅伝

◇丹後大学駅伝/第87回関西学生駅伝(11月15日/京都・宮津市民体育館~京丹後はごろも競技場着8区間74.7km) 11月15日、関西学生駅伝が行われ、関大が3時間45分55秒で56年ぶり12回目の優勝を飾った。 関大 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年12月号 (11月14日発売)

2025年12月号 (11月14日発売)

EKIDEN REVIEW
全日本大学駅伝
箱根駅伝予選会
高校駅伝&実業団駅伝予選

Follow-up Tokyo 2025

page top