◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)9日目
オレゴン世界陸上9日目のイブニングセッションに行われた男子やり投決勝。前回王者のアンデルソン・ピータース(グレナダ)が圧巻のアーチを連発した。
1投目にいきなり90m21と大台へ乗せると、続く2投目にも90m46。強烈な先制パンチで、ライバルたちを圧倒した。3投目に昨年の東京五輪銀メダルのヤクブ・ヴァドレイヒ(チェコ)が88m09、4投目に東京五輪金メダルのニーラジ・チョプラ(インド)が88m13をマークして追ったが、90mスローには至らなかった。
ピータースは優勝を決めた後の6投目にも90m54とさらに記録を伸ばし、世界陸上史上初の3度の90mスローを達成。5人が86m以上というハイレベルの中でも圧倒的な強さを見せた。
カリブ海に浮かぶ人口11万人の小国で生まれたピータースは、2016年のU20世界選手権で銅メダルを獲得し、米国のミシシッピ州立大から奨学金を得て渡米。18年、19年と全米学生選手権を2連覇し、伏兵的な存在から19年ドーハ世界選手権優勝を果たした。
しかし、22歳にして世界王者となってから試練。ブロック脚の左膝を痛めて手術をし、そこから復調するまでに時間を要した。昨年の東京五輪は予選で敗退。「悔しくて、情けなかった」と振り返っている。
それでもケガを乗り越え、万全の状態を整えた今季はシーズンイン直後から好調。5月のダイヤモンドリーグ(DL)開幕戦・ドーハ大会では世界歴代5位の93m07をマークしたほか、6月上旬にオランダ・ヘンゲロで90m75、世界陸上前最後のDLだったストックホルム大会も90m31と、前回とは打って変わって「本命」として今大会に臨んでいた。
世界陸上の連覇は、五輪3連覇など一時代を築いた世界記録保持者ヤン・ゼレズニー(チェコ)以来の快挙。昨年、歴代2位(97m76)を持つヨハネス・フェッター(ドイツ)が欠場したとはいえ、大舞台で力を発揮するピータース時代の幕開けと言えるかもしれない。
■男子やり投上位成績
1位 アンデルソン・ピータース(グレナダ) 90m54
2位 ニーラジ・チョプラ(インド) 88m13
3位 ヤクブ・ヴァドレイヒ(チェコ) 88m09
4位 ジュリアン・ウェバー(ドイツ) 86m86
5位 アルシャド・ナディーム(パキスタン) 86m16
6位 ラッシ・エテレターロ(フィンランド) 82m70
7位 アンドリアン・マルダレ(モルドバ) 82m26
8位 オリヴァー・ヘランダー(フィンランド)82m24
9位 ディーン元気(日本/ミズノ) 80m69

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