HOME 世界陸上、海外

2022.07.24

ピータース圧巻の90m台3発!!90m54で史上2人目の男子やり投連覇/世界陸上
ピータース圧巻の90m台3発!!90m54で史上2人目の男子やり投連覇/世界陸上

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)9日目

オレゴン世界陸上9日目のイブニングセッションに行われた男子やり投決勝。前回王者のアンデルソン・ピータース(グレナダ)が圧巻のアーチを連発した。

1投目にいきなり90m21と大台へ乗せると、続く2投目にも90m46。強烈な先制パンチで、ライバルたちを圧倒した。3投目に昨年の東京五輪銀メダルのヤクブ・ヴァドレイヒ(チェコ)が88m09、4投目に東京五輪金メダルのニーラジ・チョプラ(インド)が88m13をマークして追ったが、90mスローには至らなかった。

ピータースは優勝を決めた後の6投目にも90m54とさらに記録を伸ばし、世界陸上史上初の3度の90mスローを達成。5人が86m以上というハイレベルの中でも圧倒的な強さを見せた。

カリブ海に浮かぶ人口11万人の小国で生まれたピータースは、2016年のU20世界選手権で銅メダルを獲得し、米国のミシシッピ州立大から奨学金を得て渡米。18年、19年と全米学生選手権を2連覇し、伏兵的な存在から19年ドーハ世界選手権優勝を果たした。

広告の下にコンテンツが続きます

しかし、22歳にして世界王者となってから試練。ブロック脚の左膝を痛めて手術をし、そこから復調するまでに時間を要した。昨年の東京五輪は予選で敗退。「悔しくて、情けなかった」と振り返っている。

それでもケガを乗り越え、万全の状態を整えた今季はシーズンイン直後から好調。5月のダイヤモンドリーグ(DL)開幕戦・ドーハ大会では世界歴代5位の93m07をマークしたほか、6月上旬にオランダ・ヘンゲロで90m75、世界陸上前最後のDLだったストックホルム大会も90m31と、前回とは打って変わって「本命」として今大会に臨んでいた。

世界陸上の連覇は、五輪3連覇など一時代を築いた世界記録保持者ヤン・ゼレズニー(チェコ)以来の快挙。昨年、歴代2位(97m76)を持つヨハネス・フェッター(ドイツ)が欠場したとはいえ、大舞台で力を発揮するピータース時代の幕開けと言えるかもしれない。

■男子やり投上位成績
1位 アンデルソン・ピータース(グレナダ) 90m54
2位 ニーラジ・チョプラ(インド)     88m13
3位 ヤクブ・ヴァドレイヒ(チェコ)    88m09
4位 ジュリアン・ウェバー(ドイツ)    86m86
5位 アルシャド・ナディーム(パキスタン) 86m16
6位 ラッシ・エテレターロ(フィンランド) 82m70
7位 アンドリアン・マルダレ(モルドバ)  82m26
8位 オリヴァー・ヘランダー(フィンランド)82m24
9位 ディーン元気(日本/ミズノ)     80m69

◇オレゴン世界陸上(7月15日~24日/米国・オレゴン州ユージン)9日目 オレゴン世界陸上9日目のイブニングセッションに行われた男子やり投決勝。前回王者のアンデルソン・ピータース(グレナダ)が圧巻のアーチを連発した。 1投目にいきなり90m21と大台へ乗せると、続く2投目にも90m46。強烈な先制パンチで、ライバルたちを圧倒した。3投目に昨年の東京五輪銀メダルのヤクブ・ヴァドレイヒ(チェコ)が88m09、4投目に東京五輪金メダルのニーラジ・チョプラ(インド)が88m13をマークして追ったが、90mスローには至らなかった。 ピータースは優勝を決めた後の6投目にも90m54とさらに記録を伸ばし、世界陸上史上初の3度の90mスローを達成。5人が86m以上というハイレベルの中でも圧倒的な強さを見せた。 カリブ海に浮かぶ人口11万人の小国で生まれたピータースは、2016年のU20世界選手権で銅メダルを獲得し、米国のミシシッピ州立大から奨学金を得て渡米。18年、19年と全米学生選手権を2連覇し、伏兵的な存在から19年ドーハ世界選手権優勝を果たした。 しかし、22歳にして世界王者となってから試練。ブロック脚の左膝を痛めて手術をし、そこから復調するまでに時間を要した。昨年の東京五輪は予選で敗退。「悔しくて、情けなかった」と振り返っている。 それでもケガを乗り越え、万全の状態を整えた今季はシーズンイン直後から好調。5月のダイヤモンドリーグ(DL)開幕戦・ドーハ大会では世界歴代5位の93m07をマークしたほか、6月上旬にオランダ・ヘンゲロで90m75、世界陸上前最後のDLだったストックホルム大会も90m31と、前回とは打って変わって「本命」として今大会に臨んでいた。 世界陸上の連覇は、五輪3連覇など一時代を築いた世界記録保持者ヤン・ゼレズニー(チェコ)以来の快挙。昨年、歴代2位(97m76)を持つヨハネス・フェッター(ドイツ)が欠場したとはいえ、大舞台で力を発揮するピータース時代の幕開けと言えるかもしれない。 ■男子やり投上位成績 1位 アンデルソン・ピータース(グレナダ) 90m54 2位 ニーラジ・チョプラ(インド)     88m13 3位 ヤクブ・ヴァドレイヒ(チェコ)    88m09 4位 ジュリアン・ウェバー(ドイツ)    86m86 5位 アルシャド・ナディーム(パキスタン) 86m16 6位 ラッシ・エテレターロ(フィンランド) 82m70 7位 アンドリアン・マルダレ(モルドバ)  82m26 8位 オリヴァー・ヘランダー(フィンランド)82m24 9位 ディーン元気(日本/ミズノ)     80m69

次ページ:

       

RECOMMENDED おすすめの記事

    

Ranking 人気記事ランキング 人気記事ランキング

Latest articles 最新の記事

2025.04.30

水戸招待のエントリー発表! 棒高跳に柄澤智哉、山本聖途、諸田実咲ら男女トップ集結 戸邉直人、城山正太郎も出場予定

5月5日に行われる日本グランプリシリーズ第7戦「2025水戸招待陸上」のエントリー選手が発表された。男子棒高跳には東京五輪代表の山本聖途(トヨタ自動車)、江島雅紀(富士通)や世界選手権代表経験のある柄澤智哉(東京陸協)ら […]

NEWS 【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

2025.04.30

【連載】上田誠仁コラム雲外蒼天/第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」

山梨学大の上田誠仁顧問の月陸Online特別連載コラム。これまでの経験や感じたこと、想いなど、心のままに綴っていただきます! 第56回「昭和100年とスポーツ用具の進化」 昨年は記念大会となる第100回箱根駅伝が開催され […]

NEWS 【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

2025.04.30

【高校生FOCUS】男子競歩・山田大智(西脇工高)インターハイで昨夏の雪辱誓う 高校記録更新にも挑戦

FOCUS! 高校生INTERVIEW 山田大智 Yamada Daichi 西脇工高3兵庫 2025年シーズンが本格的に始まり、高校陸上界では記録会、競技会が次々と開かれています。その中で好記録も生まれており、男子50 […]

NEWS 5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

2025.04.30

5.3静岡国際、パリ五輪代表の坂井隆一郎、200m世界陸上標準突破の水久保漱至らが欠場

5月3日に行われる静岡国際のエントリーリストが更新され、現時点で欠場届を提出した選手が判明した。 男子100mはパリ五輪代表の坂井隆一郎(大阪ガス)が欠場。坂井は4月13日の出雲陸上で脚を痛め、29日の織田記念の出場も見 […]

NEWS 26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

2025.04.30

26年ブダペスト開催の「世界陸上アルティメット選手権」やり投・北口榛花が出場権獲得

世界陸連(WA)は4月29日、2026年に新設する「世界陸上アルティメット選手権」の大会500日前を受け、昨年のパリ五輪の金メダリストに出場資格を与えることを発表した。女子やり投で金メダルを獲得した北口榛花(JAL)も含 […]

SNS

Latest Issue 最新号 最新号

2025年4月号 (3月14日発売)

2025年4月号 (3月14日発売)

東京世界選手権シーズン開幕特集
Re:Tokyo25―東京世界陸上への道―
北口榛花(JAL) 
三浦龍司(SUBARU)
赤松諒一×真野友博
豊田 兼(トヨタ自動車)×高野大樹コーチ
Revenge
泉谷駿介(住友電工)

page top